概要
開祖『間時守』が開発した結界術。
支配した空間を「結界」と呼ぶことから結界術(空間支配術とも呼ばれる)と呼ばれ、使用者を結界師と呼ぶ。
通常、良守たちが使っているのは「間流結界術」だが、間流結界術の一部を分かりやすくまとめたものであり神(土地神クラスの妖)の領域干渉、絶界などといったそれ以外の結界術も存在する。
なお、道具を使えば結界を張れる術者はたくさんいるが、墨村・雪村の一族のように空間の理を変化させたり、一から空間を作り出したりできる程の力量を持つ術者は稀だという。
術一覧
結界術
開祖である間時守が使いやすく整理した結界術の一つの方式。
基本は直方体に空間を支配するという非常にシンプルな能力。結界の固さや粘度をコントロールするほかに特定の対象のみ結界の出入りを許可、禁止するなど結界内の理を変えることで多彩な応用が効く。
発動にはいくつかのステップがある
「方囲(ほうい)」標的の指定。
「定礎(じょうそ)」座標の指定。
「結(けつ)」結界を生成する。
(術者により方囲と定礎は省略されることもある)
「滅(めつ)」内部の物を押し潰し滅する。
「解(かい)」結界を解除する。
「天穴(てんけつ)」槍の輪の部分から異界を開き、妖の残骸を吸い取って消し去ること。
応用術
「多重結界」複数の結界を重ねる事で強度と威力を上げる。
「結界で貫く」細長い結界で対象を刺し貫く。
「方囲」は通常は標的を指定しないであらゆるものに対して結界が動作するように発動されるが、熟練すればで特定の相手・物質だけを選んで指定する事ができ、湯飲みの中に入ったお茶だけを指定し湯呑をすり抜けさせお茶だけを結界内に残す、と言った芸当も可能。
「定礎」から「結」で結界が実際に発生するまでは術者の熟練次第ではあるがいくらかのタイムラグがあり、素早く移動する対象だと定礎から結までの間に定礎で指定した範囲から移動されてしまう事がある。
また結界は「定礎」で指定された二次元上の平面から生えてくる形で発生するため、相手を結界内に閉じ込めるのではなく、結界の外側を相手にぶつけて殴打武器として扱う応用も可能。
また、通常は結界を形成後に移動させることはできないが、定礎の仕方によっては動かすことも出来たりする。
結界は決して無敵ではなく、敵の激しい攻撃によって強制的に打ち破られたり、溶かされたりすることもあるが、術者の能力によっても結界の強度は変動し、時音が結界3枚重ねでギリギリ防いだ威力の攻撃を良守は結界1枚で無傷で凌いだ事からもわかる。術者の調整次第で意図的に強度を落とす事もでき、弾力を与えて物体を弾き返す事もできる。
また、大きさのある物体の一部分だけを結界に閉じ込めた場合、結界面と重なった部分が切断されたりする訳ではないが、結界自体を破壊しない限り、結界と重なってしまった部分はその位置から動かせなくなる。
生成する結界の大きさは術者の消耗の大きさ、結界生成までにかかるスピードと反比例しており、大きな結界を生成するほど大きく消耗し、生成までに時間がかかり集中を要する。力量ギリギリの大きな結界を生成した場合、力が足りず「滅」ができない事がある。逆に、結界を小さく絞れば高強度の結界を素早く発生させることができ、良守に体力で劣る時音は細長い結界を複数生成し槍のように突き刺す使用法を考案し多用している。
なお、アニメでは結界の色が墨村家が青で雪村家が緑で異なる書かれ方をしている。
式神(しきがみ)
呪符に術者の呪力を込めることで形(ヒトや鳥など)へと形を変化させ、術者の命で働く存在を生み出す術。
術者がどこへ行くときも式神の紙を持ち歩いているものに呪力を込め形を変化させるが、呪力の込め方次第で形や大きさを術者の自由に変え、クレイ人形のようなものから本人等に寸分たがわぬ人の姿まで作ることが可能である。また、通常は呪符に術者の印が記されているが、高レベルな術者の場合は印を消すことも可能で更に式神にその術者の能力を使わせることも可能となるが、どれだけ精密に操れるかは術者の能力に左右される。
