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戦旗と呼ばれる十三の怪物は──
帝国の闇に潜み、音も無く──
獲物を狩る
概要
帝国の元老院直属の特務機関。国内外のスパイや元老院の敵対勢力への粛清などを主な使命としている。
メンバーは精鋭揃いであり、ほとんどが強力な異能を個々で有している。中には個人で一個大隊の戦力に匹敵する力を持つ者もいる。
狩猟戦旗メンバー
第一戦旗<白夜> キリエ・シト
司令官を務め、狩猟戦旗全体をまとめる青年。
〈穢れた白〉の異名を持つ。
〈不在の戒め〉という魔法の糸により対象を拘束することができ、獣となり暴走したジュダを一瞬で捕らえるほどの効果を持つ。
狩猟戦旗メンバーにあだ名を付けることがある。
第二戦旗<夢魔> ヴェロニカ・メアリィワース
狩猟戦旗の副司令官を務める。
実態のある蝶の幻影を作り出す能力を持つ。
ジュダの古い知り合いで、神獣の血を引く帝国元老院でさえも恐れさせる、<夜会の青い蝶>と呼ばれる伝説的な存在の人物。
第三戦旗<破邪> スキピオ・オルランディ
キリエから付けられたあだ名は〈首切り役人〉。
狩猟戦旗に対する固執は無く、己の目的のためだけに活動している。
レヴナントに対抗する機関、〈花園〉に所属する最強の戦闘員。
あらゆる魔術が効かず、いかなる攻撃を受けても死なないことから<不死の猟犬>(イモータルハウンド)と呼ばれている。
同じ〈花園〉に所属するウェルナーの師匠であり、彼に28もの禁忌を施術し、戦い方を教えた。
同じ〈花園〉に所属していたファビオラの元上司。
第四戦旗<降魔> ルドラ・ボルツ
キリエから付けられたあだ名は〈初代〉。
〈救国の英雄〉とも呼ばれ、狩猟戦旗の初代司令である。
六百年前に大いなる獣を封じた九人の英雄のうちの一人。常に闘争を求めており、彼が狩猟戦旗に加入したのも合法的に暴れられるからだという。
魔法や魔術の類が利かず、それら全てを拳でかき消すほどの力を持つ。
第五戦旗<覇剣> クレハ・シンジョウ
帝国陸軍少将にして、剣術流派<戦術流>の達人。
白猫プロジェクト初期に登場したトモエ・シンジョウの母でもある。
キリエから付けられたあだ名は〈仕立て屋〉。
帝国内では〈帝国の剣〉と呼ばれている。
戦術流という戦闘方法の免許皆伝者であり、斬撃を飛ばして戦う。特に、絶技〈覇剣〉という技は、アイシャの拒絶の概念そのものをも斬ることができる。
第六戦旗<聖絶> ロキ・エリシオン
キリエから付けられたあだ名は〈咎人〉(本人はこのあだ名を嫌っている)。
四百年前に帝国を襲撃した〈雷霆の魔王〉その人であり、帝国の国土の三分の一までを略奪したことで〈帝国の厄災〉とも呼ばれていた。しかし、当時の狩猟戦旗とジュダによって五重の封印が施され、現在は皇帝の慈悲により虜囚となっている。
第七戦旗 ???
現時点での詳細は不明。
第八戦旗<鬼哭> テレンス・クレイオス
フルネームはテレンス・クレイオス。
キリエから付けられたあだ名は〈料理人〉(レシピさえあればどんな料理でも作る一流シェフのように、仕事のやり方に決まった型が無いことから付けられた)。
過去の経歴を全て抹消しており、戦旗加入の経緯は不明。元老院に対して悪感情を抱いているらしい。
第九戦旗 ???
