漢字で「僵尸」または「殭屍」(いずれも読みは「きょうし」)と表記する。キョンシーの呼び名は広東語音で、北京語音では「チャンスー」または「チャンシー」と呼ぶ。
一口に言えば『中国のゾンビ』。明・清時代に原型ができ、映画「霊幻道士」「幽幻道士」シリーズで一躍有名になった。メディアに登場する場合は原型が出来た時代を反映してか、大体「清朝」の官服を着ている事が多い。
キョンシーになる死体
- 道士の手によって儀式を行われ、キョンシーにされたもの(元来、地方労働者が出稼ぎ先で死んだ際に、その屍を故郷に送り届ける為に道士が術を施して歩かせたのが僵尸の始まり、と言う説がある。この習わしを「趕屍(かんし)」と呼ぶ)
- 風水的に正しく葬られなかったもの(魂魄のうち「魄」が抜けきらなかったもの)
- この世に強い恨みを残して死んだ者
キョンシーの特徴
- 死後硬直が進んでいるので、体が硬い。その為動きはぎくしゃくしている(時間が経つにつれスムーズに動けるようになる)。また、スムーズに関節を動かせない為、梯子などに昇る事が出来ない。映画に登場するキョンシーが腕を前に突き出し、ぴょんぴょん跳ねて移動するのはこの特徴を踏襲したもの。但し伝承に置いてはその限りでは無い。
- 爪とか髪の毛が伸びる。爪には毒素が含まれ、キョンシーの武器でもある。
- 顔色が悪いどころじゃない。そして死臭がする。
- お札でコントロールされているが月の光を浴びると制御不能となる。
- 日光と鏡に弱い。
- 視力が弱いが臭いで相手を察知し、頸動脈などの急所を狙って生血をすする。
- 銃・剣による攻撃が効かない。
- 長い年月を生きたものは神通力を備え、空をも飛ぶ(「飛僵(ひきょう)」と呼ばれる)。
- 生前に功夫を身につけていた場合、キョンシーも功夫を使いこなせる(前述のとおり身体が柔らかくなった後のキョンシーは達人クラスの可能性すらある)
と、ザコのイメージが強いゾンビ系モンスターにしてはやたらとレベルが高い。
キョンシー対策
- キョンシーの毒は患部にもち米やゆで卵、雌鶏の血、子供(童貞)の尿をかけると緩和できる。
- 道士なら桃の剣を用いてキョンシーにダメージを与えたり、自分の使役するキョンシーで相手を撃退できるとされる。
- 亦、雷等にも弱いと云われている。