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声優

松岡禎丞


概要


小学校からの野球を続け、中学ではシニアリーグにも所属した。強肩と長打力がよく4番捕手で日本代表候補にもなった。

しかしその後肩を故障し引退することに。

自称平和主義者、普通の高校生といっていて、真面目で律儀な性格をしている。が勝負事を好み「やられたらやり返す」性格もしている。

祖父母の関係、教育から異性関係になるとおよび腰になってしまい「思い通りにならない女を好んでしまう天の邪気」と本人は言う。

その為女性にはよく振り回されている。

春休みにイタリアを訪れた際、軍神ウルスラグナと神王メルカルトとの戦いに巻き込まれ、そこで出会ったエリカと共に、戦いによる被害を止めようと奮闘する。プロメテウス秘笈を用いてウルスラグナの殺害を成して当代7人目のカンピオーネとなった。


権能

東方の軍神 (The Persian Warlord)

ゾロアスター教の《鋼》の軍神ウルスラグナから簒奪した第1の権能。ウルスラグナの『十の化身』に応じた特殊能力を得る。どれも非常に強力だが発動させる条件がかなり厳しい。ウルスラグナとは違い化身を2つ同時に使用することもできるが、頭が割れるような痛みに襲われるなど身体への負担が大きいため、基本的には1つずつしか使用されず、化身の「融合」はさらに負担が大きい。

全ての化身に共通して、1度使用したら同じ化身はしばらく再使用できないという制限がある。初期は丸1日は使用不能だったが、護堂が権能を掌握しつつあることにより20巻時点で半日にまで短縮されている。なお、スミスの「超変身」とは違い、途中で権能を解除した場合でも再使用できなくなる。

“正義の守護神”の権能なので、相性的には無自覚に悪行を繰り返すことの多い『まつろわぬ神』にとっての天敵となるが、逆にウルスラグナと同じ『完璧な善の存在』に対しては(顕現後の所業にも依存するが)どれも発動させづらいという難点がある。化身によっては申し合わせても使えそうな条件の物もあるが、パンドラ曰く「実戦並の緊張感がないとたぶん行使は不可能」。また、化身の発動条件の関係で比較的「集団戦」が苦手。

強風(Tempest)

ウルスラグナ第一の化身。民衆・旅人の守護者としての化身。

どこに居ようとも知人が護堂の名を呼ぶ声が聞こえるようになり、渦巻く風と共に相手の居場所へ瞬間移動する。その際、自身に触れている周囲の人間を同時に移動させることも可能。距離は関係ないため地球外にも転移でき、「幽世と現世の境界」すら飛び越えて移動できる。

発動条件は双方が風の吹く場所にいて、呼び出す側がかなりの危機(「神やカンピオーネと至近距離で対峙している」レベルの危機であれば確実に発動できる)立ち会っていること。この性質から権能が発動可能になった段階で知り合いが危険にさらされていることを逆説的に察知できる。

雄牛(Bull)

ウルスラグナ第二の化身。

人間の限界を超える怪力を持つものと戦う際、大地を通じて圧倒的な怪力を得る。ウルスラグナは天を支えるほどの剛力を持つ英雄ヘラクレスと絆が深いこともあって、一時的な出力なら羅濠の《大力金剛神功》にも匹敵し、体重の数百倍までの物なら容易に持ち上げて破壊できる。また、行使対象が大きく重いほどに、その怪力の度合いも跳ね上がっていく特徴があり、体重70kgの護堂自身を対象に使っても驚異的な跳躍力などを得られる。野球経験を活かして岩などを時速100km以上の速度で投げつけるなど応用範囲も広い。

発動条件は相手(生物以外でも可)が常識外の腕力、力を持っていること。力が強くても人間の枠に入っているもの(ヘヴィー級の格闘家など)は対象外で、少なくとも大型肉食獣や車両が相手である必要がある。化身の中では比較的条件が緩く、戦闘時はまずこの化身になることが多い。対象となる敵が消えると十数分で効果が切れる。

白馬(White Stallion)