なお、式神の紙の形は、墨村家・雪村家は長方形の紙型、奥久尼とその部下は蝶型、炎上寺彩覚はエイ型、カケル・ミチルは棒人間型と、流派によるのかそれぞれ異なっている。
修復術(しゅうふくじゅつ)
壊れたものを呪力を用いて元に戻す術。
烏森は昼間は学校であるため夜の戦闘で出来た破壊はこれで直すが、地面がえぐれたなどの自力でなんとかなるものは自力で直す(修復術は力の消費が多いため)
烏森の加護が無くなると校舎が崩壊したので烏森の力が何らかの手助けをしていたか、力の根源だった模様。
念糸(ねんし)
糸状の結界で相手を捕縛したりする術。
捕縛したままギリギリと締め上げることもできる。もともとは拷問用の術である模様。
術者によって出せる数と命中率は変わるようで、良守は方印の出ている右手から一本しか出せないが正守は10本程度両手から出している。
この術の応用で妖を調教したり、従えさせる首輪の紐として使用する。
切界(せっかい)
結界師が他者の結界を破壊するのに使用する術。
術者が指で(結界をつくる時の手の形と同じ)結界を斬る動作をすると結界が消滅する。
結界師の基本技能のようで、良守も時子の結界を解除するのに使用している。
四師方陣(ししほうじん)
四人の術者が一つの結界を形成する術
複数人での一つの領域支配を行うため各人の協調が必須。
烏森の正統継承者が行ったときはパワー、技術がバラバラだったためギリギリの状態だった。
絶界(ぜっかい)
負の感情を高め、それを支配下とすることで完成する術。
自分の周りに黒い球状の結界を形成し、領域内の自分以外のものを消し去る
正守が主に使用し後に良守も使用する。良守の初期の絶界のように未完成の絶界では体に身にまとう程度の大きさとなる模様。
この術の応用で身に薄くまとう事で異界内でも正気を保ち活動できる。
探査用結界(たんさようけっかい)
領域内にいる妖などの情報を一気に洗い出すことができる。
探査という目的の関係上広範囲に展開する事が多いが、そうなると一度に膨大な量の情報が術者の脳に流れ込み脳の許容量を超えてしまうため、情報量をコントロールする式神や管理者と併用する必要がある。
真界(しんかい)
領域内を初期化し術者の思い通りに空間を書き換える術。
なお、時守曰くは良守の術は初歩の初歩であるらしく、本来は神に近づけると言っても過言ではない術であるらしい。
無想(むそう)
心を何事にもさざめかない無の状態にし、精神状態によって力がスポイルされてしまうことを防ぎ、力のみを純粋に発揮することができるようになる。
使用すると、どこからも干渉を受けずフルパワーを発揮できるようになり通常時よりも術の強度・精度などが格段に向上する。
極限無想(きょくげんむそう)
習得すると術者の全ての能力が解放される。
無想を極限まで高めて管理者を出現させた状態となり、管理者を出現させていない状態だと感覚が最大限に鋭敏化するため、攻撃が頬を掠めただけで肥大した痛覚により戦闘不能になってしまう。このため、自分に理想的な無想の状態を決めてそれに合った管理者を出現させることが条件となる。
波同(はどう)
使うことで壁抜けが可能になる。
空身(うつせみ)
波同を極限まで高めた状態で呪力による攻撃を無効化し、術者をすり抜ける。
但し、高い感度と細かい力加減を必要とするため、使い続けると神経をすり減らす事になる。
余談
元々は間時守が独学で収めた結界術。
それを裏会から引き抜いてきた資質のある術師に指導して伝授したのが「間流結界術」である。
複数の家系に術と役目を与えた理由は、それぞれの家同士で競わせるため。
以前は墨村家・雪村家以外の家もあったのだが、潰し合いの結果断絶している。