概要
機動警察パトレイバーの劇場版第三作目。原作の「廃棄物13号」のエピソードをベースにしている。
制作はマッドハウス。
本エピソードの映像化はすでに1995年頃に企画があり、当初はOVAシリーズとして制作される予定だった。
いわゆるスピンオフ的な作品であり、東京湾に出現した謎のモンスターと、その周囲の人間達を描いたもので、この映画版ではオリジナルキャラクター(ベテランと若い男の刑事2人)が主役を務め、お馴染みの特車二課第二小隊は脇役に回るという、ファンの度肝を抜く演出も話題になった。
同時上映はミニパト。
ストーリー
昭和75年、東京湾にて作業を行っていたレイバーが襲撃され搭乗員が惨殺される事件が続発していた。事故なのかテロなのかわからない中でその事件を捜査する城南署の秦真一郎と久住武史の二人の刑事はその捜査の中でその前に起きた米軍の輸送機墜落事故と事件が何らかの関係があると睨み始める。
しかしそんな二人の前に事件の意外な犯人が現れる。それは人間を食い殺す異形の怪物であった。
そして警視庁はこの怪物への対処を行う中で秦は怪物とその陰謀に隠されたある悲しい真実を見つけ出す…
登場人物
- 久住 武史
- 秦 真一郎
- 岬 冴子
- 栗栖 敏郎
- 宮ノ森 静夫
- 石原 悟郎
- マイケル・パッケンジー
今作の廃棄物13号
本作に登場する巨大モンスター。かつて隕石に付着していた物質から生成された物質ニシワキセルと人間のがん細胞を組み合わせた事で誕生した人工生命体。通称はベイカーズ・ダズン。
全長は約20mで立った場合はイングラムと同じ8m位である。
頭部に2本の触手があり先端には暗がりにて発光する球体が付いておりこれで獲物などを判別する仕草があるが、基本的には聴覚に頼った行動を取る。幼生体時は前脚を使い移動し、後脚は未成熟だが成長体となってからは立ち上がることも可能なほど発達する。太く長い尾の先は手のような形状になっており、物を掴むことが可能。
実験カプセルから出られない前の実験体である12号とはけた違いの強靭な生命力を持ち、なおかつ人間やイルカを食い殺すほどの狂暴さを持つ。また千切れた肉片からでも新たな個体が発生するほどの再生能力を持つ(分析していた研究所でそれが発生して暴れたが液体窒素で抹殺された)。ただし光に弱い。
人間の細胞から生まれた為か、歯並びは人間っぽく胸部に乳房らしき器官を持つ。
また一定の超音波に反応しやすく、その波長を持った音を出すシャフト社製超電導モーターとイルカの音波、ディスコのアナログレコードによって引き寄せられ、レイバーやイルカ、人間を襲っていたのである。
実はこのモンスターは冴子が小児性のガンで亡くなった娘岬一美のがん細胞にニシワキセルを組み込んで生み出したもので、冴子は死んだ娘の生まれ変わりとして執着しており、上司に黙って自己崩壊プログラムを組み込まなかった上に音波で誘導しては餌として横領したニシワキセルを与えていた。