この国には、死ぬべき人間が多いと思わないかい?
概要
近未来の日本らしき都市を舞台に、凶悪犯の追跡と死刑執行を担う特殊部隊「特刑」の活躍を描く、スタイリッシュ・アクション漫画。
ストーリー
第三東都帝国。荒廃し街のあちこちがスラムと化したこの都市では、国籍が入り乱れ凶悪犯罪が後を絶たない。
裁判の迅速化と、仮釈放なしの終身刑導入によりパンク寸前になった刑務所の縮小化のため、「Rot法」が制定された。Rot法は被疑者欠席のままの裁判と死刑判決、および場所を問わない死刑執行を可能とする法である。
Rot法による死刑執行を担う法務省の特刑はその任務ゆえ、心を持たない「人形(DOLLS)」と呼ばれていた…
犯罪者の死刑執行を許された、特別死刑執行刑務官部隊、通称“特刑”。
その中でもトップである第一部隊に所属する、御子柴笑太と式部清寿の任務遂行率は100%で、「伝説の第一部隊」と言われている。
その「伝説の第一部隊」に5年ぶりに、養成所トップの新人・藤堂羽沙希が配属され…。
登場人物
特別死刑執行刑務官部隊
通称“特刑”法務省に所属し、"Rot法"による死刑囚の身柄確保と刑の執行を担う刑務官からなる部隊。刑務官は凶悪犯を相手に任務を遂行するため高度な戦闘訓練を受け、殺傷能力の高い武器(通常は公式銃のコルトガバメントのほか、得意な武器1点まで)の携帯を許可されている。
死刑執行の際は網膜や骨格による厳密な本人確認が義務付けられているが、刑の執行を妨げたり、自らの身体生命に危険を及ぼすなどの正当な理由があれば、死刑囚以外の人間の攻撃や殺害も認められている。
ただし、それ以外で犯歴や裁判歴のない一般国民を殺せば規律違反として処分の対象になる。
※CVはドラマCD版
第一部隊
御子柴 笑太
CV:鈴村健一
第一部隊の隊長にして、特刑全47部隊を束ねる総隊長。養成所を首席で卒業後、当時2名の欠員がいた第一部隊に配属され、在任記録は史上最長の5年に及ぶ。その間任務遂行率は100%の「伝説の男」。総隊長特権で携帯する大口径のデザートイーグルの二丁拳銃を多用している。
特刑が「人形」と呼ばれることを極端に嫌い、隊員には常に法や規則にとらわれず、自らの心で考えて行動することを求める。事に動じない雰囲気を漂わせるが、実は感情の起伏が激しい。罪のない子どもを殺す犯罪者などには特に強い憤りを抱く。
珠緒とは旧知の仲で、現在は同居しているが、自分の正体は明かしていない。
式部 清寿
CV:宮野真守
第一部隊の隊員で、特刑副隊長。奔放な総隊長のよき理解者として陰に日向に笑太をフォローし、第一部隊の「伝説」の一翼を担う。端正な顔立ちに中性的な容姿。
穏やかな物腰で笑顔を絶やさず、感情をむき出しにすることはあまりない。凄惨な現場では思わず顔を背ける細やかな神経の持ち主だが、ひとたび戦闘となれば得物の特殊ワイヤーを容赦なくふるう。動物や子どもなど、小さくて可愛らしいものが好き。
藤堂 羽沙希
CV:櫻井孝宏
第一部隊の新人。笑太と同様、養成所を首席で卒業後、すぐに第一部隊に配属された。得物は日本刀。感情表現が乏しく、養成所時代は「機械」と呼ばれていた(本人は褒め言葉と思っていた)。
第一部隊に配属後も「正義は法に」「任務に私情は挟まない」とマニュアル通りの言動で笑太を苛立たせていたが、任務を重ねるにつれ少しずつ変わっていく。
空気が読めず誤解を招きやすい一方、周りに影響されないぶん、観察力やとっさの判断力に優れている。剣の腕は確かだが、小柄な体格のせいで力負けすることが多い。
桜澤 時生
CV:諏訪部順一
特刑設立と同時に第一部隊に入り、初代総隊長を務めた。任務遂行率は100%で、最初の「伝説の人」。
