「おはよう、愛しのタンポポちゃんっ。ああ! じゃなくて、転校生ちゃん♪」
概要
『あんさんぶるスターズ!』のキャラクター羽風薫×転校生ちゃんを組み合わせたNLカップリング。
※この記事は「スカウト! 荒野のガンマン」、「衝突! 思い還しの返礼祭」及び「燦爛 ホットなホリデーパーティ」の詳細なネタバレを含みます。
ご存知の通り、薫は女の子が大好きで、デートのためならレッスンやライブも欠席するなど女の子を第一としているが、転校生が転校してきたときも、例によってナンパに赴いた。
しかし女子校での生活が長かった転校生にとって薫は恐怖の対象でしかなく、拒絶するような態度を取ってしまい、薫も初めての反応にムキになり、強引に手を引いて連れ出そうとした。
転校生はガーデンテラスを逃げ回り、食器棚に籠城。薫がなんとか出そうと苦戦しているところへ、真緒、続けて零が登場し、不利を悟った薫は「唾をつける機会はある」とその場を立ち去った。
そんな衝撃的な初対面を果たしたために、薫は転校生から徹底的な塩対応を受けることになる。
目が合っただけで逃げられ、誰かの後ろに隠れられ、デートに誘っても「無理です」「しません」の二択、挙句の果てには無視という、女性向けゲームらしからぬ塩対応の数々。薫も薫で毎回のようにしょっぱい扱いをされながらも、めげずに話しかけ、口説き続けていた。
そんなふたりの関係も、時の経過とともに進展していく。
「スカウト! 荒野のガンマン」で、薫は3-Aの面々に転校生を加えてゲームセンターに足を運んだ。
相変わらず転校生に避けられる薫はクラスメイトである英智に「どうしてこんなに避けられるのかな?」と悩み(?)を吐露した。
そんな薫に対し、英智は「君からは『怖い』以外の理由で逃げている気がする」と発言。薫が意味を測りかねて追及すると、
「異性として意識されている……のかな」
と薫あんクラスタ歓喜の言葉(爆弾)を返した。
あくまで英智の推測ではあるものの、勘が鋭そうな英智の言葉なので、転校生が羽風のことを異性として意識している可能性は高いと思われる。
それに加え、転校生が薫の髪を結んだり、薫が転校生を名前で呼んだり、距離が縮まったことがよくわかる。
なにやらストーリー開始時点の台詞から不穏な気配がしていたが、終盤になってようやく、薫が目元を腫れさせていた原因が判明する。
薫の姉がお見合いをすることになり、薫は学校をサボって準備の手伝いをしていた。薫の代わりに真面目に地味に退屈な人生を歩むしかなかった姉と兄に、薫は感謝も尊敬もしており、少しは助けになればと思ってのことだった。
しかし、綺麗に着飾った姉は、「ごめんね、薫ちゃん」と化粧が崩れるほどに泣いた。それを見た薫も、パニックになったせいか涙が止まらなくなった。
薫は自分が泣いた理由がわからず、整理もしきれず、しかしうじうじ考えたくないという理由で、クラスの面々と遊んでいたということであった。
転校生は、自分には弟がおり、立場が「姉」であるため、薫が泣いた理由もなんとなくわかるかもしれないと言った。「一緒に戦う」「守られてばかりじゃ嫌」というなんとも男前な台詞つきで。
それを聞いた薫は、転校生が推測する「自分が泣いた理由」を教えてほしいと請う。
「アホな男どもや他の女の子にはわかんないことも、君なら教えてくれる気がする」
薫あん史上最高のイベントとなったのが、「燦爛 ホットなホリデーパーティ」。
年末、休日を登校日と間違えて登校した薫は、流星隊の忘年会を開こうとし、それにちょうどいい店を聞こうと転校生を探していた千秋と鉢合わせする。薫の勘で転校生を見つけると、三人は転校生の勧めた繁華街のレストランに視察に足を運ぶことにした。
