序幕
―――仙人と呼ばれる者たちがいた時代。
天地開闢の頃より存在する仙石から
一匹の猿が生まれた。
ずる賢く、膨大な霊気を宿したその猿は
ほかの猿や妖怪たちを引き連れて大暴れ。
天界や地上で様々な悪行を繰り返した。
しかしやがて行き過ぎた猿は
天界の怒りを買い、釈迦如来によって
岩山に500年間閉じ込められてしまう。
500年後、俗界の救済のために天竺まで
経文を取りに行く旅に出た三蔵法師により、
封印を解かれた猿は、三蔵法師に弟子入り。
徳を積んで罪を許されるまで、
三蔵法師の天竺までの旅に同行することになる。
美猴王、斉天大聖、大聖翁…
さまざまな呼び名を持つその猿だが、
もっとも広く呼ばれた名前がある。
すなわち、孫悟空である―――
ストーリー
ひとりぼっちの孫悟空Ⅰ
開幕:一行がやってきたのは果てしないシルクロードの砂漠。カオステラーを生み正すカーリーやロキを気にしながら、それでも自分たちのできることを果たすために、一行はこの想区のカオステラーの『調律』に向かう。
一方おなじ頃、孫悟空は『調律の巫女』を探して、動き始めていた…
終幕:一行の前に突如現れた孫悟空は無理やりレイナを連れ去ろうとする。なぜかレイナが『調律の巫女』であることを知っていた孫悟空。一行は悟空と一戦交えそうになるが、直後、悟空は頭の痛みを訴えて立ち去ってしまう。
すぐに一行は悟空のあとを追いかけ始めるが…
ひとりぼっちの孫悟空Ⅱ
終幕:悟空は頭にはめた輪っか、“きんこじ”の痛みに苦しみながら、三蔵法師の教えを思い出す。
エクスたち一行に、バラバラになった仲間たちの姿を重ね合わせながら、悟空は一行に会って、改めて礼を尽くすことを決意する。
ひとりぼっちの孫悟空Ⅲ
開幕:一行の前にふたたび現れた悟空は態度を改めて、協力を要請する。戸惑うレイナだったが、そこへヴィランたちが出現する。ヴィランを師匠の仇と称する悟空とともに、一行は協力して、この場を切り抜けることにするが…
終幕:孫悟空から事情を聞くことになる一行。天竺に向けて旅をしていた孫悟空たちだったが途中で牛魔王の襲撃に遭い、仲間たちはバラバラ。三蔵法師は目の前でヴィランにされてしまったのだ。さらに一行は、この想区にレイナたちのことを悟空に伝えた謎の人物、“観音様の使い”がいることを知らされる…一行は悟空とともに火焔山へ向かうことに。
月と美女と猪八戒Ⅰ
開幕:ある村に立ち寄った一行はそこで村人からの歓迎を受ける。あからさまな罠の匂いに警戒するエクスたちだったが、タオと悟空、そしてなし崩し的にレイナもまんまと罠にはまる。
正体を現したヴィランたちから一行は逃げようとするが…
月と美女と猪八戒Ⅱ
開幕:村じゅうを逃げ回る一行は、そこでおなじく罠にはまっている者を見つける。彼女の名前は猪八戒、悟空の仲間だった。
まんまと罠にはまっている猪八戒を解放し、一行は村からの脱出を試みる…
終幕:村から脱出した一行と猪八戒。互いに無事を喜び合う悟空と猪八戒は、沙悟浄もまだ生きているのではないかという推測を立てる。
沙悟浄の手がかりを求めて、一行は西にある砂でできた河、流沙河へと向かう。
沙悟浄の罠Ⅰ
開幕:流沙河にたどり着いた一行。なぜか悟空と猪八戒のあいだで食い違う沙悟浄の話に戸惑いながら、一行は沙悟浄を探しまわるが…
沙悟浄の罠Ⅱ
開幕:ヴィランに包囲される一行に、突如語りかけてくる声があった。謎の声に煽られて、猪八戒は暴走。その隙に謎の声は一行たちに脱出を勧める。その声に心当たりがある悟空だったが…
