概要/現実
「鏡、あるいはガラス、そこに映るはずもない物が映り込んで見える。」
「鏡の中の自分が違う動きをしたり、おぞましい怪物が手招きをしていたり、」
「とても神秘的な妄想症さ。」
――――医者 単行本一巻収録「PROLOGUE_1」より引用
漫画『世界鬼』において重要な役割を持つ。
現実世界においては主に「鏡面上に幻覚が見える」とされるが、主人公東雲あづまを始めとして何人かは「鏡の中の存在の声を聞く、会話をする」ことがあり、幻聴も含まれている模様。
見える幻覚の内容には個人差があり、発症者が経験した出来事に連動して変化することもある。
鏡は勿論、ガラスや水面も含み、人間の瞳やメガネも含まれ、あらゆる反射物に適用される。
以下に、判明している症状内容を記す
人物 | 症状 | 備考 |
---|---|---|
東雲あづま | 怪物、他人の悪意のシンボル化。幻聴。 | 経験によって変化 |
佐伯沙希 | 自分の顔が化物になっている。幻聴。 | |
黒江稔 | ウサギ人間。幻聴。 | 経験によって変化 |
足立輝 | 「スミレ」という少女。 | 幻像と会話が可能 |
宇藤耕太郎 | 念じた漫画が出現 | 姿見のような大きい鏡でないとページが映りきらない |
幻覚を見る原因・メカニズムは解明されておらず、他の幻覚症状のような脳波の異常も観測されない、治療法なし、抗幻覚剤なども効果が無い、発症者だけが知覚し苦しみ続ける。
「彼らは幻覚を見ているのではなく、鏡の向こうに実在する物を本当に知覚してるのではないか?」と医学会で言われたこともあると宇藤耕太郎は語る。
概要/ワンダーランド
突如現れた巨大な手によって、鏡の中に引き込まれた"鏡の国のアリス症候群"発症者――以下「アリス」。
彼らは手の主「チェシャ鬼」にアリスの真実とこれからの役目について教えられる。
「鏡の国のアリス症候群」
「君達にとっては忌避すべき宿痾であろう。しかし、アリスは病気などではない」
「剣だ!!」
――――チェシャ鬼 単行本一巻収録「PROLOGUE_4」より引用
曰く、チェシャ鬼達にとってアリスは戦士であり、この「鏡の中の世界」はチェシャ鬼達が作った擬似宇宙「ワンダーランド」。
ワンダーランド内では「物質化」と「顕在化」の能力が行使でき、これを用いてアリスらは世界鬼と戦うことになる。
チェシャ鬼らはたびたびアリスらを「観測者」とも呼んでいたが、その理由は以下にて説明する。
注意! 以下は「世界鬼」の世界観にまつわる重大なネタバレです。
概要/真実
異世界として二つに分かれた地球の片方にいながら、もう片方の地球を「鏡面」越しに観測できる能力
これがあづまたちの世界で「鏡の国のアリス症候群」と呼ばれる病の真実である。
あづまたちの世界は「ゼラ」、世界鬼たちの世界は「メーズ」といい、それぞれ文化や文明の度合いも異なるが、「世界鬼」とは片方に属する人間がもう片方の世界に行ったときに変異する形態であり、あづまたち「ゼラの人間」が倒してきた世界鬼は、「メーズの人間」である。
ゼラがこの観測能力を病としか理解できていないのに対し、メーズの文明は積極的に異世界の壁を越えて移動したり、生命エネルギーの性質や使い道や増幅方法(顕在化)についても把握している。