リカ(断章のグリム)
りか
断章騎士団に所属する世話役の一人。他の世話役と異なり特定の地域に根を下ろしておらずネットを通じて保持者の世話と管理をしておりネットロッジと呼ばれている。
その特性のせいか、所属している保持者たちは社会に馴染めないものが多いらしく同じ世話役である神狩屋などは彼女について「ならず者を飼うのが趣味で世話役をやっている」と手厳しく評している。ただ、大隅大洋など過去に他のロッジで問題を起こしリカに拾ってもらいリカを慕っているものもいる。
飄々として掴みどころがなく保持者には珍しい性格。その振る舞いがふざけているように見えるせいか笑美や神狩屋などからはたびたび注意されている。特に真面目な神狩屋とは性が合わないらしく互いに反発しあっている。
だが、実際は責任感の強い人物であり自分の苦しみ、悲しみは自分のものだけという考えから自分にいつ何が起きようと自分の管理するロッジに問題が起きないよう手配している。また蒼衣や雪乃など子供の騎士に対しても一人の人間、騎士として接している節もある。
- <チェシャ猫>、または<友達の友達>
毎日寝るたびに様々な人生を送る「リカ」という名前の人間の生から死までを体験するというもの。大抵その人生(夢)の終わりはろくでもないものになるらしく死ぬと目が覚める。
また彼女が体験しているリカは現実に存在しており、夢を見ているリカと同時に並行して膨大な数のリカが存在。実際に作中でもネットロッジのリカ以外が白野蒼衣や時槻雪乃と間接的に遭遇している。
これらのリカは、その家族も含めて全て神の悪夢が作り出したものであり、その気になれば起きている時に彼女たちに会いにいくこともできるらしいが、会いにいこうとしたリカが全員死んだため今は会いに行こうとはしていない。
作者曰く、いつか悪夢にあった本物のリカが死ねば神が作り出したリカとその家族、彼女らの痕跡は全て消滅するとのこと。だが、リカ自身にはその終わりがいつ来るかもわからないし、自分が本物のリカなのか、それとも本物のリカが見ている夢でしかないのかも区別がついていない。
このような断章のため、人よりはるかに多くの生と死を体験してきた彼女だが、それでも死ぬことは未だに怖いらしい。作中のリカが退場するときのセリフには、この悪夢で苦しんできたリカの悲痛な思いが込められている。