概要
「HUGっと!プリキュア」のキーアイテム。
世界に溢れている明日を創る希望の力・アスパワワが結晶となったもの。宝石のような形をしており、中央部とそこに向かう三条のラインには、何らかの意匠を凝らした装飾がなされている。
作中では、プリキュアの素質を持つ少女たちが未来への思いを高めたときにミライクリスタルが生み出されている。
また、はぐたんはプリキュアたちが生み出したミライクリスタルから抽出されるアスパワワを摂取することでエネルギー源としている。
ただし、ミライクリスタルからアスパワワを抽出できるのはプリキュアのみである。
つまりは、はぐたんを守り育てることができるのはプリキュアのみということだ。
本作の敵組織である侵略企業クライアス社は、このミライクリスタルを狙っている。
クライアス社にミライクリスタルが奪われれば「みんなの未来」を無くなってしまう。
未来がなくなるという言い方は非常に抽象的に感じるかも知れないが、本作においては言葉通りの意味であり、第2話でのハリハム・ハリー曰く「わかりやすく言えば、時間が止まってしまうということ」らしい。
ハリーのいた世界は実際にクライアス社に未来が奪われてしまったということだが、8個のミライクリスタルのアスパワワをはぐたんに与えることができれば、再び時間が流れ出すのだという。
逆に、クライアス社をこのまま放置していれば、野乃はな達がいる「この世界」の未来も奪われるだろうということ。
ミライクリスタル一覧
変身用ミライクリスタル
プリキュアの素質を持つ少女達が、「自分の未来を守りたい(もしくは未来へ踏み出したい)」謎の赤ん坊・はぐたんと共鳴したときに生み出される。プリハートと呼ばれるデバイスにセットすることでプリキュアに変身できる他、キメ技の行使時にも使用する。
形は全てハート。
ミライクリスタル・ピンク
野乃はなが所持するミライクリスタルであり、はなをキュアエールに変身させる力を持つ。クリスタルの装飾は花。
生成されたのは第1話。オシマイダーに蹂躙されそうになるはぐたんを目撃したはなが、心の中に湧き上がる恐怖を抑えて「ここで逃げるのは格好悪い、自分のなりたい野乃はなの姿ではない」とはぐたんを守ろうとする強い思いから誕生した。
ミライクリスタル・ブルー
薬師寺さあやが所持するミライクリスタルであり、さあやをキュアアンジュに変身させる力を持つ。
形はハート形、クリスタルの装飾は羽。
生成されたのは第2話。キュアエールがオシマイダーに苦戦しながらも自分を守るところを目の当たりにしたさあやが、何もないと思っていた自分にも「守られるべき未来」があることを自覚することで誕生した。
ミライクリスタル・イエロー
輝木ほまれが所持するミライクリスタルであり、ほまれをキュアエトワールに変身させる力を持つ。形はハート形、クリスタルの装飾は星。
初めて生成されたのは第4話。
自分のことを気にかけてくれていた梅橋先生がオシマイダーの素体にされ、それをプリキュア達が必死に助けようとしている情景を目にしたほまれが「自分もあんなふうに」と思いを強めたことでミライクリスタル・イエローが生成されたが、それは自分の手元に現れず、彼女を試すように頭上よりも高い空中に浮かんでいた。
かつてフィギュアスケートのスター選手であったほまれは、ジャンプの失敗と大怪我により「跳ぶこと」に強いトラウマを持っていた。
自分の未来は自分で掴み取らないといけないというハリーの言葉を受けてミライクリスタルを掴み取るために跳ぼうとするも、その瞬間怪我をした記憶がフラッシュバックし、跳ぶことに失敗してクリスタルを掴むことができなかった。それと同時にクリスタルは形を失い霧散している。
続く第5話では、ミライクリスタルを生み出せるくらいのアスパワワの持ち主が「過去のトラウマと未来への不安」にとらわれていることに目をつけたチャラリートがほまれを拉致拘束。彼女を精神的に追い詰めて、ほまれから大量のトゲパワワを生み出す。
