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表記ゆれ:ウインドブレード

詳細は『ウィンドブレード』の記事を参照。

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  • 『もしも変わらなければ』

    思い出の隅にあるこの顔にはもう会えない ずっと 変わってしまったのは  いつからだっただろうか あなたがあなたのままなら 違う結末だったかも なんて 今さらだね ――メモリーの中の貴方は もういない ── ──── ──────時は ──────── ───────── ─────────── ────────遡る ────── ─── ─ 「ウインドブレード」 「少し、時間いいか?」 「話したい事があるんだ」 それはユニクロン討伐の間際。 “俺”はウインドブレードに声を掛けた。 束の間の時間。 恐らく、次の戦いで自分の悪運は尽きる。生きて帰れないかもしれない。 そんな予感があった。 だから、せめて何かを遺そうと思った。 顔を見るのも嫌いだった相手に、俺はもう一度会って伝えたいことがあったからだ。 しかし、呼び出したものの、何を言ってよいか分からず、俺は苦し紛れに心底不本意という態を装い自分の唯一の持ち物を投げ渡した。以前ウインドブレードに作って貰ったプロジェクターを返したんだ。 「ちょっとスタースクリーム!!コレはあの時私が渡したものじゃない。・・・・持っていてくれたの?」 薄暗い広い廊下に響くアイツの声。 困惑を含んだ声音がイヤーセンサーを通して俺のなかに溶け込んでゆく。 見上げたアイツの顔は、すぐ真上に取り付けてある仄かな電灯の光りの影で丁度ウインドブレードの表情を隠している。 青いオプティックすら伺えない。 ちっ影が邪魔で顔が見えねぇ。 「持っていたさ。だけどそれはっ.... 次の作戦に持っていくのに邪魔になるかもしれないからな おまえが持っていてくれ」 「へぇ、そう。邪魔、、、ね?」 機嫌を損ねた声音が返ってきた。 やばい。怒らせたか。やっぱり、 この言い方は良くなかっただろうか。 俺は内心焦りながら言葉に修正をかける。 「だから、その、、、。それは俺にとっては大事なものだ。それに、、、誰かから何かを貰うの、初めてだったんだ。 無くしたくない。」 「.....だったら尚更、なんで渡した本人の私に返すの?自分で持っていればいいじゃない」 「だから、 無くしたくないって言っただろうが!! 預かっててくれないか。 次に会うときまで。 こんなこと、頼めるのお前しか居ない。」 嘘だ。ウインドブレードじゃなくてももう1人バンブルビーがいた。彼にも頼めば引き受けてくれたかもしれない。 だけれど・・・・───。 「・・・・・・・・・」 返事が来ない。 顔が見えないだけに 無言の威圧がキツい。 焦れる俺は 一歩明るみに顔をだした。 「おい、、、なんか 言えよ? 時間が、、、」 「それは、」 「!」 「生きて返ってくるってこと、、、よね?」 黒に塗りつぶされた影が視線を投げ掛ける。漸く見えたライトシアンのオプティック。その僅かな光で照されるアイツの顔はとても不安そうな顔をしていて、でも怒ってるようでいて、、、とても悲しげだった。 俺は排気を呑んでアイツの顔を見つめたまま、まくし立てるようにこう言い放った。 「あたりまえだ。誰に言ってやがる? 現ディセプティコン軍、No.1👑。 元航空参謀。んでもって、コロニーをひとつにまとめあげ立派に務めを果たしてみせた セイバートロン星リーダー だった この俺様だぜ? こんなところでくたばるわけねーだろ!」 元の俺様らしく自分をさしてキメ顔で言い切った。ウィンドブレードの反応はぽかんとしている。久しぶりなだけに、ちょっと恥ずかしくなった。そして遅れてやって来る笑いを含んだ声音。 「スタースクリーム、、、、“元”が抜けてるわ。今はこの私が星のリーダーよ? っていっても。それも名ばかり。 その守るべき星も市民もみんな亡くしてしまったわ。」 漸く見れたと思った顔がまた下を向かれた。自虐的に微笑むウインドブレード。だから、そんな顔が見たい訳じゃねーんだって。もっとこう、、、。 「チっ顔をあげろよ リーダー。 今度は あんたが 大将なんだ。 そんなにうつむいててどうすんだよ。 まだセイバートロンは終わってねーよ。 生き残った市民たちだって大勢いる。 また、やり直せばいい。 みんな、あんたを求めてる。 必要とされてるんだ。 名ばかりのリーダーなんかじゃねぇよ。」 「スタースクリーム、、、」 「ま、幸いなことに?あんたのまわりには?俺様のように 優秀な 歴戦の戦士たちが側にいるんだ。 恐れる事はねぇよ。実際に闘うのは俺達だ。あんたは 星の希望を信じて 前戦に立っていればいい。」 わかったか!!と、顔を近づけて凄んでみせた俺。目の前にはウインドブレードの顔。 その顔が漸く望んでいたそれだった。 「わかったわ。預かっていてあげる。 だから絶対に作戦、成功させて来なさいよ」 弧を描くマウスパーツ。 優しげに灯るオプティック。 ずっと俺が見たかったのはその顔だ。 俺の声も自然と弾んだ。 「わかっているさ。 今度はへまなんてしねーよ。 次こそ 決める。、、、おっと」 「時間だ」「またな」とか言って、 歩を進めた。 ・・・・かっこよく去ろうと思ったが、、、。 「ウインドブレード」 やっぱり、ひと言。 あと、ひと言だけ.......。 数歩歩いてから、また後ろを振り返った。 「なぁ ウインドブレード、 ・・・おれは───」 が、既にそこに彼女の姿はなく。どうやら足早にこの場から離れたようだ。 。。。。。。。. 肩透かしを喰らって動けずにいたが、すぐに回復した俺は、手を口許に当てて空咳をひとつ。 「あ~・・・う゛ん~・・・ なんでもない。そうだ、 もともとなんでもなかった。 ただ、また 大きな独り言を言っただけだ。 そういうことにしよう!」 決まり悪くなって 俺はそう嘯いた。 結局「 」という 届くはずの無い 言葉を 俺は スパークの内にとどめて 戦場へと飛び立った。 end. あれ?オマケの方が長くね?

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