羅濠教主
らごうきょうしゅ
200余年の歳月を重ねた最古参のカンピオーネの1人。
外見は、美貌の中華風美少女である。
無法者一族の令嬢として生まれ、「飛鳳門」の総帥を経て、神から簒奪した権能を以て魔術結社「五嶽聖教」の魔教教主となった。武術と方術を極め、権能を使いこなす魔王である。
プライドが桁外れに高く、護堂がドン引きするレベルである。
普段は中国江西省・廬山の山深くに編んだ庵で暮らしている出不精だが、世界中どこでも縮地神功・神足通による瞬間移動が可能である。
カンピオーネであるない関係なしに多才の人物。武芸や道術はもちろん兵法、料理、賭博等様々な才能の持ち主。
大力金剛神功(The Power)
阿吽一対の仁王尊・金剛力士から簒奪した権能。金剛力士のパワーと筋力を己の体に宿し、無双の剛力を生む力。極めてシンプルな権能だが、人の身体に収まりきらない『金剛力の精』を黄金のオーラとして外に発することで、でたらめな応用性を発揮する。そのオーラを巨大な掌へ形状を変化させ敵を打ちのめしたり、鎧のように身に纏って護身することが可能で、一点に集中すれば万物を斬り伏せるドニの魔剣さえも防いでしまう。
さらにオーラを巨大な黄金色の金剛力士の顕身として2体召喚することもでき、武器を持たせたり自身の武術を行使させられる。顕身は最大3000mもの巨体となるが、大きくなるほど強度が低下する弱点があるため、普段は20m未満の大きさで使役する。呪力の消耗が大きく、金剛力士へのダメージは羅濠本人にフィードバックされるが、緊急時に大規模な攻撃から身を守る際は楯や鎧の代わりとしても利用できる。
竜吟虎嘯大法(Dragon Voice)
インド神話の聖歌の女神ガーヤトリーから簒奪した権能。声や息吹を超音波の風として吐き出し、衝撃波を発生させる力。吟じる時間が伸びるほど破壊力が増すことから詩歌の形で使用する。少し謡った程度でも巨大な神獣を吹き飛ばすほどの魔風が生まれ、羅濠が限界まで謡い続けた場合の破壊力は想像もつかないほどになるとされている。また、呪力を込めて軽く一喝するだけで大型車が追突するのと同程度の破壊力を発揮するほか、声を出さずに軽く息を吹きかけてもゲンコツ程度の威力の魔風が発生する。白兵戦と併用することで、格闘と衝撃波のコンビネーションが可能。
加えて羅濠自身の声と風のうなり以外のあらゆる音を遮断することもできる。
黄粱一炊夢(Terrible Metropolis)
ローマ神話の大地の豊穣神サトゥルヌスから簒奪した権能。『自分が住んでいる町の農業生産力と経済力を大きく上昇させる』風水的かつ戦略的な能力で、権能の範囲内では豊作が続き、商工業が大きく発展する。さらに、そこに住む人々のモラルが向上するため治安も良くなり、住民に幸福が舞い込むようになる。ただし、一定以上の人口のいる場所でなければ発動できないため、彼女の現住所(無人の山奥)ではまったく意味を成していない。なお、自身がそこを離れると一気に都市は没落する。
百草芳菲、千花繚乱(Hopeless Forest)
木行の神精太歳神から簒奪した権能。場所を問わずに草木や花々を生み出し育てる力で、生み出した植物には様々な性質を与えることができる。例として「適者生存」をキーワードとすれば、毒草から食獣植物まであらゆる凶暴な草花が繁茂する密林を形成し、標的を魔の樹海の中に引きずり込んで襲わせることが可能。また、特に意識しなくても何か行動を起こすたびに花を咲かせてしまうらしい。時間をかければ日本列島全体を花畑で覆い尽くし、呪力を全力で消費すれば中華全土ですらも魔の森に変えることができる。なお、智慧の剣などで権能自体を強制解除させられた場合、魔性の植物の活動は停止するが、異常な生長そのものは消すことができず、最低でも半年以上は元に戻らないと考えられている。
将軍令、男児当自強(Kung fu Cult Master)
中国白蓮教の弥勒仏から簒奪した権能。羅濠の号令のもとで武術の鍛錬に参加した全ての者が対象となり、教主の勇壮な『戦いの歌』を聞いた者の技術を一流の武術家にまで引き上げ、銃弾すら跳ね返す『鉄頭銅身』の肉体を与える力。対象者は羅濠に絶対服従で、命令されずとも教主が念じたとおりの行動を取る。