南部皐月
なんぶさつき
こはる屋の店長。如月真澄ともうひとりの3人でこはる屋を立ち上げた創業者の1人。悩みがあれば、何でも相談に乗る頼れる姐御肌。
また、失敗してもキツく当たらず、身を心配するなど優しく接し、本当に危ないときは、厳しく接する。経営面ではかなりの才能の持ち主だが、儲けより、まず常にまごころを込めたおもてなしをすることを是とする姿勢。
こはる屋を立ち上げるまで
高校時代は成績トップで、先生からも進路先を嘱望されるほどだったらしい。ただ、大学に進学するつもりは毛頭なく、バイトで就職に向けて、経験を積もうと考えていた。
そんな中、もみじの母方の祖父母、高坂幹二・フジ夫妻が経営していた、居酒屋「すずめ亭」のバイト募集のチラシを拾い、そこから瑞樹に引っ張られる形で、なし崩しにバイト店員になった。
調理経験のない中でのバイトだったが、「すずめ亭」の人々から優しくも時に厳しく導かれていった。そんな「すずめ亭」の人々や客の温かさは、皐月の居酒屋経営の姿勢に大きな影響を与えた。そして、働くなかで、自分でも「すずめ亭」のような居酒屋を作りたいと思うようになる。
そして、更なるスキルアップの必要性から、幹二から別の店での修行を勧められ、「すずめ亭」は短期間で離れることになるが、そこで得た糧は「こはる屋」にも引き継がれることになった。
その後、修行を経て、大手チェーンの居酒屋でバイトを始めた。そこで、自らの経営の才能を存分に発揮し、後輩の適切な指導、1週間で利益を倍にするなど、当時の上司・五本木から一目置かれる存在となった。
しかし、大手チェーンの居酒屋は、自分の抱いていた理想とはかけ離れているように思え、その限界を感じた皐月は、バイトを辞め、幼馴染の真澄ともうひとりの3人で「こはる屋」を立ち上げる。
だが、その才能は惜しいものがあり、同じく大手チェーン「俵屋グループ」のエリアマネージャーに転職していた五本木に、移籍を勧められるが、上述の理由から、これを丁重に断っている。
家族と考察
ちょっといっぱい!で最も過去と家族描写が描かれているキャラクターであり以下の事が判明している。
親が医者(母親が料理など家事をしているのでおそらく父親)。
弟がいて、医者になるため勉強中。
これらは9巻で判明することで、弟が医者に自らなろうと思っているかは不明だが医者の両親が後から生まれた男性で有る弟を医者を継がせようと可愛がったと思われる。
皐月も両親に振り向いて欲しくて勉学に励むも恐らく効果は薄かったと思われ、高校進学は適当に選び、大学も行かずに早く自立したいと考えていた。
勿論大学に行かない理由も、将来の夢もなかった皐月に医者の親が強く反発した事は想像に難く無い。
適当に決めた高校では周りに馴染めず、親とも上手くいかずで前髪を伸ばし、制服も着崩し、ピアスもつけてやさぐれていた。
そんな時、偶然にもすずめ亭で働く事になり、夢を持つ事になる。