概要
「遊戯王5D's」に登場する、主人公・不動遊星と、そのライバルであるジャック・アトラスのカップリング。
1話時点で、遊星は18歳、ジャックは19歳。
ふたりにとって、お互いはサテライトの身寄りのない子供たちを引き取るマーサハウスでともに育った幼馴染で、それぞれの信念のもとに、時には別の道を歩んできたライバル。作中でも、二人の間の宿命めいたものを感じさせる描写が多くみられ、お互いを特別な存在として意識していることはもはや自明の理といっていい。
本編での二人の関係、およびその推移は、おおまかに次のように分類される(以下ネタバレ、本編の詳しい内容についてはこちらを参照 遊戯王5D's)。
一万年前
地縛神に対抗すべくシグナーが誕生する。当時シグナーの祖として活躍した男は、バーニング・ソウルの境地に目覚め、地縛神スカーレッド・ノヴァを封印した。
ジャックは彼の一族の末裔であるということが判明しており、そこに遊星の血筋も関係しているという可能性は大いにある。
ハウス時代
遊星一歳〜、(ジャック二歳〜)
旧モーメントの暴走により、シティとサテライトが分断される。
遊星は、父でありモーメント開発者の不動博士の手によってゼロリバースを生き延び、同様に孤児となったジャックとともにマーサハウスの一員となる。のちにクロウも加わるが、二人は、その頃には小学校低学年ほどにまで成長しているようである。
一緒にカップラーメンを食べたり、他の子供たちも交えてデュエルをしたりと、かなり親密な関係であったことが窺える。
サティスファクション時代
(遊星、ジャック十代半ば)
鬼柳京介を筆頭とし、遊星、ジャック、クロウの四人でチーム・サティスファクションを結成する。自慢のデュエルの腕を活かし、破竹の勢いでサテライトを征服していく。
遊星もジャックも、本編を通して見れば比較的落ち着いており、思い切り笑ったり、はしゃいだりと年相応の少年らしい振る舞いを見せる。とくにジャックは、鬼柳の指示をきちんと守り、例のジャケットをきちんと着、例の合言葉をきちんと言う、とても素直な子だったようだ。
しかし、サテライト制覇を達成し、燃え尽きて、新たな目的に飢えた鬼柳がおかしくなっていくと、ジャックはクロウと共にチームを離れていってしまう。が、その後もジャケットを着続けており、鬼柳の元に残った遊星とも交流が続いている。
ジャック、シティへ
遊星十六歳、ジャック十七歳
鬼柳の死後、二人の距離は急速に遠ざかっていく。遊星は地下鉄の駅跡地に住処をうつし、同様に、ジャックも廃劇場で暮らすようになる。
そんな中、二人は偶然シティで行われているライディングデュエルの映像を目にし、その、海の向こうのスポーツに傾倒していくようになる。
遊星はDホイールを作り始める。一方、ジャックは治安維持局副長官・イェーガーから「シティのライディングデュエルングにならないか」と誘われ、その条件として、レッド・デーモンズ・ドラゴンと、遊星の持つスターダスト・ドラゴンを提示される。友情と、自らの栄誉を秤にかけ、ジャックは後者を選ぶ。
遊星の仲間のラリーを人質に、完成したDホイールとスターダスト・ドラゴンのカードを奪い、ジャックはシティに出奔。残された遊星は、ジャックに再びあい見えるため、二台目のDホイール制作に取り掛かる。
二年後、フォーチュンカップ
遊星十八歳、ジャック十九歳
Dホイールを完成させた遊星は、セキュリティの牛尾とぶつかりながらも、なんとかシティにたどり着く。
パイプラインを抜け、シティへ足を踏み入れた遊星を、ハイウェイに立つジャックが迎える。
「あの月を見ていたら、お前が来るような気がしてな」
サテライトから出てきたばかりの遊星、ライディングデュエルのキングとしてシティに君臨するジャック。二人は無人のスタジアムでライディングデュエルを行う。
「ダメだなあ、お前は!」
