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地面の奥底から湧き上がってくる炭化水素液体

いろいろな化学物質を不純物なしに合成できるもとになるので、大変重宝がられている。

概要

古代プランクトンが、地面海水圧力を受け、何億年もかけて液化したものというのが有力な説。そのため、古代に浅いであった地域で多く発見される。

現在ではアラビア半島周辺やベネズエラ北海メキシコ湾ギニア湾岸などで多く採掘されている。石油の存在には地域的な偏りがあるので、過去多くの戦争や政治問題を招いてきた。

採掘された状態のものを原油といい、これを精製して各種の石油製品とする。

利用

分留することで燃料や舗装材として利用するほか、他の有機物への合成など多岐にわたる。

・分留によって作られる石油製品

 LPGプロパンガス

 ガソリン

 ナフサ

 灯油ジェット燃料

 軽油

 重油

 アスファルト

・石油から作られる有機物

 各種のプラスチック合成繊維塗料、溶剤、接着剤、潤滑油など

石油と日本

日本は石油の大量消費国であるが、その大半を海外からの輸入に頼っている。太平洋戦争開戦の理由のひとつにもなった。

北海道、新潟県、秋田県、山形県に零細ながらも油田が存在し、産出量は年間約86万kl。自給率は0.02%。ただしこれだけ出れば国民が飢えないですむ国もある

なおバブル期以降人件費の高騰のため中東産に勝てず1990年代には約25万klほどにまで落ち込んでいたが、採掘条件の良い油田の枯渇、投機による石油取引価格の乱高下と冷戦終結後の中東情勢の不安定さから再び増加に転じた。

東シナ海の日本EEZ内には石油もかなり埋蔵されているのではないかと言われている(深海底のため採掘はかなり高コストになるが、現状よりさらに石油価格が高騰すれば採算が合うようになる可能性がある)。

環境とのかかわり

不純物を含んだ石油をそのまま燃やすと、毒性の強い窒素酸化物(NOx)や粒子状浮遊物質(SPM)が大量に発生して大気汚染の原因になる。また、換気が不十分なところで燃焼させることも有害物質発生の原因になる。環境基準で、適切に精製した石油製品を販売するよう定められている。

また、脱税の目的で混ぜ物をした石油製品(不正軽油など)の使用は、大気汚染の元凶にもなるので、絶対にしてはいけない。

あまり意識されないが、石油を燃やすと大量の(燃やした石油の量に匹敵する)が発生する。そのため、石油ストーブを使っている部屋は、石炭ストーブや薪ストーブの部屋よりも湿度が保たれやすい。

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石油の編集履歴2014/08/28 16:44:36 版