ウルスラグナ第三の化身。光明神ミスラの馬車を曳く馬を表す化身。

東の空に昇る第2の太陽(発動時は時刻・天候に関わらず東の空から曙光がさす)から、超々高熱の太陽フレアを焰の槍として照射し地上の標的を焼き尽くす。単発で連射はできないが、「太陽のかけら」を地上に落とす技なので10の化身の中でも最大火力を誇り、一旦発動すれば視界から消えても自律的に攻撃し続ける。攻撃範囲についてもある程度制御でき、狭めればヨット2、3艘ほど、最大範囲は本人も把握できていないが、『運命神の領域』に存在する運命を概念化した端が見えないほど広大な織物を完全に焼失させることができるほどの宇宙的規模の爆炎を発生させることすら可能なことから、圧倒的な物量が相手の場合に最も有効。ただし、攻撃が直線的なので、攻撃軌道上にある物体を溶解させてしまうという欠点を持つ。また、地母神などの冥府に縁のある神格に対しては極めて有効であるが、光や太陽の属性を持つ神には防がれやすい。

発動条件は、攻撃対象が民衆を苦しめるような大罪を(過去を含め)犯していること。発動が可能になると、渡り鳥のような超感覚で東の方角が漠然と分かるようになる。10の化身の中でも使用条件が格段に厳しいが、護堂の敵のほとんどが過去もしくは現在進行形で悪行を行っているために使用頻度は割と高く、いざとなれば自分自身を対象に発動することも可能である。

駱駝(Camel)

ウルスラグナ第四の化身。大地と深いかかわりを持ち、忍耐と獰猛さを象徴する化身。

発動時には、蹴りの威力と耐久力・格闘センスが飛躍的に上昇し、神々と伍する程の格闘能力を(蹴り技限定で)得る接近戦最強の能力。強化された脚力は、岩を蹴り砕き、10mの跳躍を可能とする。発動中は脚が鋼の硬さとなるため、素手で脚を攻撃されても逆に相手がダメージを受ける。同時に、負っている傷の痛みが緩和され、治癒力も向上する。そのタフネスぶりは心臓を刺し貫かれてもなお即死せず、しばらく格闘戦を続けられるほどである。また、神速を見切る心眼を不完全ながらも得られる(成功率で言えば7割弱程度)。後に掌握が進み、打突部位に呪力を集中させ打撃の威力を爆発的に高められるようになる。強化された蹴りは神の肉体を一撃で爆裂させ、鋼鉄の肉体を以てしても内部まで衝撃が浸透するので完全に防ぎきることはできない。

発動条件は一定以上(刀剣で刺されるなど)の怪我を負うこと。

猪(Boar)

ウルスラグナ第五の化身。ミスラが契約破りの罪人を罰するときに使う化身ともされる。

体長約20mの容貌魁偉な黒きイノシシの神獣を召喚する。地面や空中どこからでも召喚でき、地を駆けることで小規模なマグニチュード5程の地震が発生、咆哮に付随する衝撃波により周囲を破壊し、大きな2本の牙で敵を噛み砕き、突進で対象を完全に粉砕する。その戦闘能力は、巨大な神獣どころか、巨大化した神やカンピオーネの顕身とも互角に渡り合える。『召喚獣』ではなく護堂の破壊衝動から生み出される分身に近い存在なので、発動中は護堂自身も『猪』の影響を受けて高い突進力を得る。水中戦も可能であり、海中で召喚された場合は魚雷のような速さで泳ぎながら戦い続ける。聖獣でもあるため咆哮には破邪の力があり、13巻では力を溜め口から衝撃波を大砲のように発射する技を習得、狙いが正確で弾切れもスタミナ切れもない超音波砲台として強力な対空砲火の能力も得る。さらに、全身に衝撃波の壁を纏い近づく物を迎撃する技も身に付け、17巻では衝撃波だけを先に呼び出すことも可能となった。

