概要
ジャンルは「タクティカル・エスピオナージ・オペレーション」。
物語のテーマは「SENSE」で、劇中では感覚、意志、遺志など、台詞の中に様々な言葉のルビとして用いられている。
発売前に様々なメディアにおいて小島秀夫監督が「本作で、メタルギアシリーズ本編の謎はすべて解決し、ソリッド・スネークを主人公とした物語は完結する」と明言していた通り、ソリッド・スネークの最後の戦いが描かれた内容となっている。
これまで通りのステルスアクションとなっているが、「隠れるところはない (NO PLACE TO HIDE)」を基本コンセプトとし、銃弾が飛び交う混沌とした戦場を舞台に敵に気取られずに進む事が重要となっている。そのため従来のように小部屋やロッカーなど身を隠せる場所は少ない。さらにスネークの行動によって戦場の状況が変化するようになっており、上手く利用すれば攻略に有利な状況を意図的に作り上げることなども可能となっている。
本編ディスクには「METAL GEAR ONLINEスターターパック」として、本作のシステムをベースにしたメタルギアオンラインが収録されている。(2012年6月13日にサービス終了)
ストーリー
武装集団「サンズ・オブ・リバティ」の引き起こしたビッグシェル占拠事件以降、世論の反発で正規軍の他国への派兵が困難となったアメリカは、PMC(民間軍事会社)にこれを代替させるようになった。その結果、PMCが急速に台頭。無人兵器の発達やナノマシンによる兵士、武器、兵器、戦場の制御管理を行う「SOPシステム」の確立を背景として合理的な戦争経済が成立し、戦争は合法的なビジネスへと変わっていった。
オタコン、雷電と共にオルガの娘の捜索、愛国者達の調査を行っていたスネークだったが、ビッグ・ボスからの遺伝子コピーにより生まれた因果により、肉体の急激な老化が進み、突然の発作に苦しめられるようになっていた。身分を隠す必要性と、老化による容姿により、オールド・スネークと呼ばれていた。
そして、ビッグシェル占拠事件から約5年後。スネークのもとに国連職員となった元FOXHOUND司令官ロイ・キャンベルが訪れ、世界各国の大手PMCを運営するマザーカンパニーOUTER HEAVENを統率し、大規模な軍事蹶起を目論むリキッド・オセロットの暗殺を非公式に依頼する。残り僅かな余命をこの任務に賭けたスネークは、任務を遂行するためリキッドが潜伏する中東の戦場へと単独潜入を開始した。
登場人物
- ソリッド・スネーク(オールド・スネーク)
- ハル・エメリッヒ
- ロイ・キャンベル
- 雷電
- ナオミ・ハンター
- メイ・リン
- ローズマリー
- サニー
- ドレビン
- メリル・シルバーバーグ
- ジョニーアキバ
- リキッド・オセロット
- ラフィング・オクトパス
- レイジング・レイヴン
- クライング・ウルフ
- スクリーミング・マンティス
- サイコ・マンティス
作中用語
- SOP
アメリカの企業であるアームズ・テック・セキュリティが開発した「Sons Of the Patriots」の略で、ナノマシンを用いた戦場管理システムの名称。
標準任務規定(SOP:Standard Operating Procedure)と同じ略語だが、無関係。
兵士の体内に注入したナノマシンにより感情の制御、兵士同士の情報のリンク、敵味方の識別、負傷状態だけでなく血糖値や水分量、残弾などありとあらゆる情報の管理等を行う事で効率のよい運用が可能となる。
痛覚の抑制も行うことが出来るため、VR訓練との併用で新兵であってもベテランの兵士のように働くことも可能となっている。
脳内物質のコントロールによる感情の制御により、虐殺や略奪等の兵士による不法行為の抑制、戦場に対する怯えや殺人行為への忌避感、過剰な暴力の誘発といった感情により誘発されるマイナス面を抑制することによる任務放棄の回避といったことも行っている。
また銃火器を含むすべての兵器に搭載したチップにより、不必要な発砲の抑制、反乱の防止、武器の横流しの防止なども行っている。
これらの利点からPMCの問題行為の抑制のために国連により導入されたが、戦場の管理・効率化は法執行機関にも恩恵を齎す事から殆どの軍や警察機関も採用している。
SOPの普及によりIDロックが搭載された銃火器が当たり前となった事からチップ非搭載の銃火器は入手が困難となっている。
アメリカ軍が用いていた旧世代のナノマシンとはシステムの衝突が起きてしまうため、旧世代のナノマシンの活動を抑える抑制剤の投与が必要となる。(これは劇中で提示された範囲ではオールド・スネークのみで起きているため、ある目的のための嘘と言う可能性もある)
但し、状況によっては完全な感情の抑制ができないこともあり、例えば南米の高地では空気の薄さによってナノマシンの働きが少し悪くなっているためか戦闘時に感情を露にして必要以上に発砲するなどの事態が起きている。
敵味方の識別も自動的に行われないなど、完璧ではないようで、変装したレジスタンスが紛れていても気付かないといった事も起きている。
常にリンク状態であることを逆手に取り、敵兵にスキャニングプラグを用いることでリンクしている兵士の位置を知る事も可能。
また銃火器もドレビンのような武器洗浄人の存在により、民兵や小規模PMCは高価ではあるがIDロックがされていない裸の銃を入手することが出来る裏ルートが作られている。
SOPシステムに依存しすぎた結果、兵士の精神面に問題が生じており、リキッド・オセロットによるSOPシステムの乗っ取りによりシステムから外された結果、PTSDが発症し、戦闘が行なえなくなる症状(SOP症候群)が発生している。
また、乗っ取りが不可能なために想定されていなかったが、何らかの問題が生じた際に銃火器だけでなくヘリといった全ての兵器が使用不可能となる問題も抱えていた。
小説版においてはシステムに依存した戦術はある程度パターン化されており、時間をかけて解析すれば穴が見つかってしまう欠点がある。(ただし、状況的にこれは存在している欠点かは不明)
システム廃止後も一部の機能は継承されており、MGRにおいてサイボーグの敵味方識別にXIFFが用いられ、PMCにより程度は異なるがサイボーグには痛覚及び感情抑制が行なわれている。
- 戦争経済
国家間の利益や主義主張などの政治の手段から戦闘による利益追求のビジネスの場へと変化した戦争。
アーセナルギアの暴走によってマンハッタンに被害が発生(表向きはアメリカ海軍の新型艦が2000年問題による暴走事故を起こしたとなっている)した影響により正規軍への不信から派兵規模が縮小され、その穴を埋めるべくPMCによる代理戦争が行なわれるようになっていき、PMC雇用の経済効果は無視できないものとなっていった。
戦場をクリーンなものとするSOPの導入により更に加速し、世界で行なわれる戦闘行為の六割以上が雇われ物同士の戦闘となり、ついには戦闘そのものが経済市場となった。
また兵器や装備の開発による経済活動も無視できないものとなっていき、さまざまな無人機が開発、投入されるようになっていった。
基本的に戦場に投入される兵器やPMCの数は無制限ではなく、情勢に応じて提示される戦場価格に応じて調整され、赤字とならないように増減される。