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概要編集

あだち充作品では珍しくスポーツに関わっておらず、また一芸に秀でたものの無い主人公である。


学校のマドンナ的な同級生の鹿島みゆきに好感を抱いていたところ、ひょんなことから彼女に好意を持たれていることを知り、前後して6年ぶりに帰国した妹の若松みゆきと父親不在(母親は死別)の一軒家で同居が始まる。

恋人を「みゆきちゃん」、妹を「みゆき」と呼び分けた。


どちらの「みゆき」も才色兼備であり、鹿島狙いのハイスペックな香坂健二から横恋慕されたり、妹の級友から「みゆきのお兄さんならもっと素敵な人を想像する」と評されるなど、彼女たちに比べ真人自身は平凡であり、これは当人も自覚している。


多少の紆余曲折を経たものの、本来ならば高嶺の花な鹿島と交際を無事にスタートしたことで青春を謳歌するはずだったが、妹とは再婚した親の連れ子同士で血縁関係が無いことに気づき、自分を兄と慕う彼女が天涯孤独だと知られぬよう人知れず立ち回ることになる。

また、淑やかな鹿島と順調に交際を重ねていく間も、不良の間崎は元より体育教師の中田や果ては鹿島の実父にまで興味を持たれる妹の交流関係には気が気でなく、事あるごとに邪魔に入ることもしばしば。

実は真人も帰国直後の妹と気づかずナンパした前歴があり、傍目には仲の良い兄妹でありつつ、自分を優先して無邪気に甘えてくる妹とは稀にその枠を越えかけるような場面が幾度かあった。一例は学園祭の演劇にて代役で妹と恋人役として舞台に立った際に演出の暗闇でキスをしている(ファーストキスは初詣デートした鹿島とである)。


一浪を経て大学進学後は浪人につきあった恋人と余裕で合格した妹と共にキャンパスライフを満喫するも、日本代表のサッカー選手として有名人になった幼馴染の沢田優一の登場で事態は急展開。

美しく成長した若松みゆきに一目惚れした優一がプロポーズし、妹の結婚相手として理想的な「優ちゃん」ならばと真人は今までにない応援的な態度を示す。


そして結婚披露宴当日。報道陣や来賓として招かれた関係者、そして花嫁のみゆきの前で真人はスピーチを始める―――。


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