曖昧さ回避
- 同じく望月衣塑子のドキュメンタリー映画「i-新聞記者ドキュメント-」と言う作品もある。2019年公開。(こちらはドキュメンタリーでフィクションではない。)
以下望月衣塑子の同名ノンフィクションを原案にしたフィクション作品について記載する。
概要
2019年6月28日に日本で公開された社会派サスペンス映画。東京新聞記者・望月衣塑子の同名ノンフィクションを原案に、若手女性新聞記者と若手エリート官僚の対峙と葛藤を描く。
2019年11月22日にBlu-ray&DVDがリリースされた。2022年1月13日には米倉涼子主演のドラマ版がNetflixで配信スタートした。監督も映画版と同じく藤井が務めたが、内容は映画と若干異なるものとなっている。
詳細
この映画で描かれる公文書改ざん・大学新設を巡る不正疑惑・政権への忖度・お友達優遇・性犯罪の被害者叩き...などは、望月が実際に対峙した政治事件をモデルにしているが、主人公の人物像や属性に関しては大きく変更が加えられている（実在の望月衣塑子は親が韓国人でもなければ海外育ちでもない）。だが、このアレンジの結果、主人公像は「日本のフィクションに良く居るタイプの女性キャラ」として小さくまとまってしまった感が否めず、韓国映画に多い破天荒な女性キャラを期待すると失望するかもしれない。ぶっちゃけ、実在の望月衣塑子の方が遥かにぶっ飛んだ映画的なキャラである。
上記の不自然なアレンジなどから「元々エリカ役は日本人が起用される予定だったのが、政権批判の役をやったら芸能活動に支障をきたす事を恐れ、日本の既存の芸能事務所が殆ど拒否してしまったため、韓国人のシム・ウンギョンに白羽の矢が立った」などと噂されていたが、監督のコメントによれば「当初からエリカ役をウンギョンに決めていた」との事である。…つまり前述の起用拒否はデマ。
2020年の第43回日本アカデミー賞（映画業界関係者による賞）作品賞を受賞した他、主演のシム・ウンギョンが優秀主演女優賞を受賞したが、2015年の作品賞『永遠の0』との落差の大きさなどを含めて様々に物議を醸した(本作はキネマ旬報ベスト・テンでは11位であり、評論家の評価はそれほど高くない)。
あらすじ
東都新聞に医療系大学新設計画に関する極秘情報が匿名でFAXされる。
日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育った記者の吉岡エリカは、真相を突き止めるべく調査に乗り出す。
一方、内閣情報調査室の若手官僚の杉原は、政権に不都合なニュースをコントロールする任務に葛藤していた。
ある日、杉原は尊敬するかつての上司・神崎と再会するが、神崎はその数日後に自殺してしまう。
真実を求める吉岡と政治の暗部に気付いた杉原…そんな2人の人生が交差する。
関連タグ
???：終盤におけるネタバレ。
i-新聞記者ドキュメント-：こちらも配給がスターサンズであるが、こちらは望月氏のドキュメンタリー映画。
パンケーキを毒見する、妖怪の孫：本作同様、政権批判を目的とした映画（前者は菅義偉、後者は安倍晋三が対象）。本作含めいずれも配給がスターサンズであり、この2作はいずれも監督が内山雄人である。
