曖昧さ回避
- 北欧神話に登場する天国(本記事で説明する)。
- 小説『銀河英雄伝説』に登場する地名、銀河帝国の首都星系。また北欧神話にちなんで、銀河帝国で死んだ英雄が赴く天国もヴァルハラと呼ぶ。
- 『ゴッドハンド輝』に登場する病院「安田記念病院」の通称。
- 物語シリーズに登場する戦場ヶ原ひたぎと神原駿河のコンビ。→ヴァルハラコンビ
- PCゲーム『VA-11_HALL-A』。読みが「ヴァルハラ」である。
- SRPG『ラストオリジン』に登場する部隊「シスターズオブヴァルハラ」。
概要
北欧神話の主神・オーディンが住む王宮。神々の地、アースガルズ(アスガルド)にある。
戦いにおいて戦死した勇敢なる英雄たちは「エインヘリャル(エインフェリア)」と呼ばれ、その魂はオーディンの使者たる戦乙女「ヴァルキュリア(ワルキューレ)」によってヴァルハラへと昇る。
彼らは毎朝互いに戦いを開始し、敗れて死んだ者も夕刻には再び立ち上がって宴に列席し、ワルキューレたちにお酌をしてもらえるとのこと。
ざっくり言うと『あの世一武道会』の試合会場兼選手村のようなもの。
病死など戦場以外で死んだ者はヴァルハラに招かれる栄誉を得られず、死の女神ヘルが支配する死者の国ニヴルヘイムに落ちる(その為『善人が天国へ行き、悪人が地獄に落ちる』という一般的な死後観とは異なる点に注意)。
毎日死ぬような痛い目に遭う天国なんて嫌じゃ!と言ってはいけない。北欧神話の武勇優先主義がよく表れた天国観念である。つまりこの時代の北欧に生まれてそして死んでから天国に行きたければ、強くなるしかないのである。強くなって戦場に出て、そして勇敢に死ねば天国ヴァルハラに昇れる。臆病にも逃れて殺されたり、戦争が怖くてずっと街や村で震えていて死ねばニヴルヘイムに堕ちてしまうのだ。戦わなければ生き残れない!
この観念は、かつて自分達の領土を獲得するために遠征と侵略戦争を盛んに行っていた北欧のヴァイキング達の気質や価値観を如実に表していると言える。
昨今の異世界転生と似ているという声もあるが、こちらは現世で勇ましく戦い結果を残し、最期も戦場で迎えて主神オーディンのリクルートを受けることが前提である点で異なる。
たとえ神の手違いであろうと、交通事故などというつまらない死に方をした者にはヴァルハラに入る栄誉は与えられないのだ。