作品名 FTMくん
FTMくんは、GD(性別違和)・GID(性同一性障害)における分類の1つである「FTM」を擬人化したキャラクター
FTMくんが表象するもの
FTMくんは短髪、半ずぼん、胸のふくらみがない姿で描かれている。これらは一般的な男性の特徴であり、「男性である」という性自認を有するFTMのセルフイメージを表象している。
FTMくんの背景設定・性格設定
FTMくんはトランスジェンダー・GID性同一性障害の中でも中核群の背景・性格を有しているキャラクターである。すなわち、「性別違和の発症が早く、性自認は確固としたものがあり、性器嫌悪またSRS願望が強く、性的指向は異性愛」という性質である。
参照文献「性同一性障害治療の現状と症例の特徴について P238 8)初診時におけるSRS願望」
FTMくんの身体の段階
FTMくんは髪を女性のボブよりも短くし、ハーフパンツの体操着を着ているので、RLEを男性として送っていることがわかる。しかしそのボブの長さは典型的な男性としては若干長いとの評価できるので、FTMくんが目指す男性の理想像は、スマートで美しいタイプの男性であることがわかる。 一方で、胸には女性特有の膨らみが見られないので、胸を強く圧迫してつぶすタイプのシャツを着用しているか、SRSとしての乳房切除術も受けた可能性が示唆されている。顔貌は丸みがかった女性らしい様子であるものの、男性のネオテニー顔貌とも見えることから、思春期前に女性ホルモンの分泌を抑制する思春期発現抑制療法を始めて、第二次性徴発現前の肉体的特徴を維持していることが示唆されており、だとすれば胸の膨らみがないのはそもそも第二次性徴がホルモン療法で首尾よく抑制されたためであるとも考えられる。MTFちゃんの背景設定・性格設定はトランスジェンダー・GID性同一性障害の中核群であるので、胸と外性器については今後SRSを受けることになるのであろうことが推測される(胸に関しては、このまま大きくならなければ乳房切除ではなく乳腺切除で済むのかもしれない。)。
FTMくんが登場する小説
トランスジェンダー・GD性別違和・性同一性障害の当事者である登場人物とFTMくんとMTFちゃんが交流し、FTMくんとMTFちゃんが振り返りながらかつリアルタイムで語っていく。
『そんな違和感が、わたしにはいつもあった、いつもある、いつもあり続ける、いつもあり続けるのか?まるで言葉で紡がれた呪術のように綴られてきたわたしと私の違和の物語たちの数珠繋ぎ。』
『これは定義の問題。そして定義はつきつめると言葉遊び。遊び、でもそんな言葉遊びが遊びではなくなって「真実」、「事実」だと「定義」されることがある、「定義」されるときがある、「定義」される場所がある。』
トランスジェンダー・GD(性別違和)・GID(性同一性障害)におけるFTMとは
トランスジェンダー・GD(性別違和)・GID(性同一性障害)におけるFTMは、生まれ持った性(assigned sexual at birth)は男性であるが、性自認は女性であるひとのことをいう。