発動条件は、大きなもの(目安は10t以上)を『猪』の生贄に捧げること。建造物・地形・天体なども破壊対象に指定できるので実質あらゆる状況下で召喚可能と、10の化身の中でも特に自由度が高く(月を破壊対象に指定した際には一跳びで大気圏を突破するほどの大ジャンプが可能となり、神を倒し宇宙空間へ飛び出したまま活動し続け月面へたどり着くとその一部を変形させるほどの大暴れをしている)、雄牛と並び発動条件が緩いため多用される、破壊力と使いやすさを兼ね備えた最強の化身。目標が人間大だった場合など巨大でない敵を倒す際には別の物を破壊対象に指定し、そこへ目標を巻き込む形をとるか、「おあずけ」にして先に敵を倒させるかといった誘導が必要になる。また、猪自身にも意思があるため、新たな目標が出現した場合、猪の合意があれば途中で破壊対象を変更することもでき、破壊対象にも好みがあるので動かない建造物よりは神獣などを倒したがる。一方、生け贄を破壊し終えると満足して消えてしまううえ、対象とした物体を破壊させずに帰らせようとしても言うことを聞かないといった欠点も持ち、意外に打たれ弱く守勢に回ると脆い側面もある。その性質上、護堂が起こした破壊活動の中でも大きなウェイトを占める化身である。

少年(Adolescents / Youth)

ウルスラグナ第六の化身。罪なき民衆を庇護する際に使われた、加護と祝福、支配を司る《英雄》の化身。

仲間にウルスラグナの加護と力を与えることが出来る。加護を授かった者は一時的にカンピオーネと同等の頑強さを得、呪力や霊力も劇的に増加することで呪的耐性も向上する。さらに加護によって体力は完全に回復し、毒などの状態異常も解消される。瀕死(あるいは死亡直後)の状態からであっても即座に蘇生させることが可能である。加護を与える方法は口移しか、対象者の傷口に護堂の血を接触させるかの2通り。

発動条件は護堂のために戦った大切な誰かに危機が迫ったときであること。加護を与える際には永遠の従属を誓わせる必要があり、さらに行使時には対象に強烈な苦痛を伴う。なお、副作用なのか、化身を発動すると心が澄み渡り、強引にキスをする、結婚しても構わないと口にするなど、日頃とは打って変わって女性に対し積極的になる。

鳳(Bird of Prey / Raptor)

ウルスラグナ第七の化身。

神速を発動し、電光並みのスピードと身軽さを得る。荷物の重さが0になる効果もあるため、人間ひとり程度なら抱えたままでも10m以上跳躍できる。最初から最高速度で動ける反面、身体への負担が大きいのか、時間経過で胸に激しい痛みが走り、限界を超えると金縛りを起こしてしばらく行動不能になる。一度金縛りになると、化身を交換しても行動不能をキャンセルできない。ただし痛みに関しては回復魔法で軽減することが可能。また、速すぎるため細かい動きは難しく、動く敵を攻撃してもずれやすい。アレクの《電光石火》とは違って飛行能力は獲得できないため、神速で空を飛ぶためには天叢雲のコピー能力を併用する必要がある。

掌握が進んだ結果、加速能力のみならず減速能力にも目覚め、緩急をつける技術(常に最高速度で動くだけでなく急制動をかける、9割の速度で移動しながら重要な場面で全速を出す、落下速度を減速させてほぼ浮遊状態に留め攻撃を回避するなど)を得たことで高速近接戦闘には向かないという欠点も克服しつつあり、『駱駝』と同時発動することで神速の肉弾戦も可能となる。さらに神速の行使に心身が慣れたことで持続時間が延び、短時間の発動であればデメリットである使用後の行動不能をキャンセルできるようになった。化身を発動させたまま神速をオフにすることも可能で、攻撃を見切るために感覚のみを加速させる、悪路を走破するため身軽さだけを引き出すなど応用範囲も広い。

発動条件は、高速の攻撃を受けること。剣戟や銃弾の速度でも条件を満たす。

雄羊(Ram)

ウルスラグナ第八の化身。生命力と富を表す聖獣で、王権の守護神としての化身。

どんな怪我でも短時間(およそ2時間ほど)で快復する能力。全てのダメージを昏睡中に治癒するため、死の呪詛を直接体内に吹き込まれても、打撲や刺傷によって心臓をはじめとする重要な臓器を損傷しても元通りに復活を果たした。ただしパンドラが「甦る前って一回きっちり死んでいる」と語っているとおり、正確には一度死亡した後、肉体を再生させた上で蘇生するという能力である。蘇生時間により権能の掌握具合が分かってしまい、人間離れの度合いを自覚させるため護堂はあまり使いたがらないが、戦闘でしばしば死にかけるので使用頻度は高い。