現時点での詳細は不明。
第十戦旗<業火> アイシャ・アージェント
キリエから付けられたあだ名は〈占い師〉。
学生時代に帝国アカデミーで知り合ったキリエに誘われ、狩猟戦旗に入ることとなった。
レヴナントによって作られた〈拒絶〉の概念使い。グランドマスターからは『拒絶の曼珠沙華(ラディアタ)』と呼ばれている。
ルーンの力を拒絶して無力化、人の意識の拒絶して気絶させるなど、あらゆる事象を拒絶することができる。
第十一戦旗 ???
現時点での詳細は不明。
第十二戦旗<析眼> ニナ・クリスティ
分析官であり、戦闘よりも情報収集やバックアップを得意とする。
『帝国戦旗2』の最後でニナが何者かに事の顛末を報告するシーンがあったが、『帝国戦旗3』にてニナがセンテュリオのスパイであることが判明するという形で伏線が回収された。
第十三戦旗<葬送> ジュダ・バル・アーウェルサ
キリエから付けられたあだ名は〈葬儀屋〉。
元々狩猟戦旗に第十三戦旗は存在しなかったが、反皇帝派とレヴナントを追うべく十三番目の旗としてメンバー入りした。
世界の我儘バールと神獣の因子が混ぜ合わされて生み出された存在で、帝国では伝説とさえ謳われている。
帝国戦旗Ⅲ The Phantom Order
※この先、ネタバレ注意!
ヴェロニカの正体
彼女の正体は契約の幻影であり、十二柱の神獣と皇帝の契約によって生じた帝国の守護者である。
少女の姿をしているが、スキピオによると二百年前は現在とは別の姿をしており、ヴェロニカという名前も昔とは異なるらしい。
実態のある幻影を作り出す能力を持ち、本体と幻影との距離が遠く離れていても連絡が可能であり、偵察などに応用できる。
しかし、本命の力は契約の幻影としての能力である。ヴェロニカは帝国の敵と認定した者から一方的に力を奪い、帝国の敵と戦う者に力を与えることができる。やや限定的ではあるが、条件さえ満たせば帝国内で最強の戦力になりうるとも言われている。ただし、帝国の敵ではない者に対しては一切傷つけることができないと言う特性も持っている。
裏切り者
「やはりあなたの目はごまかせませんでしたか……
注意はしてたんですけどね……」
帝国戦旗Ⅲの真の黒幕は、第八戦旗のテレンスだった。
彼の正体は帝国陸軍特殊実験部隊〈ウェアウルフ〉の実験よって作られた兵士。
帝国の在り方に対して高い理想と理念を持っており、帝国を守る兵士となるために仲間と共にウェアウルフに志願したが、そのほとんどが実験に失敗し死亡。テレンスは奇跡の成功例として兵士となったが、元老院や軍部、議会など、帝国の腐った実情を目の当たりにし失望する。帝国のために死んでいった仲間たちの無念を晴らすため、ツァラと組み、帝国を一から作り直す決断をした。
〈模倣〉の概念使いが〈習得のルーン〉を埋め込まれたことにより生まれた改造人間で、模倣と習得の力により魔術や魔法、異能力などを完全にコピーして使いこなすことができる。この能力によって、概念使いによる〈腐食〉、〈切断〉、〈拒絶〉、〈圧縮〉の力や、ヴェロニカの幻影、クレハの戦術流、ロキの雷霆の力さえも習得した。
最期は、アイシャ、クエスタ、ジュダ、ヴェロニカの手によって、倒された。
新たな戦旗
第八戦旗<酔客> クエスタ・コラプサー
テレンス除名に伴い、第八戦旗の席にはクエスタが加わることになった。
〈舞踏〉と〈圧縮〉の概念使い。作中で登場した中では唯一、複数の概念を扱うことができる人物。〈舞踏〉の力は周囲の人間を踊らせたり事態を混乱させることができる。一方、〈圧縮〉の力は、様々な事象を「圧縮」することが可能で、応用すると空間を圧縮させることで力場を発生させたり、空気を圧縮させて高気圧を生み出すことができる。