概要
北海道新幹線が2015年度(平成27年度)に開業予定となっていることを受け、青函トンネル内の在来線・新幹線共用区間が現在の交流20,000Vから25,000Vに昇圧(周波数は50Hzのまま)になる事と、保安装置も在来線用だけではなく新幹線用にも対応する必要があり、現在JR貨物が青函トンネルを通過する牽引機として使用している電気機関車であるED79形とEH500形は架線電圧と保安装置が対応しておらず走行できなくなるため、この区間を通過する牽引機として登場した電気機関車。2012年末に試作機である901号機が製造され、五稜郭機関区に配属されて試運転を行い、それをもとに2014年度から順次量産されている。
保安装置はATS-SF型とATC-L型を搭載している。新幹線用の保安装置であるDS-ATCは取り付け準備工事済みであるが、まだ搭載はしていない。
交流電化区間の饋電設備の仕組み上回生失効が起きにくいため、電制が民営化以降の他の新規製造機と異なり回生ブレーキとなっている。
パンタグラフはシングルアーム形のものが1エンド側は運転台寄り、2エンド側は1エンド側寄りに1基ずつ装備されている。
車体はEH500同様に2両永久連結構成のH級機(動軸数が8軸)となっており、青函トンネル内の連続勾配区間に対応しつつ線路使用料(補足参照)を節約するようになっている。またEH500形を基に造られている為、近年の電気車の新製機では標準となっているVVVFインバータ制御(IGBT)となっており、台車もEH500で採用されているものを基に改良を加えたものとなっている。また万一脱線事故を起こした際に、被害を出来るだけ小さくするため各車軸の軸受け下側に逸走防止ガイドが取り付けられている。(EH800の他にE7系・W7系も装備している)
pixiv内ではJR貨物EH800形電気機関車のイラスト・擬人化イラスト・3DCGが投稿されている。
補足
線路利用料について
JR貨物がJR他社(EH800配属予定先ではJR北海道とJR東日本)の線路を借りて営業運転を行っている事業者であるため、重連すると編成内の機関車が2両となるため線路使用料が2両分かかるが永久連結構成の機関車は切り離して運転することは不可能なので1両扱いとなり、線路使用料も1両分となる。
愛称など
まだ試作機が試運転している段階で配属・量産されていないため、愛称は決まっていない。
国内のH級機おなじみ「マンモス」のたぐいのあだ名もまだついていない。
夜行列車の牽引について
2015年現在、新幹線開業以降のカシオペア(北斗星は同年3月で廃止、8月まで臨時列車で運行予定)の処遇については発表されてないが、仮に廃止されなければ、牽引出来る機関車は現段階でこの車両のみとなるので、当然牽引するものとみられる。なお、EH800の試運転では客車もけん引している。
関連タグ
H級機つながりのタグ
EH10・・・あだ名のひとつが「マンモス」
EH200・・・あだ名が「冷凍マンモス」
EH500・・・あだ名が「平成のマンモス」