概要
インターネットゲーム『ラグナロクオンライン』のユーザーだった女性。
S県月宮とは通称名であり、『S県』は彼女の住む県、『月宮』は彼女のゲーム内でのキャラ名の元が『月宮あゆ』だったことに由来する……とされるが真偽は定かではない。
俗に言う『電波』な人物であり、それが元で後述の事件を起こすこととなる。
『S県月宮事件』全容
彼女は同じくラグナロクオンラインのユーザーだった男性『374』(仮名、本スレでの報告レス番より)に偏執的な好意を抱いていた。
374氏は迷惑がったが、同女性は「妹と呼んでねお兄ちゃん」「お兄ちゃんと私の仲でしょ」と、自身の脳内設定を全面に押し出し一向に聞く耳を持たなかった。
そしてあげくの果てに月宮は374の住所を特定、「日曜日行くから」と宣言する。
自分の手に負えないと判断した374は、オフでも交流のあるユーザーの女性『アコ』に助けを求め、ゲーム内で月宮を説得する。しかしここでも月宮は「私とお兄ちゃんは前世からずっと一緒になるって決まってたんだもん」「ずっと昔に魔女に私たち兄妹は引き裂かれた」と電波を全開させ、アコに対し『私達の仲を引き裂こうとする魔女のしもべ』という設定を創造してしまう。
そしてついに2002年8月10日深夜、現実世界で月宮は374の自宅のドアを叩いた。
事前に月宮からメールを受け取っていた374は屋外に隠れていたが、月宮は警棒らしきものでドアを殴打、そして破壊。止めにかかった374の太ももも殴りつける(現実の374の顔を知らなかった為)。とっさに374が「俺の家の前で何してる」と発言すると、ようやく月宮は彼が『お兄ちゃん』だと気づき暴行を収めた。
その後彼女は警察に連行されるが、やはりそこでも「もしかしたら魔女に捕まってるかと思って」「どうにかして助け出そうかと思った」と電波の供述。住所などあらゆる警察の追及を脳内設定で押しつぶした(身分証明関係の物品も非所持)。
結局374が立ち会い「実はお前の家に魔女の呪いがかけられて……」などと彼女の電波につきあうことでどうにか住所を聞き出した。
その後月宮は家に帰され、彼女の両親によってドアも弁償されたが、当の彼女は「お兄ちゃんこのままだと魔女に殺される」との言葉を残す。
そう、彼女はまだ諦めてはいなかった。
そのわずか10時間後、「娘が出て行ってしまった」と月宮の両親から連絡が入る。当然374は逃走しアコと合流、ほとぼりが覚めるまで街中を移動することにした。
しかし後に明らかになることだが、すでにこの時二人は月宮に発見、尾行されていた。近所の居酒屋に二人は入店し、未成年だった月宮は彼を二時間待ち続けたという。
そして8月11日午後6時、二人は居酒屋を出たが、酔ったのが災いしたのかうっかり人気の無い住宅街に差し掛かってしまう。月宮はすかさず警棒でアコを殴り倒した。そして「お兄ちゃんそいつ魔女でしょ? だって魔女の名前で呼んでたもん」と遂にアコの『排除』に踏み切る。
「今そいつ殺すから」という彼女の台詞に静止していられる訳もなく、374はカバンを使って彼女のアコに対する攻撃を防ぐ。すると月宮は、
後世まで語り継がれる伝説の名言誕生である。
さすがの374も、これを聞いた時には恐怖に全身が固まったらしい。
事件の幕切れはあっけないものだった。
彼女の怒号に戦慄した374に代わり、アコが月宮をラリアットで昏倒させたのだった。
その後警察により月宮は再度連行され、それから374は彼女には会っていない。またラグナロクオンライン内からも彼女の存在は消え、374と月宮の間の因縁は消滅した(多分)。
月宮が世間に与えた影響
上記から見受けられる通り、S県月宮は典型的なヤンデレ気質の女性である。
しかし当時はまだサブカルチャーにおいてヤンデレという概念が確立されていなかった時代であり、故にこの事件はネット上に大きな衝撃を与えた。当時がインターネット界隈の急成長時代だったことも話の蔓延に拍車をかけた。
彼女の名言は現在でもたびたびネタとして使用されている他、
この事件の名言に影響を受けて2chスレでそれを元ネタにした楽曲が制作されることになり、「PROJECT"D"」が立ち上げられて同名のCDも登場。
月宮事件をこのCDから知る人々も多い。
インターネットゲームは節度を守って交流しましょう。
真相
この話は元々は、2002年8月10日にラグナロクオンライン本スレ「■RAGNAROK ONLINE βLv417 ママーリ■」の>>374にて、長文による報告と、チャットのログや状況報告のテキストが貼られていたことから来ている。
さらに、この話を『Iris的』というサイトが取り上げてまとめたことで、『S県月宮』としてROユーザーだけでなく幅広くネット上で広まるほど話題となった。
(本家サイトは消滅済、S県月宮のミラー)
しかし、後にこの話をまとめた上記「Iris的」の管理人によって釣り宣言がなされている。
↓
あとまぁいろいろありますが、最近言いたいのは
ttp://www.geocities.co.jp/Hollywood-Kouen/6684/p_d_01/p_d_download.html (※移転済、現在のURL)
今更ですがこんなんになってますが、
ご承知の通り、あれはβ1→β2移行時にやることなかった
IRIS的の運営委員の4人うち1人が作ったネタをワタクシがまとめたものですので、
ガクガクブルブル、とかしないでください。
まぁ・・・・信じるかどうかはあんたがしてくださいな。
ちょうど夏コミの時期だったから丁度よかったんでしょうがね。
http://dic.nicovideo.jp/a/s%E7%9C%8C%E6%9C%88%E5%AE%AE
https://websitemap.sakura.ne.jp/rohistory.html#2-b2-2
なお、ネタであることが発表された2003年7月の時点で、これを元ネタにしたPROJECT"D"の楽曲は制作段階に入っており、コミケ65でCDが頒布。
以降、そちらの「おにどけ」は独自に発展していくことになった。
この話が本気で信じられた背景は、上記のようにインターネット黎明期で、要はネットユーザーのネットリテラシーが成熟していなかった為である。
さらに、ちょうどROで個人情報の流出騒ぎがあった時期とも重なっていたことも拍車を掛けたと思われる。
作者の手を離れた強烈なインパクトを持った都市伝説として語られるようになった逸話と言えるだろう。