概要
日本の細菌学の父と呼ばれる人物。ドイツのロベルト・コッホのもとで破傷風やジフテリアの治療法を発見した。帰国後、伝染病研究所を設立し、ペストの病原体であるペスト菌を発見。志賀潔や野口英世などの後輩の指導にもあたった。
略歴
北里は1852年、肥後(熊本県)の比較的裕福な農家に生まれる。喧嘩好きだったが学業成績は優秀で、東京医学校(現在の東京大学理科三類)に入学、医師の道を目指した。しかし卒業後、内務省に就職し、病気を予防する「予防医学」の道へ進んだ。
そこで病原体の細菌に興味を示すようになり、1885年、医学の先進国であるドイツに留学。細菌学者であるロベルト・コッホの研究所で細菌の研究を始め、破傷風やジフテリアの治療法を発見した。
帰国後の1892年、北里は慶應義塾の創設者である福沢諭吉の援助を受け、伝染病研究所を設立、初代所長となった。ここで北里はペストの病原体であるペスト菌を発見、さらに弟子の志賀潔が細菌性赤痢の病原体である赤痢菌を発見し、北里の名とともに伝染病研究所の名も世界中に知れ渡ることとなった。
その後、福沢が創設した慶應義塾医学部の初代学部長を務めた。1931年死去。
関連の深い人物
- ロベルト・コッホ : 師匠。ドイツの細菌学者。近代細菌学の父と呼ばれる。
- 福沢諭吉 : 恩人。慶應義塾の創設者。
- 志賀潔 : 弟子。赤痢菌を発見した。
- 野口英世 : 弟子。黄熱病の研究中に自身も感染し亡くなった。