5年前、2人を欠いた第一部隊でただ1人任務にあたっているとき、養成所を卒業したばかりの笑太が配属された。現在の笑太に多大な影響を与えたとみられる。
デザートイーグルの元の持ち主。
公では殉職したことになっているが・・・。
第二部隊
藍川 蘭美
第二部隊隊長。女性では初である。得物は鉤型に曲がった変形ナイフ。
自分の目で見たものしか信じないが、物事の実態を見極める「嗅覚」は確か。
高飛車な上に超絶マイペースだが、笑太にはいまいち調子を狂わされている。
女性なので制服の下はプリーツスカート。短めの丈。
佐伯 慈乃
第二部隊隊員。得物は変形ナックル。
見た目ほどキツい性格ではない。プリーツスカートの丈は長め。 漆黒の髪は清寿より長く、目も漆黒。
久宝 綾寧
第二部隊隊員。使用武器は変形手裏剣。
おっとりして見えるが情報処理能力が高く、時に諜報課をも凌ぐ辣腕シーク。
プリーツスカートは膝丈。
第三部隊
上條 璃宮
CV:浪川大輔
第三部隊隊長。得物は小型のナイフ。死刑囚をカメラも目撃者もないところに追い込んで刑を執行するのが第三部隊の特徴で、これまでに現場を見つけた警察官は珠緒だけ。
実力はあるがそれ以上に自尊心が高く、結果的に自己の能力を過信してしまう傾向がある。上昇志向が強いうえ目的のためなら手段を選ばない。
ブロンドに青と緑のオッドアイ。
香我美 元親
第三部隊隊員。得物は日本刀で、二刀流。髪は黒で、目は焦げ茶。ヒゲのため、少し老けて見える。
黒瀬 瑞城
第三部隊隊員。射撃に長け、公式銃のほか何種かを臨機応変に使いこなす。眼鏡をかけている。
特別死刑執行刑務官部
三上 尊人
CV:井上和彦
法務省特別死刑執行刑務官部長。特刑隊員一人ひとりの能力や性格をよく把握し、適材適所に配置して最良の結果を出す「策士」。
諜報課
「頭と足を使うのが仕事」。逃走中の死刑囚の身辺調査と大まかな居場所の特定を行い、適当な特刑部隊に振り分けている。担当部隊が決まった後は特刑をフォローしながら、死刑囚の捜索や現場確保に務める。
五十嵐 左京
CV:大川透
諜報課長。裁判に潜って死刑判決を聞いたり、諜報課の捜査結果から担当部隊を決めたりと、特刑の任務全体の鍵となる役割を果たす。休日出勤が多い。笑太とはいつも軽口をたたいているうちに小競り合いに発展する仲。
柏原 謙信
CV:鳥海浩輔
第一班班長。手腕は超一級。一見軽薄そうで「仕事に命はかけない」とも公言するが、それは諜報課の捜査範囲を自覚しているから(曰く「命をかけるラインを超えたら、その先は特刑の仕事」)で、必要とあらば自ら現場に乗り込むことも厭わない。
諜報員の仕事に誇りを持ち、「雑用係」と呼ばれるのを不満に思っている。
警視庁
特刑とは同じ犯罪者を追う立場であるが、"Rot法"による特刑の死刑執行を、取り調べの機会がなく動機や余罪など事件の大半が闇の中となってしまうため、「捜査妨害」と感じる向きが少なくない。
蓮井珠緒
CV:福山潤
警視。捜査一課管理官。東都大を首席で卒業したエリート。キャリア組には珍しい「現場寄り」の管理官として部下から慕われ、愛らしい外見も手伝って男女問わず人気は高い。
一方で犯人の追跡に特刑を利用するなど、指揮官としての判断も抜け目なくいやらしい。
正義漢の割に上昇志向が強いが、その目的は「特刑を潰す」こと。
笑太とは旧知の仲で、現在は同居している。
麻生大悟
CV:小野大輔
警視庁の警視。珠緒とともに捜査一課の管理官として、2人で5つ以上の捜査本部を掛け持ちすることも。逮捕のたびに現場に出向くなど、管理官らしからぬ腰の軽さを見せる珠緒をしばしばたしなめる。
珠緒の計算高い一面に気付いていて、「怖い男」だと思いつつもパートナーとして信頼している。