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西天竜幹線水路

「西天龍耕地整理組合地区一帯の地は、長野県上伊那郡伊那富村、中箕輪村、南箕輪村西箕輪村並に伊那町に跨がり南北四里に亘る海抜二千四、五百尺の大地にして地形概ね平坦なるも地勢上殆ど水利の便を欠き、為に広漠たる林野、荒廃せる桑園其の大半を占め食糧時給の策たたざること既に久し、是を以て藩政時代以来先覚の士が諏訪湖より疎水して水田を開拓せんと欲したること一再に止まらざりしも経始容易ならざるを以て実現を見ずして空しく数十年を経たり.......」(鍾水豊物-上伊那郡西天竜耕地整理記念碑より引用)と古来より伊那は水の便に欠けており、江戸時代のころから疎水計画はあったが計画途中で断念。明治九年の計画も資金面の問題でなかなか実現に至らなかった。再び開発計画が持ち上がったのは明治三十三年。同四十五年にかけて実地測量が行われ国が陳情するまでにこぎつけたが、事態は進展せず膠着状態に。しかし大正時代になって、米騒動と第一次世界大戦により政府が食糧増産政策をとったため事態は好転。大正七年に西天竜耕地整理組合が設立され、同十一年十一月、念願の起工式を挙げることになる。さらに六年後の昭和三年十一月、原野、畑千二百ヘクタール(1.180ヘクタール)を大田園化に導く、延長約二十六キロメートルの水路が完成する。この水路は取水口に設けたローリングダム、コンクリートの水路、合理的な分水タンク(後の円筒分水)等当時としては画期的なもので、全国から農業団体の視察が訪れた。西天竜幹線水路の完成による当地区の開田は昭和二年から始まり、同十三年にはおよそ四百三十ヘクタールを開田し、これを完了した。この開田事業は地元の農業者が、全て人力、畜力で行ったため、相当な重労働だったらしい。

水路の概要             備考

水路全長26.7キロメートル (24.811キロメートルともある)
頭首工 1ヵ所
サイホン6ヵ所
土砂吐 7ヵ所
ゲート 2ヵ所
分水工 83ヵ所(現在) この内円筒分水が何基あるかは不明。編集者が確認したのは40基。未確認9基。
除塵機?1ヵ所?
水路橋 7ヵ所?
ずい道 不明
発電所 1ヵ所 発電所から2.5キロメートル程上流にいった小沢川の途中に助水工がある。
助水工 不明

円筒分水

この水路の一番の特徴と言っていいのは円筒分水である。尚西天竜では元々、穂坂式配水池と呼ばれていた。昭和三年に完成·通水した西天竜幹線水路だったが、開田したばかりの田は水持ちが悪く、また水路の補修による水不足も起こり、たびたび水争いが起こるという新たな問題に直面した。その解決策として円筒分水を提案·採用したのが第三代西天竜耕地整理組合長穂坂申彦だ。そのため円筒分水のことを穂坂式配水池と呼んでいる。円筒分水とは逆サイホンを利用し、分水工の中央から水を溢れ出させ、噴出口外周部のスリットから流れ落ちた時に分水する装置である。西天竜幹線水路には元々57基の円筒分水があったが、現在では35基が稼働しているとのこと。このため国内最大規模の円筒分水群として、平成十八年度に公益社団法人土木学会選奨土木遺産に認定された。

円筒分水リスト (未)は編集者が未確認。確認次第場所を書きたい。

新町2号(長方形?)
1号甲
1号乙
1号乙2(県道を挟み、乙の東側)
2号
3号
4号
5号
6号甲
6号乙
6号乙2(廃止)(未)
7号
9号
11号
11号2(未)
14号
14号2(未)
14号3(長方形?)(未)
16号
17号
18号
18号2(県道を挟み、東側)
19号甲(民家の中)
19号甲2
19号乙
20号
21号甲
21号乙
22号
22号2(未)
23号
24号
25号甲
25号丙(長方形?)(未)
29号
29号東2(県道沿い)
29号南2(橋の直下)
30号
31号
31号2(廃止)(未)
31号3(廃止)(未)
32号
32号2(県道沿い)
32号3(県道を挟み、東側)
33号甲
33号乙(廃止)(県道沿い)
34号
34号2(長方形)
36号
37号
38号(形式不明)(未)

円筒分水の変化

スリットと円筒水路は分水する方角の水路によって決まった流入量になるように作られていて、分水された水路の先にある水田を潰して分水する量を減らしたい時、スリットに土嚢を詰め込み調整している。先にも述べたが西天竜幹線水路には複数の円筒分水と扇形分水(円筒分水程のスペースを確保できなかった場合、扇形のように小さくして分水している。)があり、日本で一番たくさんの円筒分水を保有する水路である。そのためか地元から愛も強く、改修工事の際、取り壊しても問題ない(もはや円筒分水にする必要のない)円筒分水を再び元の形に戻して使用している。余談だが、発電所の南に小高い台地を登ると荒井という地域があり、そこにも円筒分水がある。西天竜幹線水路とは関係ないが、一度行ってみるのをお勧めする。

見学

極めて道が狭いためバイクや自転車で行くのをお勧めする。しかしブログ等を見ると、バイクはバッテリーがあがるため、自転車で行くのが一番良いと思われる。途中途中コンビニがあるため、そこで水分補給やトイレ休憩ができる。また、水田や民家の中を流れているので、くれぐれも地元の人に迷惑がかからないように心がけること。ちなみに水路のフェンスに地元の小学生が書いた「ゴミを捨てないで」というようなポスターや新聞が貼ってあってとても微笑ましい。

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