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※この記事には映画『新聞記者』終盤のネタバレが含まれます。












































































概要編集

発言者は内閣情報調査室(以下、内調)の職員である多田智也


大学新設計画に関する極秘情報が記された匿名のFAXがキッカケで政権の闇を暴くために主人公吉岡エリカが奮闘し、多田の部下である杉原拓海は序盤で自殺した神崎俊尚の無念を晴らすため吉岡に協力していた。

終盤、吉岡と杉原は調査の過程で大学新設計画の目的が生物兵器開発の施設を作る事と、神崎が政権維持のために汚れ役を強いられた末に大学新設計画をFAXでリークして自ら命を絶った事を知る。


後日、吉岡は政権にとって不都合な大学新設計画の真相を記事にする事に成功。そして、政権側が「記事は誤報」と反論してきた時のために杉原が告発者として実名を出す事を決意。

しかし、その矢先に多田がスキャンダルの火消しに走ると同時に杉原が記事に関わっていた事に薄々気づいて彼を呼び出し、遠回しに社会的地位と妻子を人質に取る形で秘密厳守を強要。直後に退室しようとした杉原に対し……


「撤回することは別に恥ずかしいことじゃないぞ。この国(日本)の民主主義は形だけでいいんだ」


……と、現実を突きつけるかのごとく杉原の戦意を削いだ。

奇しくも神崎と同様に弱みを握られながら政権に飼い殺しにされる事を悟った杉原は死んだような表情を浮かべながら街をさまよい歩き、ラストシーンで偶然鉢合わせとなった吉岡に対して何らかの台詞を口にしたところで物語の幕を閉じた。


備考編集

ラストシーンでは音声が無いため、杉原が何を口にしたは不明であるが、おそらくは一度は腹をくくりながらも結局政権に屈した自身の無力さに対する謝罪の言葉と思われる。

なお、尊敬する先輩でもある神崎は自殺する前に杉原に対して「俺のようにはなるなよ」と忠告しており、死後に遺書という形で長年の苦悩を杉原に打ち明けたのだが、その杉原が神崎を慕っていたが故に結果的に神崎と同じ道を歩む事となったのが皮肉と言える。

その意味では「何が待っていようと真実を暴く告発者」にも「妻子のために働く父親」にもなりきれないまま、どこか中途半端な「正義感」を振りかざした事が杉原にとっての不幸であったのかもしれない。


関連タグ編集

新聞記者(映画)

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