概要
単行本12巻PHASE:73『カラテ大戦争ッ!!!』より登場。
太陽系から集結した百名以上に上る空手の猛者達の一人。
絶火の「生き残った中に面白いヤツがいたなら…チームに加えてやってもいい」と言う発言に端を発した宇宙空手連合補充要員選抜戦『カラテ大戦争』で実力を示し、絶火の推挙もあり超甲殻空手の汰羅刃と共に宇宙空手連合に加わり、準決勝 金星シードチームであるゲノム王国戦を生き抜き、単行本16巻、決勝にて宇宙天使隊ザジと戦った。
人物
一言で表すならば、ド変態。欲望の赴くままに空手を振るい、殺して犯すことを好む洒落にならないド外道である。しかし、こんな輩ではあるが修羅場をくぐり抜けた歴戦の猛者であり、生きるか死ぬかの世界で空手を磨き続けた求道者である。そのため、他の流派の空手を「所詮スポーツ」と切って捨てており、己の空手は暗殺拳であると自負している。
裏社会の暗殺者として名を馳せていたが、その極まった変態性から裏社会でも煙たがられており、連続婦女暴行殺人やわいせつ物陳列罪などを繰り返すサイコ犯罪者として悪名を轟かせていた。
こんなどうしようも無い変態ではあるが、空手に対しては非常に真摯に向き合っており、男の浪漫や戦士の矜持にもちゃんと理解を示す器量を持ち合わせている。そのためか、刀耳や絶火たちからも一目置かれており、人品骨柄はさておき頼もしい仲間として認識されていた。
そのあまりにも濃いキャラクターから人気を博した名悪役である。
羅姦の軌跡
カラテ大戦争
いかなる理由からか明らかにされていないが、宇宙空手連合の補充要員にはせ参じる。
カラテ大戦争開始五分、約半数の参加者が物言わぬ残骸に成り果てる中、羅姦は「はあぁ~ つまらん つまらん~~~~!!」「男ばっかでむさ苦しいったらないわ~」「女子(おなご)はいないのか女子は~!?」と余裕を見せる。この際、初めて流派と名前が明かされる。
しかし、これを「神聖な男の戦いを愚弄するか」と中道空手 真究理、黒神空手 亜民、亜洲吐露空手 岩我、オメガ会 炸呂ら見咎められ、過去の罪から「空手界の名誉のためにもここで誅殺すべし」と1対4の戦いを挑まれるも、ポロニウム貫手により瞬殺。圧倒的な強さを見せ付ける。
準決勝 金星シードチーム ゲノム王国
開幕直後、嗾けられた金星特産大怪獣ビゴルヌ・シッシュファスと刀耳
・汰羅刃が激闘を繰り広げる中、伏兵として指揮官オムデュフーへの暗殺を試みるも、失敗。行動を予測されており逆に囚われの身となる。
しかし、刀耳・汰羅刃がピンチと見るや、徹甲館奥義 戮筋折腑により自らの四肢五体をバラバラにし、脱出。汰羅刃が命を賭して作った勝機を逃さず劣化ウラン蹴りを一閃! オムデュフーをあと一歩のところにまで追い詰めるが、戮筋折腑から仮り組みによる復帰の無理がたたり空中分解、リタイヤとなる。
決勝戦前
宇宙天使隊エルフ、ツヴェルフを闇討ちにしこれを葬る。
裏社会で名の知られた暗殺者としての殺人術と連続婦女暴行殺人犯ぶりを見せつける。
決勝戦 宇宙天使隊
火星戦士ザジの火器を用いた戦法に対し、徹甲館空手の奥義でをもって終始圧倒した試合運びを見せる。
また、妻子の存在が明らかにされ、純朴な空手家が連続婦女暴行殺人犯へと変じた悲劇も描かれた。
過去
前述した決勝戦の回想シーンにて明らかになった。
元々は言葉も顔つきも穏やかな空手家で、徹甲館の売りである銃弾を素手で摘む演武を得意としていた。しかし、息子の同級生たちはその演武をトリックと決めつけ、息子に拳銃を渡して証明を強要。無邪気に父の無敵性を信じた息子はいきなり父に発砲し、不意を突かれた羅姦は頭部を撃ち抜かれてしまう。
羅姦は一命を取り留めたものの、脳を損傷したために自制心が消え失せ、性欲や暴力欲を一切抑えない凶漢へと変貌してしまった。現在の頭蓋骨むき出しの顔は、この時に顔面の皮膚を自ら剥ぎ取った結果である。
戦闘力
小柄かつ細身のボディから、パワー・耐久力に劣るがスピードは弾丸を優に避けるばかりか二指で挟み止める、果ては歯で噛み止めて打ち返す荒業もやってのける。
奥義を含めた徹甲館空手の数々の技を自己流のアレンジを加えて使いこなす。
ポロニウム貫手
通常の徹甲館空手は貫手の貫通力を増すために指先に劣化ウラン弾芯を仕込む。羅姦はさらに工夫を加え猛毒のポロニウムを仕込んでいる。サイボーグといえども循環系にこれが混ざれば脳細胞が侵されて死に至るという恐るべき技である。
劣化ウラン蹴り
ZOTT実況 J・ゲルランボーの発言より。
手指同様、足先にも劣化ウランが仕込まれて蹴りの威力を挙げているものと推測される。
その威力は不意をついたとはいえオムデュフーの胴体を真っ二つにするほど。
徹甲館奥義 戮筋折腑(ロッキンオフ)
全身をバラバラにすることにより拘束等から脱出する技。
自力でバラバラになった身体をもとに組み上げることが出来るが、激しい運動を行うと空中分解の危険があり、正式な調律を必要とするようである。
ジムグリ
振動モーターの原理により地中を水の如く泳ぐことを可能にした技。
爆発物から逃れる、背後をとって不意を突くなどに使用された。
弧弾返し(こだまかえし)
道着の下に仕込んだメビウスの輪状にひねられた金輪……外道輪(ゲドーリン)に受けた銃弾を前述の振動モーターの原理により加速、射手に打ち返すというもの。
徹甲館奥義 空気受け
体幹運動の僅かな動きから衝撃波を発生させ、銃弾を受け止める技。
散弾はともかくライフル弾は防御不可能のようである。
作中では「ぱぉっ」の気合と共に突き出した尻(から生み出された衝撃波)によって散弾を止めたため、「屁で散弾を止めたァ!?」とコメントされている。
徹甲館奥義 弾心徹し
空気受けでは防ぎ切れないライフル弾の防御に使用。
飛来するライフル弾の芯を正確に一本貫手で貫く絶技で、作中では10発をほぼ同時に撃ち落とした。
この技をイカサマ扱いされた結果が現在の彼を産んだが、イカサマでないことが試合で証明された形である。
暴走輪
身に着けていた外道輪を外し、足の裏に装着し高速移動を行う。
恐らく振動モーターの原理が使われているものと推測される。
変態飛攻
暴走輪からの派生技と思われる。
高速軌道戦のセオリーを無視した、合理的ではないクセがある……それゆえ予測不可能な動きで敵に吶喊する。
円錐雲を作りながらの跳躍であることから音速に近い速度であると推測され、その威力は極めて頑丈であると思われるZOTT闘技場内の障害物をクッキーの型抜きの如く切り抜いていた。