概要
宮内ひかげと越谷夏海の回想に登場する怪人、もといひかげと夏海の幼き日の思い出。
回想
東京から帰省してきたひかげは、夏海と遊んでいたのだが、盆栽を破壊。それを隠蔽しようとしたことで、越谷母に大目玉を食らう。
2人はその責任を巡って、喧嘩してしまう。
そして帰ったあと、2人は互いに「あいつのせいで…」と思いながら、布団に入る。
そして、夏海とひかげは
今思えば、昔からケンカばかりだったなあ、と幼き日の出来事を思い出す…。
夏の暑い日、ひかげが「暑いなあ」とグチを垂れながら歩いていると、洗濯かごを被った夏海が飛び出してきた。
夏海は「虚無僧マン」を名乗り、それで遊ぼうと誘う。
じゃんけんの結果、なぜか負けたひかげが“怪人”「虚無僧マン」になり、夏海の相手をした。ひかげは大人げなく、夏海の攻撃を避けるが、スネ蹴りを食らい、ダウン。
ひかげは、逃げていった夏海を追うが、件の夏海はこのみとアイスを食べており、「虚無僧マン」遊びは終わったと告げる。
夏海はそのお詫びか、アイスを渡そうとするが、暑さで溶けて落ちてしまう。
拗ねてしまったひかげ。
翌日の放課後、夏海はひかげを秘密基地へと誘うが、前日のことを根に持っていたひかげは「ひとりで遊んどけ」と突き放す。
夏海も、そんなひかげを突き放すように「じゃあ、ひとりで遊ぶ」と言って、秘密基地へと向かった。
その日の夕方、ひかげは焦った顔で走り回る夏海の母を見掛ける。聞くに、夏海が家に帰ってこないらしい。
ひかげはどこにいるかは見当がついていたが、前日の件からか、母には言わなかった。
しかし、自分のせいで危ない目に遭っているかもしれないという罪悪感からか、ひかげは夏海のいるであろう秘密基地へ向かう。
が、そこに夏海の姿はなかった。しかし、夏海の性格をよく知っていたひかげ。この辺りにいるはずだと探したところ、木陰で座り込む夏海を見つけた。
どうやら、膝を擦りむいた上、帰り道が分からず、途方にくれていたらしい。
それを見たひかげは、
「帰るぞ」
と、手を差し出した。
夏海をおぶって帰るひかげ。
夏海は「ひかねえ」と声をかけ、前日の件について謝った。
それに対して、ひかげは前日のことで根に持って突き放し、大人げない対応をとったことを詫びた。
仲直りした夏海とひかげは、また明日もいつものように“遊べる”ことを約束し合ったのだった。
翌朝、縁側で「暑いなあ」と、ひかげがグチを垂れていると、洗濯かごを被せられた。
「出たな虚無僧マン!」
と声が。
そこにはれんげと夏海。どうやら、ふたりして「虚無僧マン」ごっこをしていたらしい。
すると、れんげは3人して秘密基地で遊ぼうと提案する。
ひかげは前日の件からか、遠慮気味に断ろうとする。
すると、夏海が
「い…一緒に行こうよ、秘密基地」
と少し遠慮がちに、ひかげを誘う。
ひかげは前日のことから、少し迷うが、あの日の思い出が頭によぎったのか、
「行くか、秘密基地」
と、夏海の誘いに乗った。
ひかげはヤル気満々に準備を始める。
そして、そこにあの日と同じように、れんげから「スネ蹴り」を食らう。
あの日の時計の針が動き出したかのように、あの日出来なかったことをやるために、2人は、れんげとともに秘密基地へと向かうのだった。