発動条件は自身が瀕死の状態であることと、瀕死の時に「黄金の毛皮を持つ羊」をイメージすること。その性質からどれだけダメージが大きくても致命傷を負っていなければ負傷を癒やすことはできず、瀕死の時に自分の意思で発動する必要があるため即死では発動できないという弱点がある。昏睡中は無防備になるので、信頼できる者に体を守ってもらう必要がある。

山羊(Goat)

ウルスラグナ第九の化身。印欧語系の騎馬民族が稲妻の化身として崇拝した、祭司の特殊な呪力を象徴する「角」を持つ聖獣。

化身の発動によって強い精神感応力を獲得し、生死を問わず周囲の仲間や民衆の想い(負の精神エネルギー)と生命力を集めて魔力へ変換することにより、雷雲を呼び寄せ電撃を武器として操る。魔術の才能が無い護堂でも如何なる大魔術師をも超える魔導力が宿り、呪力の扱い方やセンスが格段に向上、他者が生み出した雷雲の支配権を奪取する、雷をボール状にまとめて投げつける、ドーム状に展開するといった細かい制御が可能となる。魔導力の底上げに加えて能力が雷の制御に特化しているため、雷に関しては天候全般を操作するヴォバンの《疾風怒濤》以上の影響力を発揮する。十分に呪力を集めれば単発でもカンピオーネの魔術耐性を突破するほどの威力を連発できるが、多数の人々から力を分けてもらえない状況での一撃は小型の神獣1体をなんとか殺せる程度にまで落ちる。また、集団戦向きな化身の1つだが、爆発力では『白馬』や『猪』に及ばないため圧倒的な物量が相手だとやや分が悪い。加えて、周囲の者から生命力を奪う関係上、この化身が発動している間、人によっては意識が遠のくなどの影響がある(立っていられないほどに消耗するのは虚弱体質の者だけで、それなりに鍛えていれば少しだるくなる程度に止まる)。

発動条件は群衆が「不幸」「苦難」「不安」「恐怖」にさらされていること。対象を民衆からも敵として認定させなければならないため『白馬』と同じく発動は難しいが、一旦発動さえしてしまえばその力で民衆の心に干渉し扇動することで恐怖心を束ね、周辺一帯から精神エネルギーを吸い上げてほぼ無限に攻撃し続けることが可能。ただし、大勢から力を集める際にはある程度の精神集中が必要となり、味方や人口密集地から引き離されると十分に力を発揮できなくなる。

戦士(Warrior)

ウルスラグナ第十の化身。「まつろわす神」としての権能を体現した化身で、人間の戦士が持つ黄金の剣の具現。

相手となる神の知識を詳らかにすることで、神を切り裂く言霊の剣を創り出す。無数の黄金に輝く光球が神力を切り裂く智慧の剣となり、標的本体に当てればダメージと共にカンピオーネや神の権能を一時的に封じることができる。発動させている間は身体能力が向上し、対峙する敵を深く理解できる洞察力・神々の本質や呪力を見抜く眼力・『山羊』同様の魔導力により、神が使おうとした技やカンピオーネが使用した未知の権能の素性まで理解できるなど、霊視にも似た能力(新たに剣を切り替えられるほどの知識までは得られない)を獲得する。

神相手なら最強の盾であり最強の剣でもある。神格にある程度の類似点があれば発動中でも剣を切り替えて対応できるなど利便性も高く、名を隠している相手に対しては通常より強大な威力を与える。一方で決定力に欠けるのが最大の難点で、神獣程度なら一太刀で滅ぼすことができるが、この化身だけでまつろわぬ神を殺すことはまず不可能。その他、使い続ければ実際の剣同様に消耗し光球の数が減少していく、カンピオーネの場合は基本的に一つの権能しか封じることはできない、神々が別の神に由来する力を使った場合もうまく効力が現れない、不朽不滅の神具はごく短時間しか機能を封じられない、対象変更は神格の差異が大きくなるほどその効果は弱まり体への負担も大きくなる、体内に宿せば対象となる神の攻撃をある程度緩和できるがこうした消極的な用法にはあまり向かない、変身能力を持つ神や複合的な神格を持ちそれぞれを分離できる神とは相性が悪いなど欠点も多い。これらの特性から、護堂は敵の厄介な力を封じることで劣勢をひっくり返す手段としてこの化身を使うことが多い。

