宮水三葉は確かに美人で「君の名は。」のヒロインである。が、一方でとことんポンコツでもある。
互いに入れ替わってしまって(好き好んでではないのに)相手も被害者だというのに、「私の体を自由にしてるんだから、変態に決まってるでしょう!」と瀧を攻撃する。
ちと待て。「俺の財布を自由にしてるんだから犯罪に決まってるだろう」と返されたらどうする。これで二人仲良く犯罪者や。
瀧の姿で初登校した日は、外見こそ立花瀧のままであるが、中身はまるきりおのぼり修旅生でしかない。ん?岐阜県から小中高で一回も東京に修学旅行に行かないってアリか?
「パンケーキ代だけで一月暮らせる」という都心のお高いカフェでこれまた高価なスイーツ類をドカ食いし、しかもそれが夢ではなく自身に現実に起きていることと分かってからも節制出来ないという時点で、金銭感覚は間違いなくポンコツである。
元々瀧たちはこのカフェに建築意匠の見学に来ていただけだから、場所代替わりのコーヒーとか店の商品のなかではごく低額なものしか頼んで来なかったというのに。
あ~ぁ、知らないよぉ・・。
結局自身の愚行で瀧のみならず自身も苦しめ、「遊びに行けない」と愚痴をこぼす。
結果として最後の入れ替わりとなる10月4日(再演:おそらくは世界線が変わっている)では、瀧に報復として貯金のほぼ全額を作戦協力の報酬の菓子代として使い込まれ、命は助かったもののスカンピンになる。
登下校の電車には乗れるようにはなったものの馴染めたとは言い難く、三葉はドアに押し付けられて無様にもがく。
糸守を探し出す直前の本来の瀧の乗車時の姿勢とはあからさまに違う。
2人にとって時系列的にその少し前になる奥寺先輩とのデートでは、本来の瀧にさんざ茶化したリンクを貼り付けたメッセージを残し、からかってやろうと企んだ挙句、急に「取られたくない」と思ったのか上京することになる。苦しむくらいならやらなきゃいいのに。
諦めろ。東京はそこまでバラ色じゃない。