概要
81式自動歩槍とは、中華人民共和国で開発されたアサルトライフルである。
設計は国営296廠、製造は初期は国営296廠、現在はノリンコ。
AK-47を国産化した56式自動歩槍と、SKSカービンを国産化した56式半自動歩槍、56式半自動歩槍を改良した63式自動歩槍などの更新を目的に制作された。
AKによく似たデザインだが、機関部はSKS]の血を引く。
人民解放軍や武装警察などで使用されている他、輸出も積極的に行われている。
しかしながら、本銃の開発時には既にM16やAK-74といった小口径高速弾を使用するアサルトライフルが登場しており、中華人民共和国でもこれらの潮流に沿った87式自動歩槍や95式自動歩槍、03式自動歩槍に置き換えられて近い将来には完全に退役する見込みである。
基本データ
全長 | 955mm |
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銃身長 | 445mm |
重量 | 3.4kg |
弾薬 | 7.62×39mm弾 |
開発経緯
1963年に人民解放軍により採用された63式自動歩槍は56式自動歩槍と56式半自動歩槍の統一を目的として開発された。採用当初こそ当時の国情に合い性能も十分満足のいくものという評価を受けていたが、製造方法の生産性を重視した方法への変更と文化大革命により品質が低下したため信頼できない銃という烙印を押されてしまった。
また当時の人民解放軍の戦術自体が第二次世界大戦以来の古典的戦闘ドクトリンを踏まえた物であり、これが原因で中越戦争では苦杯を喫する事となる。
これらの事から63式を更新すべく1971年5月19日に"第二世代自動歩槍方案"の計画名で国営296廠(建設機械廠)、国営386廠、国営626廠(慶華工具廠)、第208研究所による競作が始まり、1981年に国営296廠が設計製作した銃が81式として採用された。
バリエーション
中国製
81式自動歩槍
固定銃床を持つ基本モデル。
81-1式自動歩槍
56-2式自動歩槍と同じ構造の右側折り畳み銃床を持つモデル。
81式班用軽機槍
銃身をより肉厚の物に銃床をより大型の物に変更し、折り畳み式バイポットとキャリングハンドルを追加した分隊支援モデル。
81式タクティカル
木製のハンドガードを金属製のクワッドレイルに変更したモデル。国内では武装警察で運用され、国外へも輸出された。固定銃床モデルと折り畳み銃床モデルが存在する。
87式自動歩槍
中国独自規格である5.8×42mm弾を使用する試作モデル。軍には正式採用されなかったものの内部構造は後に開発される95式自動歩槍の母体となった。
CS/LR14
ハンドガードだけでなくレシーバーカバーにもレールを追加し、使用弾を7.62mmNATO弾にスケールアップした近代化改修バトルライフルモデル。銃口にはAK-74の物に似た消煙制退機が追加され、リアサイトの位置とデザインも変更されている。
海外製
BD-08
バングラデシュでライセンス生産されている。BD-08.mk2と言う独自改良モデルやBD-15という前述の81式班用軽機槍に当たる派生型も存在する。
K-09、K-10
ミャンマーの少数民族であるカチン族の民兵部隊であるカチン独立軍が生産、運用しているモデル。中国製の物とは異なりハンドガード、折り畳みストックのカバーは灰色または緑色のプラスチック製でフロントサイトの形状も異なる。
K-011
前述のカチン独立軍が81式自動歩槍を基に開発したグレネードランチャー。ライフルグレネードと同じ要領で空砲を用い、りゅう弾を発射する。
関連動画
関連タグ
56式自動歩槍・・・本銃の前任
SKSカービン・・・内部構造のベース
95式自動歩槍・・・本銃の後継