概要
オーストリアの音響メーカー、AKG(アーカーゲー)社製のヘッドホン。2005年9月の発売以来、同社のフラッグシップ機として長らく君臨していた機種である。
白と銀、臙脂を基調としたポップな外観とは裏腹に、原曲の音を忠実に再現するポテンシャルを秘めており、極めてフラットで高解像度の、艶っぽい音を鳴らしてくれる。オーディオマニアやスタジオミュージシャン達の間では、かねてより愛好者の多い定番の一機である。
その特性から、どちらかというとボーカル入りの歌曲よりも、ジャズやクラシックといったインストゥルメンタル系の音楽に向いたヘッドホンと言われる。
ただし、インピーダンス(電気抵抗値)が62Ωとやや高く(それでも一般の高級ヘッドホンと比べると低めだが)、そのためiPodやウォークマンといった携帯音楽プレイヤーの内蔵アンプ程度ではまともに音量が取れない。性能をフルに堪能したいならば、相応の性能を持ったヘッドホンアンプに繋ぐ必要がある。
また、ハウジング(耳を覆う部分)は密閉型ではなく開放型なので、使用中は音が外部に非常に漏れ易く、同時に外部からの音も混入しやすい。屋外で用いるのは避けた方が無難だろう。
兄弟機種に、ケーブルの着脱を可能にしてよりスタジオでのプロ用途に特化させた「K702」が存在する。
2010年10月には後継機種である「Q701」が発売され、それに伴いK701は2010年末をもって生産終了となった。しかし、人気機種である本機は相当数が市場に出回っており、現在(2012年時点)でも入手は比較的容易である。
価格帯
メーカー希望小売価格はオープンだが、大体¥75,000~¥85,000前後が相場。
しかし、海外から並行輸入を行っている一部のショップの中には、(昨今の円高の影響もあって)¥30,000を切るような安価で販売を行っているところもある模様。
『けいおん!』効果
アニメ『けいおん!』第五話にて、同作の人気キャラ・秋山澪が自宅で使用していたヘッドホンとしても有名
(参考画像:http://blog-imgs-41.fc2.com/y/u/n/yunakiti/090501-0216580792-960x720.jpg)。
恐らく、その洒落た外観が彼女のイメージとマッチするため採用されたものと思われるが、放映されるや否やこのK701は「澪ホン」と呼ばれ、熱烈なファン達がこれを求めてオーディオ店や家電量販店に殺到。上述のように決して安くない機種にもかかわらず、一時売り切れる店が続出した。
製作サイドもこの現象を意識したのか、同機種はその後も何度か劇中に登場している。また後にアニメ専門誌『アニメディア』の付録ピンナップに、澪のみならず主要キャラ達全員がこれを装着しているイラストが掲載された。
カタログスペック
形式 | ダイナミック方式 |
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タイプ | 開放型 |
再生周波数帯域 | 10~39,800Hz |
インピーダンス | 62Ω |
感度 | 93dB/mW |
ケーブル長 | 約3m(着脱不可) |
プラグ形状 | 6.3mmステレオ標準(3.5mmミニステレオ変換プラグ付属) |
重量 | 約235g(ケーブル除く) |