概要
主機室(船舶のエンジンを搭載する区画)および缶室(ボイラー)の上部にのみ防護甲板を施し、舷側に装甲を持たず、石炭の防御力に頼る形式の巡洋艦である。この形式は舷側に装甲を用いると重量オーバーになりやすい比較的小型のものに用いられた。
この軍艦は装甲巡洋艦などよりも価格が安い(小型のこの形式の巡洋艦は大型装甲巡洋艦のおおむね1/3)のため一時期は使用されたものの、動力の変化(具体的にはレシプロからタービン変更されたため馬力も上昇したため装甲が可能となったこと、燃料も石炭から石油に代わり防御が期待できなくなったこと)や主砲の進化(砲の威力増加により舷側に装甲なしでは不安となった)、さらには鋼材の進化(クルップ鋼により巡洋艦でも効率的な装甲が可能となった)によりこの形式は時代遅れのものとなった。
巡洋艦のその後
そして技術が発展すると巡洋艦は軽装甲を施した軽装甲巡洋艦(軽巡洋艦)に発展、更にワシントン海軍軍縮条約で主力艦である戦艦、巡洋戦艦が規制されるとより強力な火力を搭載した艦が登場しロンドン条約ではそのような艦を重巡洋艦と規定されるに至った。
保存された艦艇
この種の艦艇ではロシア帝国の軍艦で後にソビエト連邦海軍に所属したアヴローラ(日露戦争や第一次世界大戦、十月革命などに参加)が唯一現存している。
また、トルコはこの種の艦を保存する予定であったものの、おそらく予算の不足により1960年代に解体している。
pixivにおいて
大日本帝国海軍のこの種の艦の作品が多い、オリジナル艦娘も存在している。