学院ではスタフェスで披露した曲のMV撮影が企画されており、その撮影日と忘年会の予定日が被っていたものの、転校生の計らいで、レストランをMV撮影のロケ地にし、流星隊とUNDEADが合同で忘年会を開くことになった。
薫はその忘年会にて、転校生に積極的にアピールしていく。
・「(食後にお腹を見て気にしている転校生を見て)転校生ちゃんならちょっとふくよかでも許容範囲だから♪」
・「(↑の発言に転校生が怒ってしまったので、フォローしようとして)ふくよかな女の子って魅力的だよね~」
・「転校生ちゃん、雪で転ばないようにね。俺の腕にしがみついてもいいよ」
・「転校生ちゃんと話し足りないなぁ。ねえねえ、もう一周しちゃう?」
・「次に転校生ちゃんに会えるのはMV撮影当日かな?」「年明け前に会えるんだもんね。そこは神様に感謝しないと♪」
そしてMV撮影当日。恙なく撮影が進行していくなか、外の空気が吸いたくなった薫は、こっそりと輪から抜けて夜風に当たっていたところ、同じことを考えた転校生もベランダに出てきた。「転校生ちゃんなら大歓迎」と薫はうれしそうに迎え入れる。
「……夜更けに男とふたりきりなんて、何があってもおかしくないよ」
「抵抗しないってことはいいんだね? 真面目にやってきたご褒美ってわけじゃないけど、あんずちゃんにしてもらいたいことがあるんだ」
「俺のお願い……聞いてくれるでしょ?」
まさに公式が最大手。
上記の台詞は夜景をバックにした鮮やかなスチルも相まって、非常に美しく、見ごたえのあるものになっている。この破壊力に転校生は薫の本気モードに当てられてショートしてしまった。なお、このシーンでの薫の「お願い」は、千秋のタイミングのいい(悪い?)登場によってうやむやになっている。
ここでは主要な部分を抜粋したが、「ホリデーパーティ」は全体的に甘い雰囲気が漂うストーリー展開となっている。薫あん好きは必見。
そして、返礼祭に繋がる。
「まあ、死にもの狂いで……。アイドルを、つづけてみる」
「それで、長い人生の中で……。俺のことを愛で包んでくれる誰かと、また出会えたら万々歳かな」
「転校生ちゃんが、そうなってくれたらよかったんだけど」
卒業後、アイドル活動に本腰を入れるつもりの薫は、女性関係の身辺整理をしていた。そのために使っていた言葉が「俺のお母さんになってくれるかな~って思ったんだよね」というもの。薫が付き合う女性に母性を求めていたようなことがほのめかされる言葉である。
転校生にも同じ感情を抱いていたらしい薫だったが、今は少しの別れのとき。
「とびきりの美人になってね、転校生ちゃん。そしたら俺、再会したときに今度こそ本気で口説くから」
「先に行って待ってるよ、芸能界でまた会おう」
「あはは☆ そうそう、その笑顔! その笑顔がけっこう本気で大好きだったよ、行ってきま~す……♪」
夏のスターマインの際に椚からプロデューサーとしての戒めを受けていた転校生。
プロデュース科、そして共学化の第一号生、ある意味では実験体として過ごし、アイドルたちと密接に関わってきた転校生。
転校当初から行動をともにし、強い絆が生まれたTrickstar、最初こそ厳しい態度を取られ続けたものの、徐々に関係を深めていったKnightsなど、学院中のユニットから信頼と好意を受け、愛情と献身を捧げてきた転校生。
まだ年若く、高校生という多感な時期に、日本中のどんな学生よりも近いところで彼らの成長を見守って来た彼女に、プロデューサーとアイドルの線引きをしろというのは酷な要求だろう。
椚やひなたの言葉を受けて苦しんでいたかもしれない転校生に、薫の純粋な告白と未来への約束は、どう感じられたのだろうか。
※作品を投稿する際には『あんスタNL』タグも併用することをお勧めします。