終幕:ヴィランたちから脱出した一行のもとに現れたのは、沙悟浄だった。ずっと身を潜めていた沙悟浄は悟空に対して熱烈なアプローチを仕掛ける。仲間が集まり、いつもの調子を取り戻しつつある悟空たち。さらにタオが手に入れた手がかりをもとに、牛魔王のアジトへ向かうことに…
三蔵法師の罪と罰Ⅰ
開幕:牛魔王のアジトである洞窟にたどり着いた一行。三蔵法師の弟子としての誇りを胸に、悟空は群がる敵に立ち向かおうとする。
一方、一行のあとを追って洞窟に忍び込む影があった。
終幕:牛魔王を見つけられない一行。だが悟空はそこで“ある人物”を見つけ、慌てて走り始めてしまう。すぐに一行は悟空を追いかけるが…
三蔵法師の罪と罰Ⅱ
開幕:悟空の前に現れたのは、ヴィランにされたはずの三蔵法師だった。三蔵法師は悟空の罪を糾弾し、“きんこじ”を締める呪文“きんこじゅ”を唱えて悟空を苦しめる。
あとから追いつく一行だったが、三蔵法師の姿をした人物の持つ宝具により、レイナがヒョウタンに閉じ込められてしまう。レイナを助けるべく、一行は三蔵法師に戦いを挑むが…
終幕:三蔵法師を追い詰めたかに思えたのもつかの間、芭蕉扇によって一行は吹き飛ばされてしまう。
エクスは偶然一緒にいた悟空を励ましながら、レイナを助けに向かおうとする。が、なぜかそこへひょっこりと助け出されたレイナが顔を出し、一人の女性が姿を現わす。彼女の名前はファム。『空白の書』の持ち主にして、『導きの栞』を持つ魔女だった…
通りすがりの魔女
開幕:レイナとは昔馴染みであるファム。彼女はレイナたちと悟空を引き合わせるために、“観音様の使い”を名乗って、裏で動き回っていたのだ。
ファムの登場にレイナはぎこちない態度を取るものの、洞窟を抜け出るためにひとまず協力することに…
終幕:洞窟を抜け出た一行。レイナをいじるファムを見ながら、エクスはなんだかんだと仲の良い二人の姿に安堵する。
タオたちもあとから合流する中、エクスと悟空は改めて火焔山へ向かい、牛魔王を倒すことを誓い合うのだった。
すべての賢智のはじまり
開幕:すっかり一行に馴染むファム。レイナはまだファムに対してわだかまりを抱いていたが、仲間の大切さを身にしみて実感した悟空はレイナに助言を送る。
まだ答えを出すことができないレイナだったが…
終幕:エクスはファムからレイナの過去を耳にする。ファムとレイナの出会いの経緯、そしてレイナが持っている『箱庭の王国』や『導きの栞』…
改めて謎が深まる中、ファムはエクスに問いかける。
「この世界で、君たちは一体なにと戦うつもりなの?」
三蔵法師の弟子たち
開幕:火焔山にたどり着いた一行。襲いかかるヴィランたちの突破口を作るために、猪八戒と沙悟浄が囮を引き受ける。
一行は牛魔王のもとを目指して火焔山を突き進んでいく。
終幕:戦いの最中、レイナはファムのことを気遣う。なぜレイナはファムと別れたのか、その理由をファムから指摘され、動揺するレイナだったが、ファムのからかいを受け、改めてレイナは彼女を仲間として迎え入れることを決意するのだった。
白の仲間、黒の駒
開幕:一行の前に立ちはだかった牛魔王は悪事を働いた過去の悟空を賞賛し、現在の悟空を否定しようとする。だが、それをレイナは真っ向から否定。ついでに牛魔王のある秘密に触れ、激怒させてしまう。
しかし一行の存在に勇気づけられた悟空は三蔵法師の弟子として一行と共に牛魔王に立ち向かう。
終幕:牛魔王を倒した一行は悟空に別れを告げ、想区の『調律』を果たす。もとに戻った想区で、ふたたび悟空たちは旅に出る。
そしてエクスたちもまた新たな仲間であるファムを加えて、次の想区へ出発した。
ロキたちが彼らに仕掛けた恐ろしい罠にいまだ気づかぬまま…