ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

目次 [非表示]

概要編集

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』に登場する、リディル王国における魔術師の最高峰七人に与えられる称号。魔術を重用するリディル王国特有の文化・制度。


国王の相談役であり、国王直属の役職として他組織の命令系統や権力圏から外れているため国王以外からの命令は受け付けない。国王の勅命以外で出動させる場合は、魔術師組合本部から貴族議会へ稟議を上げて承認を得なければならないが、それでも可能なのは出動の要請に留まり、七賢人側には断る権利がある。そういった背景からか、貴族議会では自身の管轄下に置こうとする動きもあった。逆に七賢人側から外部組織に働きかける場合も相応の手続きと時間が必要になる。

比較的自由に国王に謁見・進言できる立場なことから法的には宮中伯の一種として扱われており、在任中は「魔法伯」という伯爵位に相当する特別な貴族階級が与えられる。他にも、正装として専用のフード付きローブと身の丈を超える金の装飾杖、王城に個人の執務室や専用の客室が与えられる。なお、殆どの者が王城に常在しない上に王都に家ないし別邸を持っているため執務室を物置場として使っている(現七賢人で執務室が整頓されているのはメアリー・ハーヴェイルイス・ミラーのみ)。

また、執務室の上の階には「翡翠の間」という国王と七賢者しか立ち入れないように複数の特殊な結界が張られた専用の部屋が存在する。その扉を外側から開く際は就任時に与えられた杖に埋め込まれた宝玉から魔力を送り込む必要がある。

体裁の問題から飛行魔術を会得していたとしても王城へ出仕する際は原則として馬車を使わなくてはいけない。


その肩書に反して個性的な者が多く、比較的まともな感性を持つネロシリル・アシュリーからは変人集団という所感を持たれている。それでも実力は本物の天才集団であり、例外なく専門分野では高度な知識・技術を持っている上、唯一無二の才能を持っている者も多く、「賢人」の名前に偽りは無い。その分基礎魔術さえままならないほど特定分野に特化している者も多く、多彩な魔術を扱える者は貴重とされる。

あくまで魔術の専門家に過ぎないため、必ずしも荒事に長けているとは限らない。


立場的には全員平等だが、在任期間による年功序列の気質があり、新人(特に多芸な者)は何かと雑用を振られやすい。逆に年長者は自主的にまとめ役を担い、非常事態の際も率先して初期対応を行う。一時期は貴族議会が「七賢者長」という役職を新たに制定し、そこに自分らの息のかかった者を就かせて七賢人を御そうとする動きもあった。

現七賢人同士の仲は一部面々が対立してはいるものの比較的良好である。年少組が「七賢人若手三人衆」という集まりを作っている他、年長組も飲み友達として私的な付き合いがある。サイラス・ペイジの就任が決定した際も、男性陣による歓迎会(飲み会)が行われており、参加しなかったメアリーも酒と肴を提供している。


魔術師の最高峰である上に爵位持ちでもあることから、婚姻等によって自家に取り込んで箔をつけようとする家が多く、第一王子派と第二王子派(クロックフォード公爵派)に別れた王位継承争いでは退任者も含めて取り込まれないように心掛けて中立を極力保っていた。もっとも、現七賢者の過半数(特に若手組)が政争に興味を持っていなかったというのも大きい。


選考方法編集

何らかの要因により空席が生まれると、七賢者内にて国内の魔術師から候補者を見繕った後、候補者を集めた実地の選考会(選抜会)が開催され、面接と実技(魔法戦)を通して決定される。これらの審査は現七賢人が担当するが、魔術師組合、魔法研究所、魔法兵団、魔術師養成機関の重鎮たちが参加することも珍しくない。候補者足りえる魔術師が見つけられない場合は年単位で空席が生まれる。この候補者には優秀であれば家柄を問わないどころか魔術師資格を有していない者も選ばれる(当時平民かつ学生だったモニカ・エヴァレットが該当)。

また、前提として最大魔力量が150以上でなくてはならないと定められている。魔力量は成長期にピークを迎えて老化により減少するため若い者の方が選ばれやすい構造となっており、実際に10代後半から20代までに着任した者が多い。

一方、名門かつ代替の利かない技術を持つオルブライト家とローズバーグ家のみ世襲が許されており、当主が代々着任する。


選考後に無事決まった場合は、七賢人就任式典とパレードが開催される。専用の客室は主にこの時に使用される。


仕事編集

国王の相談役(私事も含む)や定例会議の他、魔導書の封印処置、魔術奉納、竜討伐、要人護衛(特に外国要人接遇)など、その実力が必要になる仕事全般を行っている。雑用(他七賢人の私用も含む)が回ってくる新人は多忙だが、それ以外は家事と兼業できる程度に余裕がある。