護堂は主にマシンガンの弾丸のように飛び道具として操るが、光球を束ねることである程度形を変えることも可能で、実体化させ本物の剣にすることもでき、全てを『蛇』状に融合させて操り、その頭に乗って空を飛んだこともある。

さらに、光球同士を結合させることで、より強力な効果を持つ「ウルスラグナの聖剣」を作り上げることも可能。大きさはサーフボードほどで、数は8つにまで減少するが、攻守ともに能力が通常時の数万倍に上昇、多少別の神格の力が混じったところでそれをも打ち砕くことができる。通常の剣と同様、一度きりだが斬り裂く神の対象を変更できる。

発動条件は相手の神またはカンピオーネの権能の源である神について深い知識を得ること(200字の小論文程度の口頭で伝えられる知識では不十分で、神話を形作った民族の歴史なども含んだ「本を1、2冊かけるほどの知識」が必要)。

『白馬』と『戦士』の融合

『白馬』で作った第2の太陽に『戦士』の千刃を混ぜ合わせることで、神速でも回避困難な光速の武器を無数に生み出す。斉天大聖との戦いで使用し、彼の権能で猿に変えられた日光一帯の人々をわずか5分ほどですべて救済した。

しかし強力である反面、化身の同時発動以上に負担が大きく、使用中は脳が沸騰するほどの激痛に襲われるため、裕理の精神感応で負担を半減させてなお防御に気を回す余裕すらなくなり、護堂自身がその場からほとんど動けず無防備になるのが最大の弱点。


天叢雲劍(あまのむらくものつるぎ)

征服神の神格と《鋼》の属性を持つ日本最高峰の神剣であり、速須佐之男命が妖蛇・八岐大蛇を倒して、屍の尾から入手した愛刀。スサノオの「まつろわす神」としての性質の根幹を成す蛇殺しの鉄剣で、持ち主以上に源流に近い性質を持つ日本国征服のシンボル。別名「草薙劍(くさなぎのつるぎ)」。スサノオの他にも日本武尊が振るったことで知られる。形状は刃渡り3尺3寸5分の豪刀で、通常時は白銀の刀身を持つ蕨手刀だが、まつろわす力を発揮すると刀身が漆黒に変色した彎刀へと姿を変える。三種の神器として伝わっているものとは別物なので考古学的な意味では偽物だが、神の所有物として見れば限りなく本物に近い宝物。

本来の所有者である御老公(速須佐之男命)は幽世で隠棲中のため、当初は媛巫女の清秋院恵那に貸与されていた。恵那が幽世での神がかりに失敗したことで、彼女を内部に取り込み背丈20mの「刃の巨人」と化して暴走状態に陥るが、現世に転移して暴れ続けていたところを、護堂が『猪』で千鳥ヶ淵ごと破壊して倒したことで彼の所有物となった。ただ、護堂に敗れた後でスサノオや恵那の手を離れるも、彼が「銃刀法違反を犯すつもりはない」という理由から一時的に沙耶宮家に預けていたという特殊な経緯があり、「権能というには妙にお節介で、武器というには自身の内部に入り込みすぎている」と護堂本人が感じているため、天叢雲劍からの提案で「相棒」という関係に収まっている。そのため厳密に権能と呼べるか微妙だが、「神刀・天叢雲劍から簒奪した草薙護堂第2の権能」として扱われることが多い。

神が自らのために作り上げた神具とも言える器物だが、高い神性と自分の意思を持つ従属神に近い存在。一人称は「己(オレ)」で、護堂のことは「王」と呼んでいる。普段は護堂の右腕を「鞘」として眠っており、護堂が意識して話しかけるか闘いにならない限り会話すらしない。派手好きな性格にして、本分である闘いのことしか頭になく、それ以外のことに気を回すつもりがないが、戦闘時には普段と打って変わってかなりおせっかいになり、護堂へ積極的にアドバイスやフォローをするようになる。

