ATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)は、
SONYが開発した音声非可逆圧縮技術であると同時に規格名でもある。
ATRAC1、ATRAC2、ATRAC3、ATRAC3 plus、ATRAC Advanced losslessと五種類あるが、これらはすべて後継や互換と言ったものはない全くの別物である。
ATRAC1
主な用途=MD
MD用のフォーマット。最初期はビットレートが実際の半分しか割り当てられず、(292kpsなのに146kps相当の音になってしまうといった具合。)「MDの音質は良くない」と言う悪印象を付けてしまう罪作りなフォーマットとなってしまった。後々改善され、今はCDと比べても遜色ない音質になっている。
ATRAC2
主な用途=MD DATA
1よりAACに似ているフォーマット。最大4chのサラウンドに対応。
ATRAC3
ウォークマン向けに開発されたフォーマット。PSPでも再生可能。
ATRAC3 plus
ATRAC3をより高圧縮・高音質で再生できるように開発されたもの…とされてきたが近年は低圧縮・高音質にも対応し、ATRAC3の役割を奪っていってしまった。
ATRAC advanced lossless
ATRACで唯一の可逆圧縮(元の音質に戻せる圧縮。)略称はAAL。
CDの音質をまったく損なわずに圧縮できる利点があり、音楽配信サービスもこのフォーマットで行うと一時は企画していたが、ATRAC自体の衰退とCDより鮮明な音が出るハイレゾフォーマット(FLACなど)の可逆圧縮技術の登場でいつのまにか無かったことにされてしまった。
現在
現在はSonyもATRACからは手を引いた状態になっており、Sonyが出している音楽関係のアプリでもATRACには対応していないものが増えてきている。