田代(MAJOR)
めじゃーのたしろ
悔いのない一球を投げ込んでこい!
たとえこれがラストボールになったとしても、俺達は今日のお前の184球を一生忘れねえ!
聖秀学院高校の数少ない男子。かつては岡村三兄弟も所属していた強豪、本牧リトル・シニアで4番キャッチャーを務めていた実力者。
高校以降は勉強に専念すべきという父親の意向で強制的に野球をやめさせられ、その反動で野球を毛嫌いしており、転校してきた茂野吾郎に野球部に入るよう説得されるも非協力的な態度を取る。駆り出された練習試合でも打球処理を全くしなかったり、わざと誤送球して吾郎の足を引っ張るが、吾郎や藤井の熱意にほだされ、次第に野球への情熱を取り戻していく。遂には負傷した藤井に代わって吾郎のキャッチャーに名乗りを挙げ、以後吾郎の女房役として欠かせない戦力となる。
登場初期は冷淡な面も見られたが、本来は熱血漢な性格で、仲間に弱みを見せようとせず孤軍奮闘する吾郎に対し力になれない自分たちの不甲斐なさに苦悩するなど、一言でいえばいいヤツである。
高校卒業後は一浪して大学に進学。ワールドカップでは藤井とともに現地まで吾郎の応援に駆け付け、ホーネッツの優勝決定戦もテレビで観戦していた。
続編「MAJOR2nd」では三船リトルの監督を務める。
打撃
チャンスに強い長距離打者。ど真ん中であったとはいえ後にプロ入りする香取の球を本塁打にする、プロ入り確実とされる市原から2点タイムリーを放つなど打撃力は高く、打順も3番や4番などのクリーンナップを任されることが多かった。聖秀の挙げた4勝のうち2試合で勝利打点を挙げている。
守備
150キロを優に超え、夢島組の捕手でも初見では取れないような吾郎の球をちゃんと見て取る、悪天候の中バントをさせないためにわざとワンバウンドさせた吾郎の球をほぼ逸らさずに捕球するなど、キャッチングの能力は非常に高い。
一方で肩に関しては吾郎から悪くはないといわれているが、クイックが下手な吾郎をカバーできるほどの強肩ではなく盗塁されることが多い。
リードに関しては保守的で、それゆえ敵に配球を読まれることもあった。しかし自身も海堂戦で佐藤寿也のリードを読んで市原から適時打を放っている。
陽花高校戦
5打数3安打5打点1本塁打
初回に相手先発・杉村から先制の適時打を放つ。7回にも安打を放ちチャンスを広げ、宮崎の2点適時打で生還。8回にはリリーフの変則投手・平仲相手に無死満塁で打席が回る。足を痛めているにも拘わらず内野安打で出塁した吾郎の負担を減らすため、外野の頭を抜ける打球を狙うが、なんとこれが逆転満塁本塁打となる。9回表、怪我の影響で満足に投球できない吾郎を鼓舞して1死満塁のピンチを切り抜け、勝利の立役者となる。最終スコアは(陽花)8対9(聖秀)。
三船高校戦
2打数0安打0打点3四球
吾郎のスタメン落ちで打線の唯一のポイントゲッターであったため、小森から徹底警戒され、最初の3打席はすべて敬遠される。8回、無死二塁一塁の場面でようやく勝負となるが、相手投手の山根に対してほぼ初打席だったこともあり球筋に慣れておらず、最悪の併殺打に終わってしまう。試合自体は途中出場した吾郎や藤井の活躍、そして9回の敵失で勝利した。最終スコアは(聖秀)5対4(三船)。
横浜商蔭高校戦(アニメでは川上実業)
?打数?安打0打点
強打を誇る相手に吾郎がノーヒットノーランを達成した試合。詳細は省かれているが聖秀の放った5安打のうち3安打は吾郎によるものであり、3打点もすべて吾郎が打っている。田代も後に「茂野におんぶに抱っこだったじゃねえか」と話している。横浜商蔭は投手力の弱さを打線の凄さでカバーしている高校という設定だが、吾郎(と清水大河)を除いた素人の聖秀打線ではその軟弱投手陣も碌に打てなかったということであり、このことが海堂戦前の田代の聖秀ナインへの猛特訓に繋がる。最終スコアは(横浜商蔭)0対3(聖秀)。
