概要
ある集団に属する一人が問題を起こした場合に、その集団の全員にその責任を負わせることである。
自分だけの問題ではなくなる事によって、問題を起こさないようにする意識が強まるという点と、問題が起きると他人事では済まされなくなるため、お互いに足りない所を補い合う連帯感が強まるという点では有益となる。
被害者救済の観点からも、実際に誰が被害を与えたかを特定できなくとも、被害を与えた人物の所属する団体・部署が特定できた時点で確実に「加害者」が処罰されると言う点で溜飲を下げやすいメリットもある。
ただ、集団意識に過度に拘束されることによって、相互を監視し合うような関係が生まれる可能性があるという欠点もある。
また、組織の隠蔽体質をもたらしやすい。内部の人間がいざ不祥事を働いた場合、明るみに出れば何も手を染めていない成員まで不利益を被るため、不正を告発するよりも隠蔽したほうが得策と考えがちになるのだから当然であろう。
一部の不心得者のせいで今まで許されていたことが禁止にされてしまうのも、真面目にしていた者からすれば連帯責任をとらされたといえるだろう。
このため、近代的な組織においては構成員全員ではなく、構成員の監督・指導責任者を一名決めておき、問題が生じた場合はその張本人に対する処罰に加え、張本人が特定できない場合や張本人だけでは責任を負いきれない場合に備えて、その監督・指導責任者のみ、指導・監督不行き届き分の無過失責任を負わせる方法が一般的である。