概要…その前に
プルバップ式(トリガーとグリップより後方に弾倉や機関部を配置する方式。大抵は銃床部に収められており、銃身長を保ったまま銃を小型化できるメリットがある)のアサルトライフル。あのリュック・ベッソンの初期の傑作映画『ニキータ』にて狙撃銃として使われたことがあることからスナイパーライフル的扱いを受けることが多いが、AUGは基本的にアサルトライフルである。
概要
正式名称は「ステアーAUG (Steyr AUG)」。
AUGはアーミー・ユニバーサル・ゲベール(Armee Universal Gewehr 軍用汎用小銃の意)の各頭文字から来た市販名。オーストリアのメーカーが開発したがが名前が似てるオーストラリアもF88として採用していたのでややこし…注意!
オーストリア軍ではStG77として採用されている。
なお、製造権を購入したアメリカのMASR(マイクロテック・スモール・アームズ・リサーチ)社やTPD(タクティカル・デザイン・デベロップメント)USA社が改良型を販売しているほか、オーストラリアでもライセンス生産をしており、オーストリア製より他国製が多く流通をしている。
値段は約70万円と高額だったが、その後大量生産や輸出で相当安くなり、現在の値段は約25万円。
プルバップ式ライフルとしての集弾性が高い事はもちろんの事、強化プラスチック製で比較的軽く、銃床が一体化していることも特徴、銃身が長くその上で全長が短く取り回しもいい。
環境による耐久性も高く、FA-MASと違ってかなり使い勝手がいいこと、銃全体が7つのモジュールで構成されていてそれらを交換すれば様々な用途に対応できることから、派生武器がかなり作られている。中には拳銃弾を使用するSMG型があったり、支援火器用に3点ほどバリエーションがあったり(長銃身LSW、長重銃身LMG、長重銃身・オープンボルト式LMG)、スナイパーライフル仕様(やったぜ、ニキータ!!)があったりする。
アサルトライフルとして主だったものは、キャリングハンドルに光学スコープを搭載したA1を始め、スコープを取り払いハンドルにピカティニー規格のレールを搭載したA2が主に使用されている。A2の発展型として4面レイルを装備したハンドガードを装着したA3、またA1の発展型を短銃身化してスコープに三面レイルを取り付けたA3SFといったものもある。
機関部をブルパップとしたことにより射撃時の取り回しは良くなったが、この機関配置の「持病」として顔の近くに機関部があるため、機関動作や激発の騒音が射手が悪影響を及ぼしやすく、長時間の連続射撃で難聴や耳鳴りに悩まされたり、排莢口も顔に近くなるため刺激性の発射ガスが顔にかかったりなどといった問題や、銃剣装着時のリーチがなくハンドガードがない仕様のため銃剣突撃を行う場合のとり回しが悪いといった不都合も当然ある。
(ちなみに同じくブルパップで、銃剣突撃したほうが強い紳士の国のアサルトライフルはハンドガードを装備しており銃剣使用時の取り回しについては問題ない。)
基本データ(A1 20インチ銃身)
全長 | 790mm |
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銃身長 | 508mm |
重量 | 3,600g |
口径 | 5.56mm×45 |
装弾数 | 30/42発 |
ちなみに
印象的な独特のシルエットのためか創作物への露出は結構多く、特に1980~90年代の作品においては近未来的な銃として登場することも多かった。あのコマンドーでもアリアス元大統領が使っていた。
マニアックな作品ではSFホラー映画のスペースバンパイアでイギリス兵二人が蘇生した男性バンパイアに乱射していた。ある意味ニクい演出。
銃とは全く関係はないが、AUG(アデニン、ウラシル、グアニン)は生物におけるmRNAの塩基配列で、アミノ酸であるメチオニンとタンパク質合成開始に相当する塩基配列のことだったりする。メチオニンはコレステロール値を下げる働きを持ち、ウコンの有効成分の一部でもあったりする。
ステアーメチオニン…とても体にいいような悪いような…
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アサルトライフル オーストリア ブルパップ
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AUG(ドールズフロントライン)
ベルガー(千銃士)/ベルガー(千銃士R)