概要
アヴローラ(Аврора)はロシア(ロシア帝国→ソ連→ロシア連邦)の防護巡洋艦。19世紀末に建造されて以来、数奇な運命をたどり、ロシアの近現代史の多くの事件にかかわり、現在もサンクトペテルブルクのネヴァ川の河岸で(水面に浮いた状態で)保存されている。現存するただ一隻の防護巡洋艦である。
艦名はギリシャ神話の曙の女神エーオースに由来する(オーロラと同語源)。
ロシア帝国時代
サンクトペテルブルグの海軍造船所で建造され、1900年進水、1903年就役。
バルチック艦隊に編入され、日露戦争の日本海海戦で連合艦隊と交戦。損傷を負い艦長が戦死。敗走し、フィリピンで抑留された。
戦後はバルチック艦隊の練習艦となった。
第一次世界大戦時には巡洋艦として戦線に復帰するための改装が行われていたが、アヴローラ乗組員はロシア革命に同調して冬宮に砲撃を行い、戦闘の火蓋を切った。
ソビエト連邦時代以降
1922年に練習艦となっていたアヴローラは、ロシア革命での功績からソビエト連邦のプロパガンダに用いられ、赤旗勲章を贈られた。
第二次世界大戦では、レニングラードを包囲したドイツ軍に攻撃され、着底した。
戦後に浮揚され、1956年から博物館船として公開されている。
関連タグ
防護巡洋艦 日露戦争 第一次世界大戦 ロシア革命 大祖国戦争
アヴローラ(アズールレーン):シューティングゲーム「アズールレーン」に登場する、アヴローラをモデルとしたキャラクター。中国版では(碧蓝航线)では阿芙乐尔
戦艦三笠:同時代(アヴローラの方が数年先輩だが)の博物館船。現存する数少ない前弩級戦艦であり、アヴローラとは日本海海戦で戦った相手でもある。
ヴァリャーグ:アヴローラと並び数少ない日露戦争でのロシア海軍の防護巡洋艦の生き残り。仁川沖海戦で自沈後に日本に接収されて修理され「宗谷」(初代)と命名。第一次世界大戦時にロシア帝国に返還されて旧名に復したという希有な艦歴を持つ武勲艦である。