解説
平たくいえば、分解ができる組み立て式の簡単な橋。
戦地には人や馬がまともにが通れるような丈夫な橋が常にあるというわけではなく、持ち運び可能な分解式の橋は近代的な軍隊では必要不可欠なものとなっていた。明治時代の日本軍でもこのような橋をいくつか所有しており、乙車載式架橋器材と呼ばれているものだった。
しかし、大正時代に起きた第一次世界大戦にて、戦車や大型火砲の牽引車が現れたため、各国がこれを導入する動きを見せると、乙車載式架橋器材ではこのような大型兵器の通過は不可能であったため、日本も重い車両に対応した架橋器材を改めて開発することになった。
構造
橋としての構造は、素早く組み立て・分解ができるように、簡易的なものとなっている。鉄製のボートの上に連結式の板を並べた門橋と呼ばれるタイプの橋であり、安定のため一定間隔で両サイドに支柱を設置してあった。
橋の部材は支柱が6本、鉄製のボートが21艘でワンセットとなっており、これを100台のトラックで運んだ。
この橋は部材の組み合わせ方によって4つの段階に分かれており、最大の4段階目で重さ16トンの車両が通過可能だった。
派生型
分解式の渡し船。
甲車載式架橋器材が対応できない程、幅広の深い河もしくは橋を組み立てる暇がない激戦地で使用するために開発された。