二人のデュエルは激戦を極め、まさに一進一退といった様相であるが、赤き竜の出現によって中断。遊星はシティ侵入の罪で投獄される。
しかしその後、試合の様子を見たジャックは、中断がなければ自らが敗北していたということを知る。
出所してきた遊星のもとに訪れ、スターダスト・ドラゴンのカードを返却する。
フォーチュンカップが開催され、トーナメントを勝ち上がってきた遊星とキングたるジャックが再び激突する。二体のドラゴンの戦いにより赤き竜が再び出現し、異空間での激闘が繰り広げられるが、一進一退の攻防の末、遊星が勝利する。ジャックはキングとしての立場を失い、栄誉を失い、名声を失って、瞬く間に落ちぶれていく。
ダークシグナーとの戦い
遊星十八歳、ジャック十九歳
フォーチュンカップをきっかけに集結したシグナーたちは、地縛神とその操り手・ダークシグナーとの戦いに身を投じていく。
遊星は、自らを仇と恨む鬼柳と、そしてジャックは自らを立ち直らせた記者の少女・カーリーと対立することになる。
地縛神の強力な力に傷つき、膝をつきそうになる遊星。そんな彼を、ジャックの拳が激励する。
シグナーたちは次々に勝ち星を上げていき、ダークシグナーと化したゴドウィンとの最終決戦でも、遊星とジャック、そしてクロウの3人が死力を尽くして戦い、勝利した。
この一連の戦いの中で、遊星とジャックは以前のような距離感を取り戻していく。
同棲!!!
遊星十九歳〜、ジャック二十歳〜
ライディングデュエルの世界大会、World Riding Duel Grandprix(WRGP)へ参加するため、遊星、ジャック、クロウの同居生活が始まる。もはや同棲である。途中で記憶喪失の青年、ブルーノが加わり、彼と遊星が意気投合する様子にジャックは大変不満そうであった。
準備期間の間は、キャラクター一人ひとりを取り上げる幕間の物語が多く、二人のラフな様子をたっぷり味わうことができる。ジャックは一杯3000円のコーヒーを飲みまくり、遊星はそんな彼にかなり甘い。
二人きりのナスカ旅行まである。ウハウハである。
WRGP開催。優勝までの途上で、数々の強力なライバルとぶつかり、ジャックの偽物とぶつかり、ときには世界の危機を救うなどということもあったが、その全てを、チーム5D'sは命をかけて戦いぬく。
旅立ち
(遊星二十二歳〜、ジャック二十三歳〜)
全ての戦いが終わった二年後、武者修行から戻ったジャックは、進路に悩むチームメンバーの前に現れ、遊星にライディングデュエルをする。科学者としてシティに残るか、プロデュエリストとして世界に羽ばたくか悩む遊星と、プロデュエリストになるという意思を固めたジャック。修行の成果もあり、ジャックに分のある局面が続いていくが、起死回生の一手で遊星が勝利をもぎ取る。
「やるな遊星!」
「言っただろ、お前がそうさせる……!」
このデュエルを通して、遊星は「仲間たちが戻ってきたとき、自分たちの故郷であるネオドミノシティは、こんなにも素晴らしいところだと誇れる街にしたい、それが自分の役目だ」と考え、街に残ることを選択する。ジャックはプロになるために海外に旅立ち、三年にわたる物語に静かに幕が下ろされる。
八年後、遊星はシティで科学者として活躍している、ジャックはプロリーグの”真のキング”に君臨し、世界中のデュエリストに追われる者となっている。離れていても、二人の絆は繋がっていると、そう思わせるエンディングである。
余談
遊星とジャックであるが、とくに対照的な要素が美しいカップリングである。
たとえば
・全体的にカラーリングが濃く、ブラック寄りである ↔︎ 薄く、ホワイト寄りである
・Dホイールのカラーが赤である ↔︎ 白である
・総合的に見れば落ち着いた性格である ↔︎ 派手な性格である
など。
かといってすべてが対称というわけではなく、似ている部分もとても多い。