現在関西空港駅発着で運転されている優等種別「空港急行」の前身。
概要
南海本線・難波~泉佐野間の急行停車駅のうち、乗降人員数が他と比べて少ない春木駅の停車の有無を区別するために設定された急行列車。
方向幕が車両に搭載されていなかった時代は行先表示板を赤色で丸く縁取られていた(「赤丸急行」)が、方向幕設置に際し赤色の種別に白線を引いて「-急-」「-急行-」と表示したのが始まり。鉄道ファンなどの間で「白線急行」と呼ばれるようになった。
通常の「急行」は春木駅を通過するのに対し、この「白線急行」は春木駅に停車する。
原則春木駅通過の「急行」は「難波~和歌山市間通し運転」「和歌山港線へ直通し難波~和歌山港間を運転」する列車を対象とし、それ以外・途中駅を発着する急行を「白線急行」として停車駅を分けている。かつて運転されていた淡路航路連絡の急行「淡路号」もこちらの「白線急行」のカテゴリーであった。
- ただし、春木駅は岸和田競輪場への最寄駅であることから、日中運行の春木駅通過の「急行」は岸和田競輪開催時に春木駅へ臨時停車、種別を「白線急行」の表示へ変更する措置が取られていた。
- 「白線急行」は主に「難波~泉佐野間」の列車を中心に運転され、また車庫引き上げを兼ねた「難波~羽倉崎間」の列車も設定されていた。1994年の関西国際空港開港に合わせ「難波~泉佐野間」の列車は関西空港発着へ延長し列車種別を「空港急行」へ変更、また「難波~羽倉崎間」の列車は停車駅が同一であるという理由で「区間急行」へ統合された。
- 空港線が天災等で運転見合わせになった際、「空港急行」の代替として「白線急行」が走ることもある。
- 定期列車は1994年の関西国際空港開港以降設定されておらず、長らくの間春木駅へ臨時停車する列車しかない状態が続いた。が、2017年のダイヤ改正で難波発泉佐野行き「白線急行」が1本、久々の定期列車として設定。2021年現在は難波発の終電(=終電限定の種別)となっている。