概要
胆は六腑(中空で、食物・代謝産物が送られた時のみ充ちる)と
奇恒の腑(中空だが,精気を蓄えている)に属している為、
他の腑にはない特色がある
(ただし、六腑との共通点は飲食の消化に関わる事のみとも言われている)。
精神
例えば『素問』霊蘭秘典論篇には「胆は中正(中立)の官、決断ここより出ず」と記載されている。
つまり、胆は公正・剛直な器官であり、正確な判断を下すとされてきた。
その為、勇気や決断などが関わる場合、
「胆が座る」「胆を冷やす」「落胆」「胆力」「臥薪嘗胆」等胆を使って表現される。
身体
肝が作り、胆に蓄えた胆汁は、小腸に分泌することで小腸の消化を助ける効果を持つ。
故に胆の病変は胆汁の貯蔵・排泄の異常として表れる。
代表的な症状は口の苦み等。
他に胆汁が正常に腸へ排泄されずに全身の皮下に広がると、黄疸の症状として表れる。
胆実証・胆虚証
胆実証では胆経の経気が阻帯すると、脇痛・耳鳴り・頭痛・目の充血といった身体症状が表れる。また怒りっぽくなる・苛立ち気味になるといった肝の病変とよく似た精神症状にもなる。
胆虚証ではドキドキする・驚きやすい・眠れない・夢を見やすいといった精神症状に陥る。
参考資料
オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の 教科書p8,9,24