本来の意味は
四等官の国司の中でも最も位が高い地位に相当する。
現代では〜
「海外(欧米)では~」という言い回しで、海外知識をひらけかしたり、偉そうに物事を語る人、何かにつけ日本を批判・揶揄する発言をする人。同じ意味のネットスラングで「海外厨」という語もある。
彼らの言う欧米像は実際とはかなりかけ離れていることが多い。アメリカ合衆国とカナダとヨーロッパ(そしてオーストラリアおよびニュージーランド)はしばしば「欧米」としてひとまとめにされるが、欧州と北米は地理的条件や歩んできた歴史が全く異なる上、同じ欧州でも国によって全く異なる文化や価値観を持つため、「欧米」の一言で統一された結論を導き出すことは困難であるが、しばしば都合よく一緒にされる近年は経済発展著しい韓国・台湾・シンガポール、はたまた中華人民共和国、マレーシア、フィリピンといったアジア諸国を引き合いに出す「出羽守」もいる。
また、「出羽守=進歩派・リベラル」のイメージがなんとなくあるが、日本人の間には元々欧米を近代化の手本として仰ぐ意識があった上、日本人が交際を持つ欧米人は大都市の中流層が中心なためである。「アメリカ出羽守」の世界観は平均的なアメリカ人ではなく(ネオリベラル寄りも含めた広義の)政治的リベラルのそれの影響を受けている。
だが、田舎も含めて見るとアメリカ合衆国はむしろ保守・右翼層が厚い国で、大都市にもガチガチの保守的アメリカ人がいくらでもいる。アメリカ右翼の銃への信仰や州権主義、キリスト教原理主義的な世界観が多くの日本人には理解し難いことや、彼らの抱きがちな人種差別・マッチョ思考もあって、積極的に付き合おうとする日本人は限られていたが、最近はインターネットの発達や機械翻訳の普及で、(批判的・好意的両面で)欧米右翼の主張もよく知られるようになり、日米のネット右翼が国境を超えて直接繋がるような現象も見られるようになってきた。
なお、出羽守は「日本を批判・揶揄する目的で諸外国を引き合いに出す人」ではあるが、日本を「人権後進国」だと主張したいがために「中国や北朝鮮と同類」といった具合に他国を悪い意味で引き合いに出すこともある。だが、こうした論法は引き合いに出される他国に対しては大変に失礼なことと言える。また、こうした論法は、論点を行方不明にするという意味でも筋の悪い議論である。日本の社会問題と中国の社会問題は全然性質が違うので別個に批判するべきであって、一緒くたにするべきではない。
その他では〜
- 薩摩守(さつまのかみ):無賃乗車を指す。平忠度⇒ただ乗りが由来。
- 肥後守(ひごのかみ):和式の小型ナイフの一種を指す。
- 尾張守(おわりのかみ):物事に対してすぐに悲観的になり「終わった」「おしまいだ」などと嘆く人を指す。
関連タグでは〜
冷笑系 意識高い系 逆張り...「出羽守」と、「出羽守」を非難する側の双方がこうした傾向を持っていることが多い。