概要
車軸配置4-8-4(ノーザン)の旅客用テンダ機関車。流線形カバーと直径2300mmの大径動輪が予定され、営業最高速度170km/hを目標としていた。
構造
足回り
2300mm動輪を250mmのゆったりした間隔で四対備える(国鉄機と同じくドイツ流に倣ったものと思われるが、大径動輪を四対も持つ本機においてはアメリカ流に倣って動輪間隔を詰め、台枠を短縮するのが賢明であると思う)。駆動には3気筒を予定していた。
ボイラー
図面では流線形カバーの下に隠されており、径、長さともに不明であるが、同じ車軸配置を持つFEF-3から推測するなら煙管長は優に7mを超えると思われる。
煙管長は長くなればなるほど抵抗を生み機関車の効率を低下させるため、本機のボイラー性能はきわめて劣悪なものになると思われる。
その他の計画機関車
HC51
車軸配置2-6-2(ハドソン)の旅客用テンダ機関車。
HD53と同じ直径2300mmの動輪を3軸備え、こちらも最高速度は170km/hに設定された。前述の05形をもとにボイラーを拡大し、高出力化した設計である。
HD60
車軸配置4-8-4(ノーザン)の貨物用テンダ機関車。
国鉄の旅客用機関車と同径の1750mm動輪を四軸備え、最高速度は130km/hに設計された。満鉄の貨物用機関車であるマテニ(4-8-2)をもとに従輪を一つ追加し、軸重を大きくとることで、ボイラーを大型化している。運転速度が低いため流線形カバーはない。
HE10、HE11
車軸配置2-10-2(サンタ・フェ)の入替用タンク機関車。
なぜ低速でのみ運用される入替用機関車に先輪・従輪を備えたのか不明である(先輪・従輪は高速走行時の安定性のためのものであり、低速ならば必要ない)。