久里山高校戦
4打数1安打1打点1本塁打
好投手・香取を相手に少しでも強打者に多く打席を回すため、2番で出場。香取の切れ味鋭いスライダーに手も足も出ず、8回までチーム全体がノーヒットに抑え込まれる。2点ビハインドの9回、代打の大河の安打により初めてランナーが出ると、次打者の吾郎は前の打席から多投されていたスライダーに対応して本塁打を打ち同点に追いつく。続く田代は、決め球を打たれたことで精神的に動揺した香取の甘い球を逃さず二者連続の本塁打。これが決勝点となった。なおこのとき田代の打球は外野スタンドに入ってはいるが、野手に捕球されているため本来のルールであればアウトである(いわゆるホームランキャッチ)。最終スコアは(聖秀)3対2(久里山)。
海堂高校戦
5打数1安打2打点1四球
初回は二死二塁のチャンスで打席が回るも相手先発・市原の癖球にひっかけてしまい遊ゴロに終わる。4回は制球を乱した市原から四球を選ぶ。
5回には前を打つ吾郎の敬遠で二死二塁一塁で回り、市原の「久里山の香取には及ばない」スライダーを狙い打ってショートへの内野安打を放つが、これが様々な幸運が重なって2点適時打となり、続く藤井が変わった阿久津のナックルから(偶然)二塁打を打ったことで自身も生還する。
捕手としては吾郎のバント阻止のためのワンバウンド投球やその場凌ぎの変化球、それに寿也への敬遠策などに尽く従い、寿也に吾郎のイエスマンとなっていることを指摘される。これに発奮して逃げ腰のリードをやめ、吾郎に真っ向勝負を促したことでバッテリーの強化に繋がり、これ以降吾郎は何球かに1球の割合で投げていた抜け球を全く投げなくなる。
7回の守備では自身の消極的な指示によるミスでピンチを招くが、どうにか無失点で切り抜ける。
8回表は阿久津の前に一飛に倒れるが、裏の守備では江頭の吾郎の消耗を狙った卑劣なバント攻撃に対し、宮崎と内山にもっとダッシュして吾郎の負担を軽くするよう檄を飛ばし、さらにはダイビングキャッチでチームを盛り立てる。
9回のピンチでは満塁のほうが守りやすいと国分を敬遠するが、これが裏目に出て寿也にまで打席が回り、同点適時打を打たれてしまう。
延長戦に入り、悪天候に加え嵩む投球数、そして足の怪我により満身創痍の吾郎に対し「もうマウンド上で消耗していくお前の球を取りたくねぇ」「棄権しよう」と話すが、「自分のわがままに付き合ってくれたチームメイトに責任を取る」と吾郎は棄権を拒む。
10回表の攻撃、前の回から登板した難攻不落の眉村健相手にピッチャーフライに終わるが、ボールが当たったことでわずかながら希望を見出しまだ諦めないようチームを鼓舞する。
その後は両チーム無得点が続き、12回表、吾郎がボロボロになりながらも眉村からヒットを放つが、続く自身は三振に倒れる。
12回裏、遂に限界が来て無死満塁で打席に眉村という絶体絶命のピンチを招いた吾郎に対し、チームメイトとともにマウンドに歩み寄り「お前のわがままに付き合って野球をやったわけじゃない」「むしろ感謝している」という旨を伝え、記事冒頭の言葉に繋がる。この言葉を聞いた吾郎は最後の力を振り絞って眉村を三振に打ち取る。試合自体は直後のボークで敗北するが、夏の大会、県予選・甲子園を通じて海堂を追い詰めたのはこの聖秀だけであった。
最終スコアは(聖秀)5対6(海堂)。
最終打撃成績(横浜商蔭高校戦を除く)
16打数5安打8打点2本塁打4四球
打率:.3125 出塁率:.450 塁打数:11 長打率:.6875