それをコストに召喚されたオシマイダーはプリキュアに匹敵する力をもつ強敵でキュアエールとキュアアンジュは苦戦するが、2人の諦めない姿に触発されたほまれの「もう一度輝きたい」という思いから再びミライクリスタル・イエローが生成。今度こそ未来を自分で掴み取ることを決意したほまれは見事な跳躍でついにそれを手にし、キュアエトワールへ覚醒した。
2個目のミライクリスタル
第6話以降、プリキュアとして活動するようになった少女達が自分の未来と向き合うようになるにつれ、新たなミライクリスタルが生成されるようになった。1個目とは異なりはぐたんとの共鳴は必要とせず、自分で自分の過去を受け止め未来と向き合うことで生み出されている。
ハート形だった変身用とは異なり、各プリキュアのモチーフを模した形をしている。
各人の1個目のクリスタルと同系色だが色はより濃く、これに関しさあやは「自分の心のより深いところ」から出てきたものだからではないかと推測している。
現時点でこれらのクリスタルが、プリキュアにとっていかなる助力になるのかはわかっていない。
ミライクリスタル・ネイビー
さあやが生み出した2個目のミライクリスタル。クリスタルは羽を二つ重ねたような形で、中心部には八芒星の文様がある。
生成されたのは第7話。未来の自分の生き方に関して考えること自体をなんとなく避けてきたさあやが「これからは自分の心にちゃんと向かい合って、自分が何をやりたいか探すことを頑張ろう」と決意した時に生み出された。
ミライクリスタル・オレンジ
ほまれが生み出した2個目のミライクリスタル。クリスタルは五角形と星を組み合わせたような形で、中心には五稜星の文様がある。
生成されたのは第8話。ジャンプの失敗が元でスケートから逃げていたほまれが、はな達との交流で世界が開け、改めて自分と向き合いジャンプが成功できたことで「無駄な時間なんて無い、はな達と過ごす時間が自分を輝かせる」と気づいたことで生み出された。
ミライクリスタル・ホワイト
ハリハム・ハリーがいた世界で活動していた「とあるプリキュア」が所持していたらしいクリスタル。
本編にはまだ未登場だが、その存在は第3話で言及されている。
クライアス社の社員たちのセリフからすると、この「とあるプリキュア」はミライクリスタル・ホワイトを持って「ハリーがいた世界」から「野乃はな達が住むこちらの世界」へと逃亡してきたらしく、クライアス社もそのプリキュアを追って「こちらの世界」へやってきたのである。
ホワイト以外のミライクリスタルが「こちらの世界」で新しく生まれることをクライアス社は想定してなかったが、それらも奪おうとしている。
また、ハリーはこの「ミライクリスタル・ホワイト」の力によって自分のいる世界から「こちらの世界」へ逃げてきたとはなに語っていることから、ハリーと「とあるプリキュア」は一緒に逃げてきたように思われる。
ミライクリスタル・ホワイトの現在の所在、および「とあるプリキュア」の現状はハリーからはまだ語られていない。ただ、ハリーはプリキュアたちにホワイトを探して欲しいと頼んではいないため、ハリーはホワイトの在り処を把握しているのではないかとも考えられる。
ちなみに、公式サイトなどの作品紹介では「クライアス社が、はぐたんがもつミライクリスタルを狙っている」となっている。しかし上述しているように作中で描かれている第1話時点でのクライアス社の目的は「プリキュアのもつミライクリスタルを奪うこと」であり、初期出撃幹部のチャラリートもはぐたんをただの赤ん坊とみなして何の興味も示していない。
近いうちに何らかの情勢変化があるのかもしれない。
なおこれは余談だが、ミライクリスタルの玩具ではホワイトは放送開始時点で既に発売されており、ぬいぐるみ玩具「お世話たっぷり おしゃべりはぐたん」に付属している。玩具のミライクリスタル・ホワイトの装飾はハートである(つまり、ハートの形をした宝石の中央にさらにハートの装飾がある)
玩具のミライクリスタル・ホワイトはプリハートにセットすると変身音声ではなくはぐたんとキュアエールのおしゃべりが再生される。本来の力を失った状態で玩具化されているとも取れるだろう。