概要
中国人民解放軍は、それまで運用していた81式自動歩槍の後継として1971年以降、ブルパップ方式を採用した独自の新型アサルトライフル開発計画をスタートさせた。
この計画では、命中精度向上を目的とした軍用小銃の小口径化に合わせ新型弾頭である5.8mm弾もあわせて開発された。それまでの81式では一世代前のAK-47と共通の7.62x39mm弾を使用している。
5.8mm弾は、主に西側で採用されている5.56mm弾に比べ、口径は大きいが発射速度は5.56mm弾など口径が僅かに小さい弾頭を上回る。そしてこの開発計画は香港のイギリスからの返還に合わせて進められた。その結果開発された87式自動歩槍を、ブルパップ式に再設計し3点バースト機構を組み込んだ改良型が、95式自動歩槍である。
また、バリエーションの中には5.56mmを使うタイプも存在する。
なお、開発にあたってはAUGを参考にしたという意見が存在する。また同様に、ブルバップ方式のFA-MASの影響を受けている可能性があるとされる。それゆえ、一部では通称チャイナトランペットと呼ばれている。しかし、ピストンやボルトなどの内部構造は81式の影響が強い。
基本データ
全長 | 609mm |
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銃身長 | 369mm |
重量 | 2900g |
口径 | 5.8mm |
装弾数 | 30発 |
主力? 脇役?
こうして人民解放軍への配備が開始された本銃だが不慣れなブルパップ方式で有る事に加えて、銃自体にも少なからず問題を抱えていたらしく兵士達からの評価は芳しくなかったようだ。
後には95式をベースに標準的な形状に再設計した03式自動歩槍が登場し、主力の小銃としての座はこちらに譲り、95式の配備は精鋭部隊などの一部になるものと見られていたが03式の開発過程で洗い出された本銃の欠点を改善すべく大幅に改良した95-1式が開発されていた事が判明し、更に人民解放軍において03式の配備が進んでおらず武装警察や民兵などの準軍事組織で目にする機会が多い事から本銃とその派生型は軍、03式が軍以外の組織を中心に使用されていると見られている。
バリエーション
・95式自動歩槍(QBZ-95) 通常型 ライフル運用が主目的 5.8x42mm弾を使用
・95B式自動歩槍(QBZ-95B) カービンモデル
・95-1式自動歩槍(QBZ-95-1) 2010年から採用された95式の改良版 新型弾薬DBP10採用 サイト位置等構造的な改良及び本体素材変更等多岐に渡り改良されたモデル
・95式班用機槍(QBB-95LSW) 分隊支援火器モデル 通常型よりも銃身が長く75発ドラムマガジンを装備
・97式自動歩槍(QBZ-97) 輸出用 5.56mm弾が使用できる様に仕様変更されている。また、給弾マガジンが素早く外せる様に改良されている。民間向けでは無く軍隊などへ輸出される。
・97A式自動歩槍(QBZ-97A) 上記輸出モデルに3点バースト機構が組み込まれた物 5.56mm弾使用
・97B式自動歩槍(QBZ-97B) 通常型を短くしたカービンモデル。5.56mm弾使用
・88式狙撃歩槍(QBU-88) 95式ベースの中距離狙撃銃 上部キャリングハンドルの省略、4倍率固定のスコープとバイポッドの装着、ロングバレルと10連マガジンへの換装などが施されている。5.56mm弾仕様の97式も存在する。
・97式班用機槍(QBB-97LSW) 軽量分隊支援火器モデル 5.56mm NATO弾使用 通常型よりも銃身が長く75発ドラムマガジンを装着する。
・97式民用型(QBZ-97A/QBZ-97B) 2008年からカナダなど北米にて販売 223レミントン弾使用 セミオートのみ 現地販売名はType 97 rifle /Type 97A Shorty carbine
運用国
・カンボジア (QBZ-97/QBZ-97A/QBZ-97B/QBB-97LSW)
・スリランカ スリランカ空軍・特殊部隊にて運用中
・ミャンマー QBZ-97を中国から輸入している