概要
大阪駅～浜坂駅・香住駅・鳥取駅間を播但線経由で一日3往復運行されている。兵庫県北部と同県県庁所在地の神戸市や姫路市を結び、更には県内で山陽新幹線の駅の無い地域と大阪を直結するJR特急の役割も果たしている。
他の例に漏れず、高速バスと競争関係にあり、同じJRでも大阪～和田山～豊岡～城崎温泉間ではこうのとり/きのさき(和田山~城崎温泉)と、大阪～鳥取間ではスーパーはくとと競合している。これら両列車より走行距離が若干長く、姫路駅で方向転換を要すること、播但線北半に非電化区間があること等から所要時間は余分にかかり、後に発車したスーパーはくとの方が下りは鳥取以遠、上りは大阪以遠に先着することもある（かつては和田山以遠を北近畿などにも先行されていた）
当初はキハ80系が使用されていたが、1983年のやくも電車化に伴い、キハ181系化されその後2010年までキハ181系が28年にわたり使われた。1986年に福知山線経由のまつかぜが電車化され北近畿となったことで、城崎以遠との利便性を図るため1往復が増発されるが、逆に智頭急行開業時には米子までの列車が倉吉などまでに区間短縮した上で、1往復が季節列車化された（後に毎日運転に戻る）。
実態としては姫路あたりからなら下手に大阪を回るより速く、また新幹線乗り継ぎでも目的地が米子以西の場合は姫路乗換えで「はまかぜ」を使ったほうが速かったため、定数キハ181系4連(キロ含む)のところ通年5～6連での運用が常態化していた。特に5号は時間帯もよかったのか立ち席まで出る有様だった。
現在はキハ189系(メイン画)・全車モノクラスの3～9両編成で運行される。また、余部橋梁を渡る唯一の特急列車でもある。
贈る花道
「はまかぜ」がキハ187系登場後もキハ181系で据え置かれていたのは、要するに6連を組んで線形のいい路線をぶっ飛ばす運用がキハ187系には不向きだったためである。
このため「はまかぜ」用キハ181系の置き換えには、2010年末に専用の新型車キハ189系が導入された。
やや短いとはいえ国鉄特急華やかなりし時代を髣髴とさせるグリーン込みの編成を組み、山陽本線上をVVVFインバータ世代の新快速と伍して120km/hで飛ばし、播但線も陰陽連絡線の中では比較的線形がよく110km/hで飛ばすことができ、山陰本線では再び全力疾走する。
DML30HS系エンジンの実用化の不手際により登場時から悪評に付きまとわれたキハ181系にとって、「はまかぜ」はその実力を持って挑める、まさに最後に贈られた花道であった。