数々の異民族をまつろわせる過程で富・民・技術・知識を奪い取ってきた伝説から、主と同じく偸盗の能力を持つ。第1の能力は、「まつろわぬ神やカンピオーネの権能1つをある程度コピーし、一時的に自らの力とする」というもので、当初は傷を与えた物から出なければ使用できなかったが後に掌握したためかその過程を経ずともコピーできるようになる。第2の能力は「護堂の《東方の軍神》を吸収し、自らの神力と掛け合わせることで強化・発展させ、新たな異能を発現する」というもの(それぞれの能力は後述)で、第1の能力とも併用できる。初使用時は昂ぶった戦意に任せて使っていたが、恵那の協力で天叢雲の本質を理解したことで戦闘中以外でも一部の力は使えるようになった。ただし、この能力は天叢雲への負担が大きいため、1度使うと日を空けなければ使うことができず、全ての化身を適用させられるわけでもない。

『強風』との融合

使い手に風の速さと颶風の破壊力を与える『風の劍』となり、瞬間移動に匹敵する高速移動と神の肉体を切断できる攻撃力を得る。

『白馬』との融合

刀身が黄金の輝きを放つ「太陽のかけら」となり、魔王殲滅の力を得た救世の神刀に匹敵する攻撃を繰り出せる。

『猪』との融合

黑金の装甲となり、《鋼》の肉体を持つ「猪の形をした生ける神刀」に化身させる。鋭い刃と化した一対の牙は敵に向けて射出することも可能で、アレクの《電光石火》をコピーして射出速度を神速にしたこともある。なお、性格の一致によるものか、両者とも普段よりテンションが上がり生き生きとした状態になった。

『山羊』との融合

右腕に落とした雷撃の大電流により、磁鉄鉱に磁力を帯びさせることで即席の電磁砲を作り上げ、敵を超高速で打ち出す秘術・電磁鉄鋼が可能となる。

『戦士』との融合

滅ぼしたい神具を理解することで神具破りの「智慧の劍」となり、黒い刀身はウルスラグナの剣と同じ「輝く黄金の刃」へ変わる。不朽不滅の神具であろうと、斬られれば少なくとも数日間その機能を停止する。

その他にも、神やカンピオーネ、及び彼らの加護を受けた者以外から呪力を強奪する、権能未満の呪詛や魔術の類の力を破魔の力で打ち破る、無数の破片と化して飛散し対象を爆散させる千釼破の神力など、数々の霊験を有する。その神威で魔術を強化するための触媒ともなり、短時間なら《黒の剱》の制御を単独で行うことも可能。また、誕生の経緯から竜蛇の肉体と同じ素材から鍛えられたとも言えるため、使い手次第で堅牢な竜の腕を一太刀で切断できる。さらに護堂の腕を鞘としていることから、剣を肉体の延長と解釈することで天叢雲に体の動きを任せ、剣の素人である護堂でも達人並みの剣技を振るえるようになる。なお、護堂が貸与の意を示せば元の使用者である清秋院恵那も直接使用できるほか、ドニやランスロットにも貸し出されている。護堂と恵那の間で通信機の役割を果たすこともできるが、戦闘と関係ない扱い方に関しては消極的な態度をとる。何らかの原因で護堂が呪力を封じられると活動を休止してしまう。


黒の劔(くろのつるぎ,Storm Bringer)

ギリシア神話の智慧と戦いの女神アテナの原形となった「原初のアテナ」が、死の間際に残した破滅と新生の秘術を天叢雲劍に注いで作り上げた大法。対外的には第3の権能とされているが、こちらも正確には権能ではない。鋼の軍神と大地母神の霊力を無理矢理に融合させた剣であり、護堂がアテナとともにランスロットに挑んだ際に、「神槍エクスカリバー」を真似て彼女の地母神の力と秘術をかけ合わせ、天叢雲に吸収させて作ったもの。

直径25mほどはある巨大な疑似ブラックホールを作り出し、中心に向かってあらゆるものを引き寄せ押しつぶす重力嵐を生み出す。上空に発生させた暗黒星を、時速数百kmの速度で敵に向けて落下させる事もできる。発動中、天叢雲劍の刀身は冷気を発する青い炎をまとっている。その様が宇宙の星の始まりと終わりを示していることから『天地開闢の劍』、『はじまりと終わりの剱』とも呼ばれる。護堂の他の権能と比較しても圧倒的な破壊力を秘めており、対多数との戦闘には非常に役立つ術であるが、全力発動に時間がかかるため1対1の戦いにはあまり向かず、仲間を対象外にすることはできるが多数の中から特定の目標を狙い撃つのも苦手としている。ただし、完全発動させなくても、微弱な重力によって敵の武器を吸い寄せるなど、相手の動きを妨害できる。また、天叢雲の相棒だった恵那から呪力供給のサポートを受けることで、威力上昇に必要な時間を短縮できる。

