COMTACは、アメリカの産業用品メーカーの3Mが開発した、戦闘用ヘッドセットである。
大きな音や衝撃波から耳を守る遮音具として機能するほか、無線機と接続して通信用のインカムとして、また遮音性が高い本体でも戦闘に必要な音を拾うための機能も備わっている。
概要
銃や火砲を射撃する際には耳の保護が非常に重要である。特に射撃数が多い軍人の場合、耳栓などの保護具が無ければ、聴力が著しく下がることは世界的に知られている。
しかしながら、常に耳栓をつけておくという事も現実的ではなく、特に耳を使う仕事である通信手や偵察兵の間では悩みの種であった。
従来、保護具とインカムを兼ねたヘッドセットには、航空用ヘッドセットが存在した。
これは、轟音が響く航空機内、特に大型旅客機ではなく、機内が煩い小型機やヘリコプター、軍用機などで確実にコミュニケーションが取れるように設計されたもので、ある意味戦闘用ヘッドセットに求められる機能に近いものだったが、小さな音が聴こえづらいという欠点もあった。
そこで、遮音性が高い本体の外側にマイクをつけて、普段は周囲の小さな音を拾いつつ、大きな音がしたときは電子的にカットして耳を保護する戦闘用ヘッドセットが開発された。
バリエーション
COMTAC1~3迄は、普通のヘッドホンと同様に、左右のカップが耳を完全に覆う形である。
COMTAC4は、耳たぶの上にコの字型の本体が乗り、通信と鼓膜の保護は本体に繋がったカナル型イヤホンが担う。
通信用のマイクロフォンは、軍用無線機向けのダイナミック型で、コンデンサ型に対応したものが殆どの日本製民生機で使う為には改造が必要である。