概要
魔界にはライブやギターなどの演奏はあるが音楽イベントではない。
魔界にはプロレスと酷似した対戦形式でストーリーが進むがプロレスではない。
そして魔界はリングを舞台に物語が展開していくが、やはり演劇とも違う。
これら3つの要素が上下隔てなく同じ位置に存在し進行していくのが魔界なのである。
始まったばかりの頃はあまり知られていなかったが、出演者である役者やアーティスト、参加選手が自らのTwitter等で紹介する事で、プロレスファン、演劇ファンの間に知れ渡り、またこれらの興行には珍しく動画撮影や動画サイトへを許可している事に加え、現在ではニコニコ生放送でも随時放映した事でさらにファンを獲得。
毎回の興行で殆どのチケットが売れてほぼ満員となるまでとなっている。
ストーリー
現代に蘇った最強の陰陽師『安倍晴明』は地獄の閻魔大王を召喚し世界を滅亡させようとしていた。 それを阻止するべく現れたのが平家の末裔『平了』率いる昭和初期の陰陽師集団『魔界少女拳』
そして、謎の青年『光』と第三勢力『黒魔術軍』。
彼らは歴史上の人物の魂を『ヒトガタ』としてプロレスラーに移して戦わせる事によって戦い、
『呪い歌』と呼ばれる音楽の力を『歌姫』や『音魔人』、更には舞踏する『影導師』たちの力を用いて過去の英雄たちを鼓舞する。
その中で繰り広げられる戦いと陰陽師、武将や偉人たちの葛藤と悲劇の数々。
果てしない戦いの果てに彼らを待つのは何か…
『これ即ち、魔界なり』(平了曰く)
そして、戦いは魔界三国時代に突入する。
安倍晴明とお市の方が率いる様々な思惑を持つ武将たちが集う『五芒星軍』
細川伽羅奢を総帥として魔界を破壊し冥界の物としようとする『黒魔術軍』
将門の娘、滝夜叉姫と手を組む藤原純友を筆頭とする猛者集団『魔界水軍』
魔界の覇権を握るものは果たして?
興行?
イベントの体型としてはプロレスのリングで(主に新木場1stRINGと新宿フェイズ)で行っている。
入場すると一見すると普通のプロレスリングだが、本作の登場人物にしてマスコットキャラ的存在の妖怪集団『魔界衆』も徘徊している。(たまにヒトガタもいるらしい?)
要は、この会場内そのものが魔界と言っても過言ではないという事である。
(…そこはプロレス脳でそういう事にしておいてくださいw)
案の定戦う場所はリング…のように見えるが、
実はあれはヒトガタや術者たちの力の衝突による被害を食い止めるための結界であり物語の舞台なのである。
前述の通り、物語自体はリングを舞台に進行し、展開に応じて死合(試合)に発展する。
死合形式もプロレスのように見えるが、プロレスに似て非なるものなのでプロレスでは禁止とされている凶器攻撃による反則は存在しない。
その為武器を使ったチャンバラも度々展開されるのも見どころの一つで、その殆どはクラウドファンディングで限定グッズの購入等という形で資金を募って特撮造形の大御所であるレインボー造型企画によって製作されていると言う本格的なものであり、これをプロレスラーが打ち合う迫力は一見の価値あり。
場外負けのルールは無いが基本タブーであり、レフェリーの役割を務める『錬武官』から注意を受ける。
それでも度々場外乱闘になるのだが、その際はリングサイド(?)にいる魔界衆たちが体を張って食い止める。
そして、妖術や特殊な技も存在する。
結界を張る、相手の腕を操る、謎の衝撃波を放つ、(結界内の)時間を止める、離れた相手にでパンチの連打など多数。
時には術者同士が戦う事もある。リングの上で。
さらに音魔人同士のギター弾きによる対決もある。 やはりリングの上で。
魔界の戦いにおいて実況なんて野暮なものは存在しない。
代わりに試合中にBGMが流れ、要所でヒトガタを鼓舞するために『呪い歌』を捧げる場合もある。
例えるならばアニメなどの無敵ソングとか処刑ソングみたいなものか。
舞台『魔界』への変革
これまで根強い人気を誇り、様々な試行錯誤と人気があろうとも現状に甘えない大胆な方針で人気を博して来た魔界であったが、出演者の主力であるプロレスラーの多忙さや選手としての両立の難しさから、自団体MAKAI所属の選手と縁の深い選手以外でプロレスラーのレギュラー化が難しいと言う現状が浮き彫りになった事やプロレスのリングでの魔界の世界観表現の難しさ、さらに言えばプロレスでありがちな観客と選手間のトラブルへの対処が芝居を重視している故に見逃せない状況になっていた事、
そしてエンターテイメント界隈最悪の危機と言えるコロナウイルスと言う未曽有の災害(魔界公式Twitter曰く「疫病」の影響で流石の魔界も方針を大幅に変更せざるを得なくなってしまっていた。
そのため世界設定を『魔界』を制圧する『冥界』の侵略から守ると言う展開の新シリーズが始まり、「各勢力で別れていた軍団が『魔界派』と『冥界派』に分かれ各々の目的と信じる理想、そして野望の為に戦う」と言う路線変更が行われた。
魔界と言うハイブリットエンターテイメントも『舞台魔界』として、
会場もかめありリリオホール、なかのZERO小ホールが主戦場に変わっている。
キャスティング面でもプロレスラー主体から、俳優・舞台役者がメインになってきている。
最近だとアカニンジャー役で活躍した西川俊介氏、スターニンジャー役で活躍した多和田任益氏も出演しているのが記憶に新しい所。
しかしながらAEWで絶大な人気を誇る女子プロレスラーまでにブレイクしたヒロイン鶴姫役を演じた志田光選手も、日本とアメリカを行き来しながら本舞台に参加し続けており、
他のMAKAI所属レスラーも選手としての多忙な状況の中、プロレスラー側のメインキャラとして様々な役者に混じり名演している事も、選手の皆様の魔界への情熱の高さを改めて感じさせている。
方針変更で当面の最悪の事態は逃れたものの、不景気やエンターテイメント冬の時代による、停滞・縮小・最悪の場合消滅と言う事態があってもおかしくないし、現にそうなりかねない危機は存在したが、脚本及び総合プロデューサーである眞邊明人氏が小説「もしも徳川家康が総理大臣になったら」を大ブレイクさせた事で資金面は勿論自身の作家としてのスペックの高さを再認識させると言う地力の高さと優れた手腕を見せた事で、魔界は更なるハイブリットエンターテイメントとして進化を続ける結果となった。
まさに『これ即ち、魔界なり』
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