キルケーとの戦いで扉が開き、祐里が精神感応で制御を助けたことによって不完全ながらも発動し、キルケーの住む迷いの島を消滅させた。当初は天叢雲と護堂両方とも負担の大きい危険な術だったが、キルケーから叡智の権能《暁の秘録》を授かったことで完全に掌握できるようになった。後にアテナの転生体である《神祖》パラス・アテナと共闘したことで天叢雲を地中に転移させたまま待機させられるようになり、準備しておいた暗黒星を一瞬で地上へ出現させたり、地下から重力を発生させて敵を地面につなぎ止め移動を阻害することも可能となった。

暁の秘録

ギリシア神話の魔女神キルケーから贈られた叡智の権能。一時的に魔女の魔導力を操る言霊であり、アテナの秘法《黒の剱》を運用するために利用される。

権能と呼ぶにはささやかな力だが、これは護堂と戦った時点でキルケーが既に重傷を負っていたため、「パンドラが納得する勝利」は達成できておらず、本来であれば権能を得られないはずだったが、キルケーが自身の意思でパンドラに要望したことで、護堂に力を託すことが許された。


白き騎士の突撃(Lance of White Knight)

槍の軍神ランスロット・デュ・ラックを名乗るアマゾネスの女王から簒奪した第4の権能。言霊を唱えることで護堂の守護騎士となったランスロットに実体を与え、10分間だけかつての呪力と権能を甦らせる。超威力の一騎駆け「隕石落とし」などの生前の技を行使し、護堂から天叢雲劍を借りて竜殺しの剣技を振るうこともできる。ただし、ランスロットは従属神になっているため呪力の蓄積量が減っており、呪的耐性が生前より低下している。

実体化していない霊体状態では雷鳴を起こす程度のことしかできない。ランスロットの性格は生前と変わらず護堂自身も彼女の行動を制御できているわけではないため、戦闘中に自分をなかなか召喚しなければ雷を落として急かすこともある。権能非使用時には風雲と一体化して護堂の元に控えており、高速で移動していてもついて来られるだけの機動力を持っているが、主の瞬間移動には同行できないため、追いつくまでの間は使用不能となる。


太陽を喰らう者(Sun Stealer)

古代インドの風の白猿神ハヌマーンから簒奪した第5の権能。ハヌマーンが太陽を奪おうとして飛び立ち、雷神インドラの手で空から叩き落とされた逸話を再現した権能で、暴風と巨大な『ハヌマーンの影』を呼び、熱エネルギーを吸収する。太陽・焰・稲妻・高熱・閃光のかたまりなどに有効で、救世の神刀が生み出す『白き恒星』の雷すらしばらくなら封印してしまう。攻撃者より護堂の方が呪力で勝っていた場合、熱や焰の制御権を奪い自由に操ることが出来る。

また、火の鳥を呑みこんで人質にする、護堂を抱えて空に飛び去るといった応用も可能。


反運命の戦士(Anti-Fatal Champion)

《運命の担い手》と呼ばれる源印欧語族の創始した運命神の原典から簒奪した第6の権能。運命による束縛をほどき、断ち切り、呼び寄せて任意の対象に結びつけることができる力。並行世界からの救援要請を聞く力や、アストラル界からなら「運命神の領域」へ自在に転移できる能力も獲得し、並行世界からの呼びかけを受けるだけで容易く世界移動ができるようになっている。さらに世界の理を理解する力もわずかに高まり、幽世でパンドラと交わした会話の内容を思い出せるようになった。

護堂が女神を倒したご褒美として自分で選び取った権能であり、パンドラも今回限りの特例として与えた「本当ならダメ」と言うほど強力な力だが、《盟約の大法》は使えないなど本来の運命神の権能よりは部分的な力となっている。ラーマを捉えていた『魔王殲滅の運命』を自分自身に絡みつかせたことで護堂は救世主の役目も担うことになったが、「運命に逆らえる」権利も持つことから気に入らない仕事なら断ることもできる。


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