概要
『還願』の主人公(プレイアブルキャラクター)である杜豐于(フォンウ)の妻。
元は『還願』世界の売れっ子女優。自身が出演したフォンウ脚本の映画がヒットしたことにより、彼女の名声も上昇。清楚な美貌とも相まって人気を博した。作品制作時にフォンウと出会い交際を経てゴールイン。女優業を引退して専業主婦となり、一人娘の美心(メイシン)も授かって家事と育児に専念する事を決意。このまま幸せな未来を約束されたかに思われた。
しかし時代の趨勢に伴ってフォンウの仕事が振るわなくなり、徐々に生活は苦しくなっていく。夫を愛するリホウはなんとか力になろうと節約に励み、借金までして家族と家を守ろうとするが…。
人物
家庭にあっては良き妻、良き母として振る舞い、家族を愛する出来た女性。元女優でありながら心掛けが良く、生活費の工面や節約に腐心し、家を支えようと努力している。
しかしそんな彼女の献身を肝心のフォンウは無碍にするばかりで、不必要な品を買い込み、怪しい宗教にのめり込んで多額の喜捨を行うなどしてリホウを苦しめていた。
どれほどリホウが夫を説得し浪費を詰っても、論点をすり替えられた挙句逆に罵倒され、まるでフォンウには響かなかった。
それが無くても夫唱婦随を旨とするフォンウにはあらゆる家事を押し付けられ、彼女が大切に仕舞っておいた衣装を引き裂かれる蛮行に晒され、リホウの苦悩は募っていった。友人や家族にも相談していたものの、旧態依然の母親には理解されなかった上にフォンウの束縛も強く、目を盗んで電話したりラジオで胸中を吐露したりするなどして密かに吐き出す他無かった。
メイシンにとっては愛する母であり、またプロ歌手の模範として憧れの対象だったが、リホウが母として接する場面はあまり無い。
顛末
宗教に毒されたフォンウには、妻がまるで化け物であるかのように映るらしく、己を責めるリホウに懺悔を強要するなど、態度は相変わらず酷いものだった。
フォンウとの生活に耐えられなくなったリホウは遂に家を出てしまう。しかし完全に二人を捨てた訳では無く、芸能界に復帰してある程度まとまった金が入ったら、夫や娘と静かな土地に移り住み、もう一度やり直す心算はあったようだ(精神を病んだメイシンだけでなく、妄執に囚われたフォンウのことも考えた結果だろう)。
彼女が家を出てからの様子はラジオ出演の声を最後に不明となるが、最後に登場する荒廃した家の浴室(=メイシンが虐待されている場所)の、血塗れにも見える廊下(ついでに言うと廊下に誰かが座っていただろう椅子があり、考えられるのはメイシンを待つフォンウしか居ない)、台所前に積み上げられた大量の黒いゴミ袋、オープニングの場面で聴こえてきた何かを包丁でぶつ切りにするような音、発売前の謎解きゲームで繰り返し示唆された「手足がバラバラの人間」のイメージから、フォンウのリホウに対するもう一つの罪があるのではないかと考察するファンが多い。
しかし直接的な描写(上記の説が事実なら絶対アウトである)が無い以上断言するのも難しく、希望的観測があるのも含めて精神崩壊説、自殺説、陸心による処断説、芸能活動に邁進している間に本編の事件が陸心の工作により「失踪事件」として処理されてしまい関わる機会を永遠に失った説(こちらはARGでの情報からの解釈)など様々な説が唱えられている。とはいえいずれもリホウが不幸になっている事には変わりなく、リホウが願った一家の再生は叶わなかったと見る向きが多い。