- 北欧神話の最高神。本項で解説。
- ファイナルファンタジーシリーズに登場する召喚獣のひとつ、オーディン(FF)。
- ロードオブヴァーミリオンシリーズに登場する使い魔の一体、オーディン(LoV)。
- ヴァルキリープロファイルシリーズに登場する神、オーディン(ヴァルキリープロファイル)。
- 遊戯王5D'sに登場するモンスター、極神聖帝オーディン。
- 仮面ライダー龍騎に登場する仮面ライダーオーディン。
- パズル&ドラゴンズに登場するモンスター。オーディン(パズドラ)を参照。
- とある魔術の禁書目録の登場人物。ここはオティヌスを参照。
- レイフォースに登場する金色の装甲を持つ人型兵器。
北欧神話のオーディン
古代チュートン族の神。元来は嵐の神であったが、後に軍神・農耕神・死者の神とされた。名は北欧古語で「激昂する者」を意味し、つづりはOden、またはOdin。日本語ではオディーン、ウォータン、ヴォーダンとも表記される。兄弟と共に世界を創造した神であり、多くの神々の父であり、また神々の支配者、アース神族の主神である。
世界で最初に現れた神ブーリの息子ボルと、ヨトゥン(霜の巨人)のベストラとの間に生まれた。弟にヴィリとヴェーがいる。三人は協力して当時の巨人の王ユミル(アウルゲルミル)を殺害して解体し、その遺骸の各部位を使って自然の万物を創造した。
三人はまた、北欧神話における人類の始祖アスクとエムブラも共同作業で創り出した。
軍神としては戦いの勝敗を決定する力があるという。具体的にはその使いであるワルキューレを戦場に送り、勝つべきと判定した方に助力して戦いの帰趨を決める。ついでに戦場で戦って死んだ勇者たちをヴァルハラの宮殿に連れ帰らせ(半分はフレイヤに与えるとのこと)、歓待するという。彼らはエインフェリア(エインヘルヤル)と呼ばれ、毎日互いに戦って殺し合い、そして復活して宴を楽しむという。オーディンにとっては、彼らはラグナロクで戦力として期待するためにこのような厚遇をしているのだ。
魔術の達人であり、また詩文の神でもある。全ての吟遊詩人は彼の庇護下にあるとも言われる。特に知識に対して非常に貪欲な神であり、巨人族の賢者ミーミルが所有する「知識の泉」の水を飲んで叡智を得る為に自らの片目を担保にしたり、ルーン文字を考案する為に世界樹ユグドラシルの枝に縄を結んで首を括ったり、と、自らの命を代償に差し出す事すら厭わなかったと伝承されている(因みに世界樹の枝で首を括るオーディンの姿は、タロットカード大アルカナのひとつ「ハングドマン」(吊るされた男)の元になったと言われている)。こうしてルーン文字の秘密を解き、オーディンは特に強力な十八種類の魔法を知っているという。
通常は片目でつばが広い帽子を目深に被った老人の姿で現され、グングニルと言う標的を決して外さない魔法の槍を携えている。乗騎はスレイプニル、諜報係としてフギンとムニンと言う名の2羽のカラスを従えている。また従者としてゲリとフレキと言う名の狼を連れ歩いているとも言う。
変装してミズガルズやヨーツンヘイムを彷徨い、知識を求めあるいは己の目的を果たすために人間や巨人を利用しもしくは助力を与える。それゆえ多くの異名で呼ばれ、フィヨルニル、グリームニル、スンド、グラプスヴィド、シグフォド・・・等の名を持ち、「侵入者」「片眼の者」「灰色のひげのある者」「悪をなす者」「槍をふるう者」「高き者」「恐ろしき者」、そして「万物の父」と呼ばれる。ある時は老いた旅人、ある時は片目の美青年、またある時は貧しい小百姓の姿で現れたこともある。
人間に対しても割と利用する側面が多い神であるが、最高神らしくロッドファーヴニルという吟遊詩人に人類に有用な格言集を授けたりしている。これをオーディンの箴言という。「悪を喜んではならない、善を得るように努めよ」「他人の妻を誘惑してはならない」等と普通の宗教の戒律にもあるような言葉もある。しかし、「オーディンは誓いをなした、と思う。だが彼の誓いを信じるものなどあろうか」と自爆してみたり(実に説得力がある)、「わしは女心を操る魔法を知っておるぞ」と自慢してみたり(奥さんに通報しました)、なかなか楽しい。
実は奥さんも夫の弟二人と浮気していたりする。
ラグナロク(神々の黄昏、北欧神話に措けるハルマゲドン)で姦計と知略の神ロキの息子がひとり、魔狼フェンリルに噛み殺され、最後を迎えた。