新年はじめには王城に召集され、魔術奉納を行った後に1週間拘束される。


該当者編集

※就任・退任順


本編開始時点編集

直近6年間に代替わり(オルブライト家・ローズバーグ家)や諸事情(不祥事・老衰・急病)によって退任が相次いだため、過半数を若者(10~20代)が占めている。


  • メアリー・ハーヴェイ:二つ名は〈星詠みの魔女〉。国一番の預言者。最年長かつ最古参であり、まとめ役を担っている他、王室や貴族議会との細かい調整も担当する。国王の相談役も実質一人でこなしている。
  • ブラッドフォード・ファイアストン:二つ名は〈砲弾の魔術師〉。現七賢人トップの魔力操作技術により国内最高記録となる六重強化魔術を扱い、その魔術の威力は国内で一二を争う。
  • エマニュエル・ダーウィン:二つ名は〈宝玉の魔術師〉。付与魔術と魔導具製作に長けるが頭抜けてはいない。第二王子派であり、クロックフォード公爵の後ろ盾によって選ばれた。
  • レイ・オルブライト:二つ名は三代目〈深淵の呪術師〉。世界で唯一200を超える呪いを体内に納めている呪いの器。メリッサの同期。
  • ラウル・ローズバーグ:二つ名は五代目〈茨の魔女〉。植物への付与魔術を得意する他、国内最大の魔力量を誇り、歴代最強とされた初代の生まれ変わりと評される。王城の庭園の管理も行っている。モニカ就任前までは史上最年少。
  • ルイス・ミラー:二つ名は〈結界の魔術師〉。元魔法兵団団長であり、竜の単独討伐数で歴代2位の武闘派。その経歴に違わず多彩な魔術を操り、特に結界術に秀でているが頭抜けてはいない。第一王子派。モニカの同期。
  • モニカ・エヴァレット:二つ名は〈沈黙の魔女〉。世界唯一の無詠唱魔術の使い手であり、ヴォーガンの黒竜を取り巻きの翼竜の群れ共々撃退・撃墜した英雄。研究者としても現行の基礎魔術の3割に影響を与えて近代魔術のセオリーを覆した偉人。史上最年少。ルイスの同期。

歴代編集

メリッサとサブリナ以外は本編開始時点で生存している。

 

  • メリッサ・ローズバーグ:二つ名は初代〈茨の魔女〉。植物への付与魔術を得意する他、防御不可能な攻撃魔法「黒炎」の使い手。前戦争の大英雄であると同時に国王を誑かした悪女としても有名。
  • カーラ・マクスウェル:二つ名は〈星槍の魔女〉。世界で唯一魔術の七つ同時維持を可能とし、その応用で血統依存の光属性魔術を限定的ながら扱え、ブラッドフォードに匹敵する魔術の威力を誇る。国を揺るがしかねない兄の不祥事に責任を感じて24歳で退任、後任はエマニュエル
  • アデライン・オルブライト:二つ名は二代目〈深淵の呪術師〉。オルブライト家が呪術を独占する体制を作り上げたやり手。呪術の扱いはレイを上回り、前戦争の英雄でもある。50年以上在任して69歳で退任、後任は孫のレイ(当時17歳)。
  • サブリナ・ローズバーグ:二つ名は三代目〈茨の魔女〉。アデラインが退任した数カ月後に死去、後任は曾孫のメリッサ(当時20歳)。
  • メリッサ・ローズバーグ:二つ名は四代目〈茨の魔女〉。付与魔術と魔法薬製作に長け、基礎魔術もある程度扱える。金稼ぎのために一族秘伝の魔法薬を売りさばいていたことからサブリナの妹たちにより当主の座を引きずり降ろされて史上最短(数カ月)で退任、後任は弟のラウル(当時16歳)。レイの同期。
  • バードランド・ヴェルデ:二つ名は〈治水の魔術師〉。水を操作する魔術において右に出る者がいない使い手で、国内の水道事業を飛躍的に進歩させて水道大国にした偉人。老化により魔力量が150を下回る寸前だったことから周囲の反対を押し切って50代で退任、後任は娘婿のルイス(当時25歳)。
  • グレアム・サンダーズ:二つ名は〈雷鳴の魔術師〉。前戦争の大英雄であり、竜の単独討伐数でも歴代1位を誇る、かつて最強の名をほしいままにした伝説の魔術師。50年以上在任していたがバーランド退任に伴う選考会議の際にギックリ腰を発症して椅子の固さを理由に80代で退任、後任はモニカ(当時15歳)。

新手編集

  • サイラス・ペイジ:二つ名は〈竜滅の魔術師〉。グレアムに弟子入りしてから1年半で頭角を現し、竜の単独討伐数で歴代3位に上り詰めた武闘派。実力もさることながら飛行魔術を使いこなせることから雑用役に適任としてルイスにより推薦され、エマニュエルの後任として25歳で就任した。

余談編集

具体的な就任時期は物語開始時点を基準にすると、メアリー(不明)→ブラッドフォード(不明)→エマニュエル(6年前)→レイ(4年前)→ラウル(3年前)→ルイス・モニカ(2年前)となっている。また、数カ月で退任してしまったカーラだがレイの就任から数カ月後に就任している。つまり、直近6年間で6名も退任したことになる。


関連タグ編集

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと サイレント・ウィッチ

関連記事

親記事

サイレント・ウィッチ さいれんとうぃっち

兄弟記事

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました