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解離

かいり

解離とは、不要な記憶を整理したり、些細な重要でない物事を忘却するなどの心の機能。 誰にでもあり、日常的に使っている機能である。
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概要編集

解離とは、本来、不要な記憶や些細な重要でない体験をしまい込み意識から忘却する機能である。

脳内の記憶情報量が際限なく増加すると、日常における一般常識・重要な記憶や体験と区別がつかなくなり混乱が発生するため、些細な体験や記憶は封印したうえで圧縮してしまいこみ、表面上に現れなくさせる。

本来人間が日常生活を送るために不可欠な機能であり、なんら異常な現象ではない。


解離性障害とは編集

しかし、大規模災害虐待性的暴行戦闘・友人や近親者の死などあまりにも自分にとって残酷かつ受け入れがたい事態に見舞われたとき、脳が緊急避難的にそれらの記憶や体験を封印し、解離機能を緊急安全装置として意識から強引に忘却させることがある。

痛みを感じなくなる、凄惨な眼前の光景を認識できなくさせるなど、一旦は心の平静を表面上保たせる効果があるが、大きく過酷すぎる出来事が全く記憶から無くなったわけではなく、表面上意識できなくなっただけであり、心の傷はそのままでは癒されることなく残っているため、それらを思い起こさせる出来事が起こるとパニックに陥ったり、感情が激発する状態になってしまう。

できうる限り早期にカウンセリングなど心のケアが必要だが、放置したり適切なケアを怠ったりすると、日常生活にとりあえず適応するため、意識表層とのつじつまを強引に合わせ今度は脳が高度な自己洗脳に等しい強固な偽記憶を作り出し、表面上は完全に忘却したり、大した出来事ではなかったと思い込むが、心の傷は全く癒されていないため、外部からの刺激には脆弱であり長期的には慢性化し、手厚いケアを受けぬ限り日常生活にかえって多大な支障をきたす。


また、緊急安全装置であるがゆえ、通常の適応能力をはるかに超えた苦痛や体験を受け、苦痛によって精神が壊れる破綻寸前の意識の平衡を保つため最終手段として、記憶と密接につながる痛みの知覚や人格の一部までも強引に封印をかけてしまうこともある。放置し適切なケアを怠った場合の経過は通常の解離性障害と似るが、さらに劇的な変容を遂げ、強引に引きはがされた人格部分は傷だらけの主人格を保護するために半ば独立・細分化されたうえで耐えがたい記憶の内容を引き受けて変容し、性格の多面性とは異なる、全く連続しない副人格(自我同一性)が複数出現することになる。これが解離性同一性障害である。

解離性障害で最も激烈かつ、基本人格が偽記憶を作成した自覚がないことも多いことから、多大な苦痛を伴う対処の難しい状態で、俗に多重人格と言われる状態だが、フィクションなどでは非常に誤解が多い。

解離性同一性障害を参照。


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